FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:高値警戒感も強く上値の重い展開

前日の米国株式市場が米中通商合意への期待から上昇したほか、為替市場で1ドル=109円台まで円安に振れたことが好感された。リスク回避の動きが後退しており、日経平均は一時昨年10月11日以来の2万3000円台を回復した。しかし、テクニカル面では高値警戒感も強いことから、大台回復後は伸び悩んだ。結局、前日比106円高の2万2974円と7日続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:ドル/円は109円近辺でもみ合う展開

ドル/円は、国内輸入企業のドル買い・円売りや日経平均株価の続伸に支えられて一時109.07円程度まで上昇、およそ3ヵ月ぶりの高値を付けた。しかし、今週予定されているFOMCや日銀金融政策決定会合を見極めたいとの雰囲気から、上値を追う動きは限られた。その後は、国内輸出企業などがドル売り・円買いに動き、108.95円近辺まで下落した。午後は、日経平均株価や上海総合株価指数の動向をにらみながら、109.00円近辺でもみ合う展開となった。ユーロ/ドルは、1.1095ドル前後で方向感を欠く展開となり、欧州勢待ちの様相となっている。

 

中国の重要会議4中全会が開催

28日に中国共産党の重要会議である第19期中央委員会第4回全体会議(4中全会)が北京で開催された。会議は昨年2月以来と約1年8カ月ぶりとなる。長期化する米中貿易摩擦の影響などもあり、これほど間を空けたのは中国の改革開放路線が始まったこの40年間で初めてとなる。会議は31日まで行われる予定で、終了後に会議の結果や方針が公表される見通しである。今回の会議では、抗議活動が続く香港への対応や長引く米中通商協議など、習指導部が抱える『内憂外患』の問題にどういった方向性を示すかが注目される。第3四半期GDPが前年比6.0%と統計を始めた1992年以降で最低を更新し、第4四半期にも6%を割り込むのではないかと懸念されているなか、新たな景気刺激策発表が期待されているが、今回は政治が中心議題になるとの見方が多い。

 

イランは米制裁強化で財政赤字拡大:窮鼠猫を噛む可能性も

国際通貨基金(IMF)は発表した報告書で、イランが来年、財政赤字を解消するには、原油価格が1バレル=194.6ドルまで上昇する必要があるとの見方を示した。報告書によると、イランは米制裁強化を受け、今年の財政赤字がGDP比で4.5%に、来年は5.1%に膨らむ見通し。

 

米10月FOMCでタカ派利下げならドル買いの可能性も

米連邦準備制度理事会(FRB)は29日から30日にかけて連邦公開市場委員会(FOMC)を開催する。インフレの低迷、世界経済の成長減速や貿易への不透明性を受けてFOMCはこの会合で25ベーシスポイントの利下げに踏み切ることがほぼ確実視されている。同時に、米中通商協議の進展や英国の欧州連合(EU)離脱が延期される可能性で成長減速リスクが軽減したため、FOMCは10月の利下げ後、政策金利を年内据え置くことを示唆するとの見方も浮上している。FOMCメンバーは年内3回の保険的な利下げで『十分』との見方を強めている可能性がある。FRBが公表した9月FOMC議事録の中で、何人かのFOMCメンバーは『市場は過剰に利下げを織り込みすぎている』と見ていることが明らかになった。パウエル議長は会合後の会見で、『midcycle adjustment』の終了に言及する可能性も指摘されている。タカ派的な利下げで年内の利下げ観測が後退するとドル買いに拍車がかかる。

 

米国経済指標はまちまちの展開

米国の9月シカゴ連銀全米活動指数は▲0.45と、予想外に8月0.15から再びマイナスに落ち込み、4月来で最低となった。米9月卸売在庫速報値も前月比▲0.3%と、8月+0.2%から予想外に6月来のマイナスに落ち込んだ。2017年10月来の低水準となった。一方、米9月前渡商品貿易収支は▲704億ドル。赤字幅は拡大予想に反して8月731億ドルから縮小し、2月来で最小となった。

 

31日にトランプ大統領弾劾調査における採決

トランプ米大統領が軍事支援と引き換えにバイデン前副大統領の調査をウクライナ政府に求めた疑いをめぐり、野党・民主党のペロシ下院議長は28日、トランプ氏の弾劾調査に議会のお墨付きを与えるための決議案を週内に本会議で採決すると明らかにした。民主党が一方的に調査を始めたとトランプ政権が批判しており、議会の総意を示すことで調査を円滑に進める狙いがある。米メディアによると、31日に採決する。決議案はトランプ氏に対する信任投票の意味合いがある。民主党内でも共和党の支持基盤が強い地区選出の議員は調査に賛成しにくい。一方で与党・共和党からも決議案に賛成する造反者が出る可能性があり、共和党がトランプ氏の擁護でどの程度まとまっているかを測るバロメーターになる。

 

欧米イベント

○15:00   9月南アフリカマネーサプライM3(予想:前年比7.40%)
○15:45   ロウ豪準備銀行(RBA)総裁、講演
○16:00   10月英ネーションワイド住宅価格指数(予想:前月比横ばい)
○16:45   10月仏消費者信頼感指数(予想:104)
○18:30   9月英消費者信用残高(予想:9億ポンド)
○18:30   9月英マネーサプライM4
○22:00   8月米ケース・シラー住宅価格指数(予想:前年比2.1%)
○23:00   10月米消費者信頼感指数(予想:128.0)
○23:00   9月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数、予想:前月比0.9%/前年比3.6%)
○米連邦公開市場委員会(FOMC)1日目
○トルコ(共和国宣言記念日)、休場

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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