FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:重要イベントを控えて小動きの展開

前週末の米国株高や為替の円安基調を好感し、朝方から買いが先行した。高値では利益確定売りなどが上値を抑えたが、周囲に売り材料が見当たらないことから、前場引けには小じっかりとなった。ただ、企業の決算発表の本格化を控え29-30日に米FOMC、30-31日には日銀政策決定会合等重要イベント前に持ち高を一方向に傾けにくく、結局、前週末比67円高の2万2867円と6日続伸で大引け。

 

東京外国為替市場:108.75円で終日こう着相場

ドル/円は、日経平均株価や米長期金利をにらみながら、108.75円を挟んでもみ合いとなった。月末接近で仲値にかけて本邦実需筋の動向が注目されたが、需給に大きな偏りは見られなかった。今週予定されている。米FOMCや米雇用統計などのイベントを控え、様子見気分も強かった。午後に入っても、108.75円前後で方向感に乏しい値動きが続いた。シンガポール市場が休場で、買いが税の流動性が低下しているため、積極的な売り買いは手控えられた。ユーロ/ドルは、1.10ドル台後半で小動きな値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

英国のEU離脱期限日を控えても離脱の不透明感が払しょくされない

EUと新たな離脱協定案で合意に達したジョンソン首相は19日の英議会での離脱案可決を目指したが、同日の議会では離脱協定案の実施に必要な全ての関連法が議会で成立するまで協定案の承認を遅らせるという修正案が可決され、首相のEU離脱計画に大きな狂いが生じた。また、22日の議会ではジョンソン首相の離脱協定案を実施する法案を可決したものの、10月31日のEU離脱期限を守るための措置として同法案を3日以内に議会を通過させることを求めた首相の動議を否決した。これで同首相が目指す10月末までの離脱はほぼ不可能になった。ジョンソン首相はEUが離脱延期を認めれば、クリスマスまでに総選挙を実施する考えを示した。『合意なき離脱』を避けたいEUは期日延期を認める方向だ。総選挙になると政治リスクも強まる。ジョンソン首相が就任した時は、保守党の支持率が回復気味だったが、最近は伸び悩んでいる。政治の不透明感が離脱問題の不確実性を高めそうだ。

 

南アフリカにとって非常に重要な週

経済指標では29日に7-9月期の失業率が発表される。南アの失業率は上昇基調で、4-6月期には29%にまで達している。失業率の増加で犯罪率も高まっていることで、ラマポーザ政権にとっては今後の政争にも関わる。31日には9月貿易収支とPPIも発表される。政治的なイベントとして、30日に中期財政計画の発表がある。ここで補正予算、多額債務を抱える国営電力会社エスコムをはじめとした、複数の国営企業改革案も発表される。市場は、エスコムに対してこれまで以上に資金が注入されると予想している。内容次第では11月1日の格付け会社ムーディーズによる南ア債格付け見直しにも影響を及ぼすことになりそうだ。市場では格付けは据え置き予想になっている。ムーディーズは3大格付け会社で唯一、格付けをジャンク級扱いにしていないが、もし格下げを行った場合はZARに大きな影響がありそうだ。

 

米ミシガン大学消費者信頼感指数確報値が予想外に下方修正

米国の10月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値は95.5と、速報値96から予想外に下方修正された。9月の93.2からは上昇し7月来で最高となった。米連邦公開市場委員会(FOMC)がインフレ期待指数として注視している同指数の1年期待インフレ率確報値は2.5%と、速報値から変わらず。4月来で最低。5-10年期待インフレ率確報値は2.3%と、速報値2.2%から上方修正された。9月2.4%からは低下し、6月来で最低となった。

 

日米金融政策会合と米7-9月GDPに注目

29-30日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、『適切な行動』としてのフェデラル・ファンド(FF)金利の第3次予防的利下げ(▲0.25%:1.50-1.75%)が予想されている。注目点は、12月FOMCでの第4次予防的利下げの可能性が示唆されるか否かとなる。30-31日の日銀金融政策決定会合では、フォワード・ガイダンスの変更や追加緩和への言及、『経済・物価情勢の展望(展望リポート)』での物価見通しの下方修正の可能性に要注目となる。30日発表の米7-9月期国内総生産(GDP)速報値は前年比+1.6%と予想されており、4-6月期GDPの前年比+2.0%からの減速が見込まれている。予想を下回るネガティブ・サプライズならば、12月FOMCでの追加緩和策の可能性が高まることで、ドル売り要因となる。

 

欧米イベント

○16:00   9月独輸入物価指数(予想:前月比0.2%/前年比▲2.9%)
○18:00   9月ユーロ圏マネーサプライM3(予想:前年比5.7%)
○24:00   ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
○29日02:00   テンレイロ英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○欧州は27日から冬時間に移行済み
○ニュージーランド(労働者の日)、シンガポール(ディーパバリの振替)、休場
○英議会、12月12日の解散総選挙実施の動議採決

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