FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:企業業績の回復期待が支え

前日の米国株高や為替の円安基調を好感して朝方から買いが先行した。その後は、次の材料待ちながら高値圏でもみあいが続いた。市場からは企業業績の回復期待が支えになっているとの指摘も出ている。4日連続で年初来高値を更新し、2018年10月17日以来の高値を付けた。結局、前日比125円高の2万2750円で終了した。

 

東京外国為替市場:108.60円前後で全般こう着相場

ドル/円は、ブレグジットや米中通商協議の行方を見極めたいとのムードが広がり、108.60円台を中心とした狭いレンジで取引された。日経平均株価の上げ幅は100円を超えたものの、上海総合株価が軟調だったため、リスク選好の円売りは目立たなかった。午後は、日経平均株価が上げ幅を縮小したことでドル売り・円買いが入り、108.57円程度まで下落した。しかし、今晩予定されているペンス米副大統領の対中政策に関する演説を見極めたいとの雰囲気から下押しは限られ、108.60円を挟んだもみ合う展開となった。ユーロ/ドルは、1.1135ドル前後で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

欧州市場では、ECB定例理事会が開催

9月会合で追加利下げ、量的緩和(QE)再開など大規模な緩和パッケージを決定後、ECBは今回の会合で政策を据え置く見込みとなっている。ドラギ総裁の最後の会見となる。11月会合から、前IMF専務理事のラガルド氏が後任として就任する。ラガルド氏はすでに、成長や物価安定を目指し、緩和策の維持を支持するハト派姿勢を示しており、ドラギ総裁の緩和政策を継承すると見られる。同時に、政治色が強い同氏が域内景気底入れを目指し各国政府に財政支援を強く働きかけるとの見解も少なくない。域内経済は関税の影響や世界経済の悪化で製造業が特に低迷している。市場はECBが当面政策を据え置くことが正当化されると見ている。理由として、①9月に実施した大規模緩和で委員の見解が大きく分かれたこと、②総裁の交代、③9月の政策が景気や物価に与える影響を確認する必要があること、④最近の景気見通しが冴えないことが背景となる。

 

英国がEUから合意ある離脱してもいばらの道

今月末の離脱実現を目指すジョンソン首相は、離脱に必要な関連法案を提出、第二読会の採決で法案の大枠が支持された一方、3日で下院審議を終える審議日程の採決が否決された。これにより新たな合意案に基づきEUを離脱する可能性が高くなったが、月内の法案成立は難しく、離脱期限の短期延長が必要になる。離脱確定後の英国は、僅か一年足らずでEUなどと自由貿易協定を結ぶことを目指す。これに失敗すれば、合意なき離脱時同様に通関業務が発生し、物流混乱やサプライチェーンの寸断といった事態も想定される。また、英国の基幹産業である金融をはじめサービス業を広くカバーする自由貿易協定の前例はない。合意なき離脱を回避しても、英国にはいばらの道が待ち構えている。

 

米国短期金融市場の機能不全で資金供給を増額

NY連銀は23日に、短期金融市場への資金供給を24日から増額すると発表した。国債などを担保に金融機関が短期預金を融通しあう『レポ取引』の翌日物への資金供給をこれまでの750億ドルから1200ドル億ドルにする。24日と29日に実施する2週間物も350億ドルから450億ドルに引き上げる。短期市場における資金不足が解消されず、短期金利が上昇しやすい状態が続いていることに対応する。また、レポ取引への資金供給は少なくとも2020年1月まで続ける計画となっている。さらに、FRBは11日、短期国債を月600億ドルペースで購入することも決めた。政策を総動員して短期市場の安定化を図っている。

 

トルコがシリア北部停戦『恒久化』で米制裁解除

トランプ大統領は23日、トルコがシリア北部での停戦を恒久化する方針を示したとし、同国に対する制裁を解除すると表明した。トランプ大統領は『トルコ政府が今朝、シリアでの軍事作戦を停止し、停戦を恒久化すると伝えてきた』と明らかにした。同時に『同地域における恒久という言葉には疑問の余地があることも理解している』と述べた。トルコがシリア北東部に侵攻しクルド人勢力に対する攻撃を始めたことを受け発動した対トルコ制裁については『われわれが満足できないことが起きない限り』解除するようムニューシン財務長官に命じたことを明らかにした。

 

米国市場では9月耐久財受注が公表される

8月実績は前月比+0.2%だった。軍用機・同部品の大幅増加が押し上げたが、国防関連を除くと▲0.6%となった。企業の設備投資の先行指標となる『航空機を除く非国防資本財(コア資本財)の受注は▲0.2%だった。9月については軍用機などの受注は反動減が予想されることから、全体の受注額は減少する見込みとなっている。ただし、コア資本財の受注はやや改善し、前月比横ばいとなる可能性がある。

 

欧米イベント

○16:15   10月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値(予想:50.3)
○16:15   10月仏サービス部門PMI速報値(予想:51.6)
○16:30   10月独製造業PMI速報値(予想:42.0)
○16:30   10月独サービス部門PMI速報値(予想:52.0)
○16:30   スウェーデン中銀、政策金利発表(予想:▲0.25%で据え置き)
○17:00   ノルウェー中銀、政策金利発表(予想:1.50%で据え置き)
○17:00   10月ユーロ圏製造業PMI速報値(予想:46.0)
○17:00   10月ユーロ圏サービス部門PMI速報値(予想:51.9)
○20:00   トルコ中銀、政策金利発表(予想:15.50%に引き下げ)
○20:45   欧州中央銀行(ECB)定例理事会、終了後政策金利発表(予想:0.00%に据え置き)
○21:30   ドラギECB総裁、定例記者会見
○21:30   9月米耐久財受注額(予想:前月比▲0.8%/輸送用機器を除く前月比▲0.2%)
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:21.5万件/167.5万人)
○22:45   10月米製造業PMI速報値(予想:50.7)
○22:45   10月米サービス部門PMI速報値(予想:51.0)
○22:45   10月米総合PMI速報値
○23:00   9月米新築住宅販売件数(予想:前月比▲0.7%/70.1万件)
○25日02:00   米財務省、7年債入札
○ペンス米副大統領、対中政策について演説

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