FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:円安と日銀短観を好感した買い優勢

前日の米国株市場が上昇したことや、為替が円安に振れたことが好感され、幅広く物色された。また、9月日銀短観が予想を上回ったことも注目された。しかし、市場では、日銀短観発表後も米国ISM非製造業景況指数など、見極めたい指標が控えていることから様子見ムードがあり、前場中盤から伸び悩む展開となった。結局、前日比129円高の2万1885円と反発して終了した。

 

東京外国為替市場:108円台前半でもみ合う展開

ドル/円は、国内輸入企業のドル買い・円売りや日経平均株価の反発に支えられ、108.20ン円近辺までじり高となった。米長期金利が上昇したことも、ドルの押し上げ要因となった。午後もこの流れは続き、108.30円近辺まで値を上げた。しかし、108.45円前後がレジスタンスとして意識されると、上げは一服した。その後は、今晩発表される米9月ISM製造業景況指数やFRB要人の講演を控えて様子見ムードが広がり、108.20円を挟んでもみ合う展開となった。ユーロ/ドルは、1.0890ドル前後で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

豪準備銀行(RBA)は予想通り政策金利引き下げ

RBAは予想通り政策金利を25bp引き下げることを発表し、声明文で今後の金融政策について前回の『必要であればさらなる金融緩和を行う』から『必要であればさらなる金融緩和を行う用意がある』に変更したことで、やや緩和に消極的になったとの見方から発表後は豪ドル買いで反応した。しかし、『労働需要の先行指標は雇用の伸びが鈍化する可能性を示唆している』と雇用市場の先行きに弱気な姿勢を示したことで一転豪ドル売りで下落した。 

 

韓国の消費者物価指数(CPI)の前年比マイナス:経済減速懸念

韓国統計庁が発表した9月のCPIは前年同月比0.4%の下落となった。韓国のCPIが前年比マイナスとなるのは1965円の統計開始以来で初めてとなった。9月の輸出も落ち込みが続き、経済減速の懸念がある。韓国銀行(中央銀行)は7月に利下げを実施したが、10月16日の会合に向けた追加利下げを求める圧力が強まる可能性がある。消費低迷による需要減に加えて、農産品の価格下落が響いた。教育無償化の拡大なども下押し圧力になった。

同じく1日に発表の9月の貿易統計によると、韓国の輸出額は前年同月比11.7%減の447億米ドルとなった。前年実績を下回るのは10ヵ月連続となった。輸入は5.6%減の387億米ドルだった。半導体市場の悪化や米中貿易摩擦の長期化による下押し圧力が続いた。貿易収支は59億米ドルの黒字だった。

韓国経済を支える半導体輸出は32%減となった。石油化学製品も18%下と振るわなかった。地域別では最大の輸出先である中国向けが22%減となり、米国向けも2%減だった。日本向けは6%減となった

 

日銀短観で製造業を巡る悲観論は行き過ぎだった可能性:ゴールドマン

ゴールドマン・サックス証券は1日付けのリポートで、この日に発表された日銀短観(9月調査)に関して『業況判断DIは、ヘッドラインの大企業・製造業で+5と、6月から2ポイント悪化したものの、市場予測(+1)は大きく上回った。悪化は3四半期連続となるが、米中貿易摩擦の再燃や中国景気の不安定性などに端を発する製造業を巡る悲観論は幾分行き過ぎだった可能性が示唆される』と指摘した。その上で『12月先行きDIは、企業規模を問わず、製造業・非製造業の双方で広く悪化が見込まれているが、悪化幅は非製造業でより顕著だ』としながら、『注目は、消費増税の影響が懸念される小売よりもむしろ、情報サービス、建設などでの悪化が目立つ点だ。建設での大幅悪化見込みは、東京オリンピック関連需要の一巡などが影響している可能性がある』と指摘していた。

 

モルガン・スタンレーの最新リポート:米の制裁関税拡大ならば成長率減速

2019年9月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)について、輸出受注の堅調な伸びを受けて予想を小幅に上振れたと指摘した。ただ、貿易情勢は依然として緊張が高まっていることから、中国当局は景気対策を継続する必要があるとの見方を示した。また、9月のPMIは前月から上昇したものの、依然として50を下回っており、7-9月期の中国国内総生産(GDP)成長率が当局目標の下限に当たる6%に減速すると予想している。 PMIが9月の水準を維持できるかも未知数で、米国が10月と12月に中国製品への制裁関税を拡大すれば、中国のGDP成長率は5.8%まで減速する可能性もあるとした。
財政部などによる2020年特別債の発行にも言及した。10-12月GPD成長率を0.75-1ポイント押し上げるために、当局は引き続インフラ投資の拡大を促す必要があるとの見方を示した。

 

米国市場では9月ISM製造業景況指数が公表

8月実績は49.1と2016年8月以来初めて50を割り込んだ。新規受注指数は47.2で2012年6月以来の低水準となった。輸出向け新規受注や雇用指数も大幅に悪化した。9月については、新規受注と雇用が多少持ち直す可能性があるものの、他の分野における改善はあまり期待出来ないことから、50近辺の水準にとどまる可能性がある。

 

欧州イベント

○15:00   9月英ネーションワイド住宅価格指数(予想:前月比0.1%)
○15:30   8月スイス小売売上高
○16:00   9月トルコ製造業購買担当者景気指数(PMI)
○16:15   エバンズ米シカゴ連銀総裁、講演
○16:30   9月スイスSVME購買部協会景気指数(予想:46.5)
○16:50   9月仏製造業PMI改定値(予想:50.3)
○16:55   9月独製造業PMI改定値(予想:41.4)
○17:00   9月ユーロ圏製造業PMI改定値(予想:45.6)
○17:30   9月英製造業PMI(予想:47.0)
○18:00   9月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値(予想:前年比1.0%)
○18:00   9月ユーロ圏HICPコア速報値(予想:前年比1.0%)
○18:20   ロウRBA総裁、講演
○21:30   7月カナダ国内総生産(GDP、予想:前月比0.1%/前年比1.4%)
○21:50   クラリダ米連邦準備理事会(FRB)副議長、あいさつ
○22:30   ボウマンFRB理事、講演
○22:45   9月米製造業PMI改定値(予想:51.0)
○23:00   9月米ISM製造業景気指数(予想:50.1)
○23:00   8月米建設支出(予想:前月比0.4%)
○2日01:45   ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
○2日02:30   バイトマン独連銀総裁、講演
○2日03:00   9月ブラジル貿易収支(予想:32億ドルの黒字)
○中国、香港(国慶節)、休場

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