FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:イベント前のポジション調整売り

前日の取引で約1年ぶりに2万3000円台に乗せたことによる利益確定や、日米金融政策イベントを前にしたポジション調整の売りが出た。市場では『米中貿易協議の合意署名がアジア太平洋経済協力会議(APEC)までに間に合わない可能性が出てきたこと、FOMCの結果待ちのムードが上値を重くしている』との指摘もあった。結局、前日比131円安の2万2843円と8日ぶりに反落して終了した。

 

東京外国為替市場:ドル/円は108.85円前後でもみ合う展開

ドル/円は、日経平均株価の下げ幅拡大や米長期金利の低下をながめたドル売り・円買いが先行し、108.80円近辺へ下落した。しかし、前日の海外市場でつけた108.75円が下値の目処として意識されると、下げは一服した。その後は、国内輸入企業などのドル買い・円売りが入り、108.85円を挟んでもみ合う展開となった。午後に入っても、108.85円前後で方向感に乏しい値動きが続いた。ユーロ/ドルは、1.11ドル台前半で小動きに終始した。欧州勢待ちの展開となっている。

 

かんぽ生命保険は資産運用にオープン外債を増加

かんぽ生命保険 は、2019年度下期の資産運用計画で、徐々にリスクテークを行う方針を示した。景気の底割れは回避され、ドルも強含む展開を見込んでいる。オープン外債や国内株を積み増す一方、ヘッジ外債は減少させる予定だ。円金利資産についても減少予定だが、金利上昇局面では追加投資を行う。29日に開催された資産運用方針説明会で明らかにした。オープン外債を下期、増加させる。上期については、円高を警戒し一部売却したことから、残高は減少したが、下期はドルが対円で強含む展開を想定、一定額を積み増す方針だ。米国債や新興国債ファンドへの投資が中心となる。今年度下期のドル/円レンジは105-115円を想定している。

 

米10月諸費者信頼感指数は予想外に低下

コンファレンスボードが発表した米国の10月消費者信頼感指数は125.9と、9月から上昇予想に反して、低下した。6月来で最低となった。9月分は125.1から126.3へ上方修正された。特に期待指数は94.9と、1月来で最低となったことが全体指数を押し下げた。 全米不動産業者協会(NAR)が同時刻に発表した9月中古住宅販売成約指数は前月比+1.5%となった。伸びは縮小予想に反して8月+1.4%から拡大した。前年比では+6.3%と、2015年6月以降ほぼ4年ぶり最大の伸びを記録した。住宅ローン金利の低下や強い労働市場が奏功し、今後の中古住宅販売の伸びの大幅に拡大する可能性が示唆された。

 

市場はFOMC10月利下げ後は金利は据え置き

会合を前にCNBCが43人のファンドマネジャー、エコノミスト、ストラティジストを対象にした調査結果によると、回答者のほぼ80%はFRBが今回のFOMCで追加利下げを実施すると見ている。しかし、回答者の63%はFRBが10月の利下げ後、年内金利を据え置くと予想。平均では次回の利下げは2月とみている。しかし、回答者の40%は少なくとも2020年を通じて金利が据え置かれると見ている。10月の利下げ後の追加緩和が経済を支援できる保証はないと指摘している。もし、超低金利または、マイナス金利が『万能薬』だとしたら、日本やドイツ経済はすでに6%成長に達しているはず。景気後退入り寸前で推移しているはずはないと説明した。回答者のほとんどは、経済が直面している重要な問題は貿易戦争で、関税の脅威が長期化する中、利下げによる効果はあまり望めないと悲観的に見方をしている。

 

米国市場では7-9月期国内総生産速報値が公表

4-6月期確報値は、前期比年率+2.0%となった。個人消費は順調も設備投資と企業利益が改定値から下方改定された。7-9月期については、輸出や設備投資の伸びが鈍化するとみられている。個人消費はまずまず順調と想定されるが、全体の成長率は4-6月期の実績値を下回る可能性が高いとみられる。

 

欧米イベント

○15:30   7-9月期仏国内総生産(GDP)速報値(予想:前期比0.2%)
○16:45   9月仏消費支出(予想:前月比0.1%)
○17:00   10月スイスKOF景気先行指数(予想:93.9)
○17:55   10月独雇用統計(予想:失業率5.0%/失業者数変化2000人)
○19:00   10月ユーロ圏消費者信頼感指数(確定値、予想:▲7.6)
○19:00   10月ユーロ圏経済信頼感指数(予想:101.1)
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○21:00   7-9月期メキシコGDP速報値(予想:前期比0.2%/前年比0.1%)
○21:15   10月ADP全米雇用報告(予想:12.0万人)
○21:30   7-9月期米GDP速報値(予想:前期比年率1.6%)
           個人消費(速報値、予想:前期比2.6%)
           コアPCE(速報値、予想:前期比2.1%)
○22:00   10月独CPI速報値(予想:前月比横ばい/前年比1.1%)
○23:00   カナダ銀行(BOC、中央銀行)、政策金利発表(予想:1.75%で据え置き)
○23:30   EIA週間在庫統計
○31日02:30   ラウテンシュレーガーECB専務理事、講演
○31日03:00   米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表(予想:1.50-1.75%に引き下げ)
○31日03:30   パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見
○31日06:00   ブラジル中銀、政策金利発表(予想:5.00%に引き下げ)
○米財務省3年、10年、30年債入札条件

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