FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:米国株安も割安感から底堅い展開

前日の米国株主要3指数が下落し、為替市場でも1ドル=107円後半と円高方向に振れたことで、朝方から売りが先行した。ただ、寄付き後に安値を付けた後は下げの勢いは強まらず、マイナス圏でもみ合う展開となった。また、北朝鮮のミサイル発射や懸念された香港情勢の影響も限定的となった。市場からは『日本株は割安との見方から海外投資家の資金が入っている』との指摘もあった。結局、前日比106円安の2万1778円と反落して終了した。

 

東京外国為替市場:米中通商協議の進展期待からドル下げ渋る

ドル/円は、前日に発表された米9月ISM製造業景況感指数が、およそ10年ぶりの低水準を記録した余波が続き、107.61円近辺まで下落した。しかし、来週に再開される米中通商協議の進展期待から、下げは一服した。その後は、国内輸入企業などがドル買い・円売りに動き、107.80円近辺まで値を持ち直した。米長期金利が上昇したことも、ドルの買い戻しにつながった。午後もこの流れは続き、日経平均株価の下げ幅縮小にも支えられ、107.89円付近までじり高となった。しかし、ドル買い・円売りは続かず、107.80円を挟んでもみ合う展開となった。ユーロ/ドルは、1.0935ドル前後でこう着相場となった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

英国がEU離脱の最終提案を示す見通し

ジョンソン英首相は2日、欧州連合(EU)と新たな離脱協定案を結ぶための最終提案を示す見通しである。EUがこの提案について協議に応じない場合は、さらなる交渉はせずに予定通り10月31日に離脱する考えも表明する。 ジョンソン氏は与党・保守党大会を締めくくる党首演説を行い、最終提案は『十分かつ妥当な譲歩』と語り、EUに送付すると表明する見通し。ブレグジット(EU離脱)に関する強硬姿勢は堅持するとみられる。首相府が公表した演説原稿の抜粋によると、ジョンソン氏は、EU離脱を決めた国民投票から3年半経った今、『国民はこの国にブレグジットを全く実現したがらない勢力がいると疑い始めている』と指摘した。『10月31日にブレグジットを果たそう。そうすれば2020年にこの国は前進できる』と強調する。

 

米9月ISM製造業景況指数はリセッション水準まで低下

米供給管理協会(ISM)が発表した9月ISM製造業景況指数は47.8と、改善予想に反して8月49.1に続いて50を割り込み活動の縮小を示した。50は活動の拡大と縮小の境目となる。景気後退から脱出した2009年6月来で最低を記録した。7-9月期の平均は49.4と、50割れとなった。2012年10-12月期以降で初めての50割れとなる。製造業が7-9月期国内総生産(GDP)の成長を抑制する可能性が示唆された。特に、関税の影響で輸出は41と、景気後退時の2009年3月来で最低を記録した。関税が世界経済のみならず米国経済の製造業をもリセッション水準に陥れている兆候が出始めた。雇用は2016年1月来で最低となった。入荷遅延を除いて、重要な項目となる新規受注を含めて全項目が50を割り込んだ。 ISM結果を受けてアトランタ連銀は7-9月期のGDP成長見通しを従来の2.11%から1.78%へ引き下げた。9月のFOMCで公表されたスタッフ予測によると、FOMCメンバーの過半数は年内金融政策の据え置きを予想していた。一方、市場は、年内少なくともあと1回の利下げを織り込み始めた。

 

10日から2ヵ月ぶりに米中の閣僚級の貿易交渉開始

アメリカの政府高官は、米中の閣僚級の貿易交渉が今月10日からワシントンで行われるという見通しを明らかにした。閣僚級の交渉はおよそ2ヵ月ぶりで、農産品や知的財産権などの問題をめぐって進展があるのかどうか注目される。関税引き上げの応酬で自国の経済に影響が出ている米中両政府は、今月、およそ2ヵ月ぶりとなる閣僚級の貿易交渉をワシントンで行うことで一致している。これについて、アメリカのナバロ大統領補佐官は1日、FOXテレビの番組に出演し、『中国の劉鶴副首相を10月10日に迎える』と述べ、ライトハイザー通商代表らとの閣僚級の交渉が今月10日から行われるという見通しを明らかにした。

 

トランプ大統領の職権乱用の可能性がオーストラリアでも浮上

トランプ米大統領が2020年大統領選で自らに有利になるよう他国に協力を働きかけた可能性が、ウクライナに続いてオーストラリアでも浮上した。大統領の職権を乱用したとしてトランプ氏への攻勢を強める野党・民主党を勢いづかせるのは確実となった。広がる疑惑が共和党支持層からの不信を買えば、トランプ氏弾劾の行方にも影響を与えかねない。複数の米メディアによると、トランプ氏は最近のモリソン豪首相との電話協議で、16年の米大統領選にロシアが介入した疑惑の捜査過程に問題がなかったかを検証する米政府の調査へ協力を求めた。電話は、このロシア疑惑捜査の検証作業を担うバー司法長官の依頼によるものだった。豪政府はロシア疑惑の発端となる情報を、米連邦捜査局(FBI)にもたらしたとされる。もし情報提供の中身が不適切で、FBIがトランプ氏を追い落とすために捜査を推進したとトランプ氏が主張できれば、疑惑捜査の信頼をおとしめて民主に打撃を与えられる。『豪政府は調査されている事実解明の取り組みをいつも支援してきた。モリソン首相はトランプ氏との会話でいま一度、支援する用意があると確認した。』豪政府報道官は1日公表した声明で、トランプ氏から協力要請があったことを認めた。

 

欧米イベント

○15:30   9月スイス消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.1%)
○15:30   ビルロワ・フランス中銀総裁、講演
○17:30   9月英建設業購買担当者景気指数(PMI、予想:45.0)
○未定   ポーランド中銀、政策金利発表(予想:1.50%で据え置き)
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○21:00   バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○21:15   9月ADP全米雇用報告(予想:14.0万人)
○22:00   4-6月期ロシア国内総生産(GDP)確報値(予想:前年比0.9%)
○22:00   ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、講演
○23:30   EIA週間在庫統計
○23:50   ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、講演

 

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