FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:米中通商協議の部分合意を好感し買い

米中閣僚級通商協議が部分合意に達し、投資家心理が好転した。朝方から幅広い銘柄が買われる全面高商状となり、上げ幅を拡大した。大型台風の被害拡大が景気に及ぼす影響は懸念されるものの、復興需要への思惑から関連銘柄へ買いが入った。心理的な節目2万2000円を3週間ぶりに回復した。結局、前週末比408円高の2万2207円と大幅続伸で終了した。

 

東京外国為替市場:108.30円前後でこう着相場

ドル/円は、国内輸入企業のドル買い・円売りや日経平均株価の大幅高に支えられ、108.45円付近までじり高となった。しかし、11日につけた約2ヵ月ぶりの高値108.62円が上値の目処として意識されると、上げは一服した。その後は、米長期金利の低下や中国株安をながめ、108.30円付近まで下落した。午後は、日経平均株価や米長期金利の動向をにらみながら、108.30円台を中心とした狭いレンジで取引された。ユーロ/ドルは、1.1030ドル前後で方向感に欠く値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

バンカメ・メリルの顧客が5週連続で米国株を買い越し

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチの15日付けの顧客フローのリポートによると、同社の顧客は7~11日の1週間に米国株を13億800万ドル買い越した。この週は米中の貿易協議への楽観的な見方が広がる中、ベンチマークのS&P500が週間で0.61%高と堅調に終えた週だったが、ヘルスケア関連などディフェンシブ銘柄が買われる一方でシクリカル銘柄は売られた。主体別動向では、ヘッジファンドが2700万ドルの買い越しにとどまり、小幅ながら3週連続の買い越しとなった。前週は11億ドル超の買い越しで、ヘッジファンドの買越額ちしては1月以来の大規模なものだったが勢いは鈍化した。一方、機関投資家は3億1500万ドルの売り越しで3週間連続の売り越しとなった。個人投資家は1億5000万ドルの売り越しで2週連続で売り越しだった。企業の自社株買いは17億4600万ドルで20億ドルの大台を割り込んだものの、4週移動平均は22億ドルと高水準を維持した。

 

中国の新車販売台数は15ヶ月連続で前年実績下回る

中国自動車工業協会が14日発表した9月の新車販売台数は、前年同月比5.2%減の227万台だった。対米貿易摩擦や景気減速懸念を受けて消費意欲の低迷が続く中、15カ月連続で前年実績を下回った。マイナス幅は8月(6.9%減)からやや縮小した。同協会は、販売最盛期に入って『回復傾向が明確になった』と強調する一方、『消費の勢いはまだ不十分だ』と指摘した。

 

英議会の新会期スタート:EU離脱期日まで半月

英国の欧州連合(EU)離脱の行方を左右する英議会の新会期が14日始まり、慣例により、政府の起草した施政方針をエリザベス女王が読み上げた。女王は『10月末の(期日通りの)離脱実現が政府の優先課題』だと指摘し、『EUとの新たな関係構築に向けて努める』とする政府の方針を強調した。10月末の離脱を公約に掲げ、混乱が予想される『合意なき離脱』も辞さないジョンソン首相の強硬路線に対し、野党側は反発を強めている。議会での攻防は今後、最大のヤマ場を迎える。EUからの離脱を見据え、施政方針は農業や漁業、貿易の分野で英国独自の新たな政策を模索すると説明した。

 

ファーウェイを挟んで米独間の摩擦に発展も

独経済紙ハンデルスブラットは、ドイツ政府が次世代通信規格『5G』のネットワーク整備に関し、中国通信機器大手・華為技術(ファーウェイ)の参加を事実上認めたと報じた。数日中に関連の安全基準案を発表するという。時事通信が引用して伝えた。
安全保障上の懸念からファーウェイを締め出した米国は、これまでドイツに同社製品を使用しないよう警告してきた。正式決定となれば、米独間の摩擦に発展する可能性もある。

 

米国製造業に底入れ期待も

米国の10月NY連銀製造業景気指数は4.0と低下予想に反して9月2.0から上昇した。6月にいったんマイナス圏に落ち込み活動の縮小を示したのちは緩やかに改善基調にある。ただ、2019年の10月までの平均は5.08と、2018年の平均19.8を依然下回っており、関税の影響が見られる。全米の製造業活動を示すISM製造業指数の9月分が景気後退から脱出した2009年6月来10年ぶり低水準に落ち込み米国経済が近く景気後退入りするとの脅威も一時強まっていたため、NY連銀指数の改善は投資家に安心感を与えた。10月15日に計画されていた対中関税の引き上げが見送られたことは製造業にとり好感材料となる。署名前に、中国がさらなる協議を要請しているとの報道を受けて、合意に懐疑的見方も広がっているが、ムニューシン米財務長官は中国との協議で基本合意が成立しているとし、今週次官級電話会議、来週には中国副首相と電話会談を予定していることを明らかにした。12月までの署名を計画しているが、万が一、署名がなければ12月15日に、対中消費関連承認に追加関税を発動することになるとした。ただ、おそらく、署名されるだろうと楽観的な見解を示している。

 

欧米イベント

○15:30   9月スイス生産者輸入価格(予想:前月比横ばい)
○15:45   9月仏CPI改定値(予想:前月比▲0.3%/前年比0.9%)
○16:00   7月トルコ失業率
○17:25   ブラード米セントルイス連銀総裁、講演
○17:30   カーニー英中銀(BOE)総裁、議会証言
○17:30   9月英雇用統計(予想:失業保険申請件数推移2.65万件/失業率なし)
○17:30   6-8月英失業率(ILO方式、予想:3.8%)
○18:00   10月独ZEW景況感指数(予想:▲27.0)
○18:00   10月ユーロ圏ZEW景況感指数
○21:30   ブリハ英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○22:00   ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○16日01:45   ジョージ米カンザスシティー連銀総裁、講演
○16日04:30   デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、講演
○国際通貨基金(IMF)、世界経済見通し公表
○IMF・世界銀行年次総会と関連会合(ワシントン、20日まで)
○APEC財務相会合(チリ・サンティアゴ、最終日)

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