FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:手掛かり材料乏しくも底堅い展開

外国為替市場で1ドル=108円台で安定していたことを支えに続伸してスタートした。しかし、手掛かり材料に乏しく、プラス圏とマイナス圏を行き来する展開となった。また、半導体関連銘柄やソフトバンクグループの下げは相場全体の上値を重くした。ただ、米中貿易協議の進展期待に加え企業4-9月期決算を期待した買いが優勢となり連日で年初来高値を更新した。結局、前営業日比76円高の2万2625円と続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:108円前半ではドルを買い戻す動きも見られる

ドル/円は、英国のEU離脱問題をめぐる先行き不透明感が強まり、ポンド/円の下げに連れて108.25円程度まで下落した。日経平均株価がプラス圏からマイナス圏へ転じたとや米長期金利の低下も、ドル売り・円買いを誘った。しかし、下値では値ごろ感からドル買い戻す動きが見られ、108.30円を挟んでもみ合う展開となった。午後は、日経平均株価の底堅い動きを眺め、108.40円近辺へ値を持ち直した。ただ、ブレグジットを巡る欧米市場のポンド相場を見極めたいとのムードが強く、上値を追う動きは限られた。ユーロ/ドルは、1.11ドル台前半で方向感に欠く値動きとなった。欧州勢参入待ちの様相となっている。

 

英国のEU離脱はまたしても不透明

ボリスジョンソン英首相とEUが合意したEU離脱協定案の承認の時期がまたしても不透明なものになった。今月31日の離脱時期に間に合わせる必要性から、37年振りとなる土曜日開催となった英下院だったが、本採決前に承認しなければならないEU離脱に関連する諸々の案を動議するまでは良かったものの、関連法案審議にたったの3日間しか費やさないことに対して、英下院がストップをかける結果となった。そのため、再び先行き不透明感が台頭する結果となった。そもそも『3日間で採決すること自体、やっつけ仕事もいいところで無理があった』とのもっともな声も聞こえてくるが、それ以上に『そんなことはわかった上での審議』だったわけで、この期に及んで正当論を引き合いに出している時点で、『空気の読めないオールドファッション』の議会である様子がわかる。昨日もFTが報じているように、『英政府は10日間程度の短期間の延長は問題視しない』姿勢のようだが、これが来年まで引き延ばされてしまうようであれば、『離脱案自身の審議を取り下げて、解散総選挙に打って出る』可能性が出てくる。または、EU側が『離脱期限を11月末や来年1月末までに設定するなどして、ある程度柔軟に対応する準備がある』ことも伝えられおり、審議を尽くしてからの離脱へと進むことも選択肢の一つに入ってきている。いずれにしても、今週中にもその方向性は見てくる可能性が高い。

 

JPモルガンの最新レポートでは元高・ドル安方向に修正

JPモルガンは最新リポートで、米国が中国に求める広範な貿易協定は、構造問題に対する両国の主張の隔たりが大きいため実現は不透明との見方を示した。JPモルガンは、米中が『第1段階の合意』に達し、11月16日にチリで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議にあわせて両国首脳が合意文に署名する見込みとなったことから、人民元相場が7.05元へ反発しても意外ではないとみている。米国が10月中旬に予定していた対中制裁関税の引き上げを棚上げしたことを受け、JPモルガンは今年末時点の人民元相場予想を従来の1米ドル=7.35元から7.05元へ、元高・ドル安方向に修正した。

 

米FRBは利下げとステルスQE(量的緩和)でリスク回避を抑制

FRBは11日、短期金融市場での金利上昇を抑えるため、15日から米短期国債を毎月600億ドル(約6.5兆円)規模で購入すると発表した。少なくとも来年4-6月期まで継続する方針とされる。同時にFRBについては、10月末を含めた政策金利FF(短期金利)の利下げ継続観測がくすぶっている。一方で短期金利の押し下げや利下げ期待は、先行きの米国経済の回復期待となり、米中貿易対立の小康もあって、長期債金利は急低下に歯止めが掛かってきた。結果、米国の長短金利差は僅かながらも、長期債優位の拡大方向へと転じている。米国での長短金利差縮小一服は、①先行きの米景気後退不安の緩和、②利ざや拡大による米金融機関の収益支援、③こうした要因によるリスク回避の抑制などを通じて、ドル高・円安の支援材料となりやすい。

 

ウォーレン大統領誕生なら石油業界に大打撃

市場を大きく動かす数多くのツイートの中でも、2020年の米大統領選で民主党の指名を争うエリザベス・ウォーレン上院議員のツイートは、とりわけ石油業界を震撼させている。ウォーレン氏は9月6日、ツイッターへの投稿で『大統領に当選すれば初日に、沖合および公用地における石油掘削向けの新規化石燃料リース契約を完全凍結する大統領令に署名する』と表明した。さらに『フラッキング(水圧破砕)を全面的に禁止する』とした。 フラッキング技術を違法にするには、法制化が必要になる見込み。

 

米シェールオイル生産の増加幅下方修正:ゴールドマン・サックス

ゴールドマン・サックスは、2020年の米シェールオイル生産の増加幅に関する予想を下方修正した。また、20年の世界の石油需要の伸びについても、予想を小幅に引き下げた。ゴールドマンは今回、米シェール生産が20年は日量70万バレル増加すると予想し、従来予想の日量100万バレル増から引き下げた。19年は日量110万バレル増の見通し。20年の世界の石油需要の増加幅に関する予想は、これまでの日量140万バレルから日量130万バレルに引き下げた。

 

欧米イベント

○15:45   10月仏企業景況感指数(予想:106)
○17:00   9月南アフリカ消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.4%/前年比4.2%)
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○21:30   8月カナダ卸売売上高(予想:前月比0.3%)
○22:00   8月米住宅価格指数(予想:前月比0.3%)
○23:00   10月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値、予想:▲6.7)
○23:30   EIA週間在庫統計
○24日02:00   米財務省、5年債入札

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