FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価指数:米国株安と円高を嫌気した売りが優勢

前日の米国株主要3指数が下落したことや、ドル/円が円高基調で推移したことなどを嫌気して、朝方は売りが先行し一時下げ幅を200円超に拡大した。しかし、押し目買いも入りじわりと下げ幅を縮小した。午後は米雇用統計や米ISM製造業景気指数など重要経済指標を控えて様子見ムードが広がった。一方で1日発表の財新10月中国製造業PMI(購買担当者景気指数)が51.7と17年2月以来の高水準となり中国景気底入れ期待に投資家のリスク回避姿勢がやや和らぎ、結局、前日比76円安の2万2850円と反落して終了した。

 

東京外国為替市場:108円前後でのもみ合い相場

ドル/円は、米中通商協議の先行きを警戒したドル売り・円買いが進み、一時107.85円付近まで下落し、約3週間ぶりの安値を付けた。しかし、下値では値ごろ感からドルの押し目買いが入り、下げは一服した。その後は、上海総合株価指数の持ち直しや日経平均株価の下げ幅縮小に支えられ、108.06円近辺まで値を切り返した。午後は、日経平均株価や上海総合株価指数の動向をにらみながら、108.00円を挟んだもみ合いとなった。今後発表される10月米雇用統計や10月米ISM製造業景況指数を前に様子見気分も強かった。ユーロ/ドルは、1.1165ドル前後で終日こう着相場となった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

中国では11月1日から5Gのサービス開始

5Gはこれまでよりも高速で、大容量の通信が可能になる次世代の通信規格で、中国ではことし6月に通信会社に5Gの免許が交付され、『中国移動通信』など通信大手3社が1日から一斉にサービスを始める。中国の研究機関によると、中国国内で今年1月から9月までに、5Gに対応したスマートフォンが累計で78万台余り出荷されたという。
また、通信大手3社は今年、日本円で6000億円余りをかけて13万以上の5Gに対応する基地局を整備する計画している。

 

米企業の第3四半期の決算は懸念ほど悪化せず

米企業の7-9月期(第3四半期)決算が懸念されていたほど悪くなく、投資家の間で安堵(あんど)感が広がっている。今夏から勢いを失っていた株式市場に新たな追い風が吹きそうだ。米企業の利益は3四半期連続で減少する見通しだが、30日午前までに決算を発表したS&P500種指数構成銘柄280社のうち、約75%が市場予想を上回った(ファクトセット調べ)。これは過去5年の平均である72%を若干上回る水準だ。

 

米トラック指数は底這で12月も追加利下げの可能性も

輸送量を推し量る米トラック指数は米GDP成長率と相関性が強く、景気が良いと50を上回り、景気が悪化すると50を下回る。このトラック指数が10月に入り底入れの様相を呈すが回復とは言い難く、米景気は先行きの危うさを残しつつ米FRBは利下げの選択肢を維持せざるを得ない。米トラック指数はNY賢人エコノミストの誉高いエド・ハイマン副会長固有の指数であり、9月に48.8と50を下回って以降、低下基調を続けてきたが、10月第1週-2週に48.0で底入れ、10月第3-4週には48.1へと僅かに改善した。しかし、同指数の48.0から48.1への改善は、底入れと言うより底這い、とても回復とは言い難く米景気の先行き不安は拭い難い。ハイマン副会長は9月に米企業の業績悪化と成長鈍化に従来の19年と20年の米GDP成長率2.0%予想を、それぞれ1.8%に下方修正すると共に米FRBの10月利下げ打ち止めシナリオを年内あと2回、12月追加利下げの可能性を示唆し始めた。

 

米国市場では10月雇用統計が公表

市場エコノミストの平均予想は失業率が3.6%と、9月3.5%から上昇も依然50年来の低水準付近で推移すると見ている。一方で、非農業部門雇用者数は前月比+8.5万人と、5月来の10万人割れの伸びにとどまり、雇用ペースの鈍化が予想されている。
ただ、米労働省が発表する雇用統計と相関性が強いとされる米10月ADP雇用統計は前月比+12.5万人と市場予想+11.0万人を上回り10万人以上の増加を維持した。雇用統計での雇用者数が10万人を上回るポジティブサプライズの可能性もある。貿易の低迷で特に製造業関連の雇用が弱く本年の雇用の伸びが減速している。今後消費関連企業の雇用にどのように影響していくかが焦点となる。関税に加えて、今四半期は特に、自動車大手GMのストライキやボーイング737の不具合を巡る受注の大幅減少といった特別要因で特に製造業での雇用の減少が全体指数を押し下げる可能性が懸念される。

■市場予想失業率:3.6%(9月3.5%)非農業部門雇用者数:前月比+8.5万人(9月+13.6万人)民間部門雇用者数:前月比+8万人(9月+11.4万人)平均時給:予想:前月比+0.3%、前年比+3.0%(9月+0.0%、+2.9%)

 

欧米イベント

○16:00   10月トルコ製造業購買担当者景気指数(PMI)
○16:30   10月スイス消費者物価指数(CPI、予想:前月比横ばい)
○16:30   9月スイス小売売上高
○17:30   10月スイスSVME購買部協会景気指数(予想:45.0)
○18:00   10月ノルウェー失業率(予想:2.1%)
○18:30   10月英製造業PMI(予想:48.1)
○21:30   10月米雇用統計(予想:非農業部門雇用者数変化8.9万人/失業率3.6%/平均時給、前月比0.3%/前年比3.0%)
○22:30   カプラン米ダラス連銀総裁、講演
○22:45   10月米製造業PMI改定値(予想:51.5)
○23:00   10月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数(予想:48.9)
○23:00   9月米建設支出(予想:前月比0.2%)
○2日02:00   クラリダ米連邦準備理事会(FRB)副議長、講演
○2日02:00   クオールズFRB副議長、講演
○2日02:00   デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、講演
○2日03:00   10月ブラジル貿易収支(予想:12.50億ドルの黒字)
○2日03:30   ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、講演
○東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議(バンコク、11月4日まで)
○3日 米国が冬時間に移行

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