FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:前日の米国株安を嫌気した売り優勢

米中貿易摩擦を巡るネガティブなニュースを嫌気し、前日の米国株主要3指数が大幅安で取引を終了したことにつれ、朝方から幅広い銘柄で売りが先行した。その後、米中閣僚級通商協議前の手控えムードから2万1400円を挟んだもみ合いが続いた。しかし、上海総合指数の下げ渋りや米株先物のプラス圏での推移を眺めて小幅に下げ幅を縮小した。また、日銀によるETFの買い入れ観測も浮上し、午後は一段と下げ幅を縮小した。結局、前日比131円安の2万1456円と反落して終了した。

 

東京外国為替市場:米長期金利の戻り鈍くドルの上値重い

ドル/円は、日本株や中国株の軟調地合いが続きやや円買いが強まったが、NYダウ先物がプラス圏で推移したことで、今晩のNY株高を期待したドル買いが観測された。しかし、米長期金利が前日の海外市場での低下からの戻りが鈍く、ドルの上値を抑える展開となった。ユーロ/ドルは、1.0966ドルを頭にやや上値の重い動意の乏しい展開となった。英・EU離脱協議の決裂に対する懸念が高まる中、欧州時間に入ってからのポンドの動きに警戒しているようだ。

 

世界最大のファンドが大幅な変動に備える必要性を示唆

ノルウェーの政府系ファンドを運用する同国中銀の投資管理部門(NBIM)は8日、今後3年は大幅な変動に備える必要があると表明、貿易戦争や気候変動といった国際問題が運用資産に悪影響を及ぼすとの見方を示した。同ファンドの運用資産は1兆1000億ドルで世界最大となっている。

 

バンカメ・メリルの顧客が4週連続で米国株買い越し

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチの8日付の顧客フローのリポートによると、同社の顧客は9月30日~10月4日の1週間に米国株を27億100万ドル買い越した。4週連続の買い越しとなった。ヘルスケアを中心に企業の自社株買いが活発で、買い越し額は20億2200万ドルと6週続けて20億ドル超の大規模なものとなったことが寄与した。ベンチマークのS&P500が下げた週だったが、主体別動向ではヘッジファンドが11億7800万ドルの買い越しで、、2週連続の買い越しとなった。ヘッジファンドの買い越しとしては1月以来の大規模なものだった。機関投資家は2億5000万ドルの売り越しで2週連続の売り越し。ETFを除けば22億ドルの売り越しで個別株売りが激しかった。個人投資家は2億4900万ドルの売り越しで2週ぶりに売り越しに転じた。

 

豪州の長引く干ばつで農産物市場に影響も

オーストラリアで長引く干ばつの影響が広がっている。2019年に入ってからの降水量は54年ぶりの少なさだ。20年にかけて小麦や菜種などの生産量は過去10年の平均を大きく下回り、牧草の減少などで食肉や羊毛の輸出も落ち込む見通し。干ばつの規模は従来より拡大しており、地球温暖化が一因との見方もある。豪経済や世界の農産物市場に影響を与えそうだ。

 

英ジョンソン首相の真意はどこに

10月17-18日の欧州首脳会議で新たな合意を交わすには、向こう1週間余りに協議に実質的な進展が必要となる。19日までに議会が合意を受け入れない限り、ジョンソン首相は離脱期限の延期要請を義務づけられる。 一部メディアでは、延期を要請する書簡の送付を回避するため、離脱延期法の効力を巡って法廷闘争を行うことや、離脱延期を余儀なくされた場合、EU予算の承認を拒否したり、EU側が受け入れられない人物を欧州委員に指名する可能性も取り沙汰されている。 こうした試みが成功する可能性は低いが、ジョンソン首相は、あくまで合意なき離脱も辞さない姿勢を示すことで、最終局面でのEU側の譲歩を引き出すことや、近い将来の総選挙を睨んで有権者にアピールをする狙いがあると思われる。

 

経済指標発表後のトランプ大統領のツイッターのパターン

経済指標発表後のトランプ米大統領のツイッターを見ていると、限りなくワンパターンになっている。米経済指標が好結果になった時には、『自分の手柄だ!凄いだろう』という内容になる。その一方で悪い結果となった時は、『まったくパウエルFRB議長や、他のFRBのメンバーは何もわかっていない』『ほかの国は自国通貨安にして』など、自分以外に責任があるということをツイートしている。 要するに手柄は自分、失敗は部下ということのようだ。

 

インフレの低下で米FRBの利下げは正当化

米労働省が発表した9月生産者物価指数(PPI)は前月比▲0.3%と、予想外に6月以来のマイナスに落ち込み1月来で最低となった。前年比でも+1.4%と、予想外に8月+1.8%から低下し、2016年11月以降3年ぶり低水準。変動の激しい燃料、食品を除いたコアPPIは前月比▲0.3%と、予想外に7月来のマイナスに落ち込み、2015年2月以降4年ぶり低水準となった。前年比では+2.0%と、予想外に8月+2.3%から低下し、2017年7月以降2年ぶり低水準となった。
企業は関税を価格に転嫁することなく、需要の低迷に値引きで対処している証拠だとの分析も見られる。インフレの低下は連邦準備制度理事会(FRB)による年内の追加利下げを正当化する。今回の米中貿易協議が物別れに終わると、10月15日に米国政府は対中2500億ドルに対する関税を現行の25%から30%に引上げ、12月までには米国経済にとっても重要な消費財を含めた全中国製品に関税を発動することになる。

 

欧米イベント

○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○20:00   9月メキシコ消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.26%)
○21:00   9月ブラジルIBGE消費者物価指数(IPCA、予想:前月比0.03%)
○23:00   8月米卸売売上高(予想:前月比0.2%)
○23:00   8月米卸売在庫(予想:前月比0.4%)
○23:30   EIA週間在庫統計
○23:30   パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、討議に参加
○10日02:00   米財務省、10年債入札
○10日03:00   米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(9月17日-18日分)
○ユーロ圏財務相会合(ルクセンブルク)
○韓国(ハングルの日)、休場

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