FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:2万3000円の大台には届かず

米国株式市場で主要3指数が上昇して取引を終えたことや、米アップルが好決算を発表したことなどが支援材料となり、買いが先行した。一時2万3000円付近まで強含んだものの、その後は利益確定やポジション調整の売りなどが上値を重くした。結局、前営業日比83円高の2万2927円と反発して終了した。

 

東京外国為替市場:108.65円近辺でもみ合う展開

ドル/円は、国内輸出企業から月末に絡むドル売り・円買いが持ち込まれ、108.60円近辺まで下落した。中国国家統計局が発表した10月製造業購買担当者景気指数(PMI)が、予想を大きく下回ったこともリスク回避の円買いを誘った。しかし、明日発表される米10月雇用統計や10月米ISM製造業景況指数を見極めたいとの雰囲気から下げは一服した。日銀金融政策決定会合が発表されたものの、予想通りとなったことで影響は限定的だった。午後は、日経平均株価や米長期金利の動向をにらみながら、108.65円を挟んでもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、1.1165ドル前後で小動きとなった。欧州是待ちの様相となっている。

 

日銀政策決定会合の変更はフォワードガイダンス時期削除

日銀は31日の金融政策決定会合で、10年国債金利の操作目標を0.00%で維持する事を決定した。金利水準維持について、フォワードガイダンスから時期を削除した。前回会合では、『政策金利については、海外経済の動向や消費税率引き上げの影響を含めた経済・物価の不確実性を踏まえ、当分の間、少なくとも2020年春頃まで、現在のきわめて低い長短金利の水準を維持することを想定している』としていた。

 

中国のサービス部門も冷え込み始めている

中国国家統計局が発表した10月の非製造業購買担当者景気指数(PMI)は52.8となり、前月に53.7から低下し、2016年2月以来の低水準となった。ただ、景況拡大と悪化の分かれ目となる50は上回った。中国の製造業は、国内外の需要低迷や長引く米国との貿易戦争の影響を受けている。政府は底堅いサービス部門の伸びによる景気下支えを期待している。ただ、中国経済の成長率は約30年ぶりの低水準となる中、サービス部門も昨年終盤から冷え込み始めている。

 

バルニエ首席交渉官は合意なき英離脱リスクなお存在

欧州連合(EU)は28日、今月31日に設定されていた英国の離脱期限を来年1月31日に延期することで合意した。ただ、バルニエ首席交渉官はブリュッセルで行った講演で『合意なき離脱のリスクはなお存在する。準備をする必要はまだある』とし、『慢心してはなあらない』と述べた。英議会が新たな期限までに離脱協定案を承認しなかった場合、離脱期限の再延長はないため、合意なき離脱のリスクは再び1月末に発生すると指摘した。さらに、2020年末までの移行期間中に通商を巡る合意が得られなかった場合もリスクが高まると警告した。

 

米FRBは次の利下げの有無は米経済データ次第

米連邦準備理事会(FRB)は、これまで1984年、1995年、1998年に『予防的利下げ』を行っている。グリーンスパン第13代FRB議長は、1995年と1998年に3回(x0.25%=0.75%)の予防的利下げを行い、今回記録が破られるまでの最長景気拡大を実現させた。パウエル第16代FRB議長も、「適切に行動する」として3回(x0.25%=0.75%)の予防的利下げを行った後、第4次予防的利下げは、『適切な道筋』として、トランプ米大統領の通商政策に影響される経済データ次第へと責任を転嫁した。

 

世界景気減速の底入れ期待も出てきた

10月のグローバル製造業PMI(購買担当者景気指数)が7月以降、3ヵ月連続で改善している。そこには、世界的な金融緩和効果に加え、米中通商協議の部分合意に伴う貿易戦争『停戦』に向けた『不確実性』後退に伴う世界景気減速底入れ期待がある。IMF(国際通貨基金)は10月15日公表の世界経済見通しで『成長回復は裾野が狭く、心もとない』、『大きな不確実性がある』と警戒感を示しつつ世界GDP成長率を2019年の+3.0%から2020年は+3.4%と3年ぶり回復を予想した。

 

欧米イベント

○15:30   黒田東彦日銀総裁、定例記者会見
○16:00   9月トルコ貿易収支(予想:20億ドルの赤字)
○16:00   9月独小売売上高指数(予想:前月比0.2%/前年比3.5%)
○16:45   10月仏消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比0.1%/前年比0.9%)
○17:00   デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○17:30   7-9月期香港国内総生産(GDP、予想:前期比▲0.6%)
○18:30   9月南アフリカ卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.4%/前年比4.3%)
○19:00   9月ユーロ圏失業率(予想:7.4%)
○19:00   7-9月期ユーロ圏GDP速報値(予想:前期比0.1%/前年比1.1%)
○19:00   10月ユーロ圏HICP速報値(予想:前年比0.7%)
○19:00   10月ユーロ圏HICPコア速報値(予想:前年比1.0%)
○19:00   外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
○20:30   10月米企業の人員削減数
○21:00   9月南アフリカ貿易収支(予想:20億ランドの黒字)
○21:30   8月カナダGDP(予想:前月比0.2%/前年比1.4%)
○21:30   9月カナダ鉱工業製品価格(予想:前月比0.2%)
○21:30   9月カナダ原料価格指数(予想:前月比2.5%)
○21:30   7-9月期米雇用コスト指数(予想:前期比0.7%)
○21:30   9月米個人消費支出(PCE、予想:前月比0.3%)
       9月米個人所得(予想:前月比0.3%)
       9月米PCEデフレーター(予想:前年比1.4%)
       9月米PCEコアデフレーター(予想:前月比0.1%/前年比1.7%)
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:21.5万件/168.0万人)
○22:45   10月米シカゴ購買部協会景気指数(予想:48.0)
○ECBのドラギ総裁が任期満了、ラガルド新総裁が就任
○東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議(バンコク、11月4日まで)

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