FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:円安が好感され全体的に確り

前日の米国株で主要株価指数が高安まちまちで小動きとなったものの、ドル/円が107円台半ばで推移するなど円安に振れたことが好感され、全体的にしっかりとなった。ただ、その後は高値警戒感から買い手控えとなり、前引けにかけて伸び悩んだ。一時上げ幅100円超へと広げた一方で、高値警戒感から個人投資家の利益確定売りが重石となり、結局、前日比73円高の2万1392円と6日続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:リスク選好の円売りで107円台キープ

ドル/円は、国内輸入企業のドル買い・円売りや日経平均株価の続伸に支えられて、一時107.50円まで上昇し、8月2日以来の高値を付けた。トランプ大統領が『来週にも中国と協議する』との見解を示したこともあり、リスク選好の円売りを誘った。その後は、上海総合株価指数のさえない動きを眺めた利食い売りなどに押され107.30円台へ小緩んだ。午後は、日経平均株価や上海総合株価指数をにらみながら、107.40円を挟んでもみ合う展開となった。ユーロ/ドルは1.1045ドル前後で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

中国政府都合によりリスク回避の後退持続か

11-12日に香港で『一帯一路サミット』が開催される。続いて中国では、10月1日に中華人民共和国の建国70周年イベントも控えている。前週からはこうした行事も意識する形で、中国政府からは香港デモ鎮静化策や10月の米中貿易協議再開への協力、中国人民銀行による金融緩和といった政策努力が相次いできた。その意味で少なくとも10月1日までは、香港デモ混乱の鎮静や中国での景気刺激策、中国株や人民元の下落阻止強化、米中貿易対立の一時休戦といった『リスク回避の後退』が持続される可能性がある。

 

9~11月はドル/円が上昇しやすい:JPモルガン証券

JPモルガン証券は10日付けリポートで『過去半年間の日米金利差とドル/円の関係は、本邦投資家が為替リスクを取って米国債に投資していても、全体としては利益を得られていることを示唆している』とし、ドル/円相場の予想を上方修正した。四半期毎の予想は1ドル=107円で横ばいとするが、『105~109円をコアレンジと考え、短期的にはレンジの上限を試す可能性があると予想』した。それによれば、『ドル/円は過去半年間の相関が示唆する水準から切り上がり始めている。105円はレンジの下限との見方が広まっている可能性がある』としながら、『9月~11月はドル/円が上昇しやすい季節性がある。過去6年間、毎年ドル/円はこの3ヵ月間に上昇している』というアノマリーも踏まえつつ、『年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が10月に基本ポートフォリオを変更する予定となっている。2014年10月31日(1日でドル/円が3円上昇)の再来とはならないだろうが、円安方向に大きく動くことに対する警戒は高まるだろう』と指摘した。

 

OPECプラス会合が調整

12日に石油輸出国機構(OPEC)と非OPEC主要産油国による『OPECプラス』会合が調整されている。原油減産の協調姿勢が再確認されると、原油相場の下支えと作用する。米国の物価低迷に対する歯止め要因となり、米長期金利の下げ渋りやドルの安定化要因となる。また、資源国通貨にプラスとなるほか、リスク選好の円安も支援される。

8日にはサウジアラビアでエネルギー相が交代したが、同国の政府当局者が『石油やOPECに関する政策に変更はない』発言し、9日の原油先物相場は上昇となっている。8日にはアラブ首長国連邦(UAE)のエネルギー産業相が、OPECの加盟国と非加盟産油国は『石油市場の需給均衡を達成する強い決意がある』と発言し、これまた原油相場の下支え要因になっている。

 

米国がトルコに対して制裁を検討

ムニューシン米財務長官は9日、トルコがロシアからミサイル防衛システム『S400』を購入したことに関連し、トルコに対し制裁を検討していると明らかにした。 ムニューシン長官は、『詳細な決定についてはコメントしないが、検討はしている』と記者団に述べた。 米国はトルコのS400購入を巡り、北大西洋条約機構(NATO)の防衛体制に相いれず、米最新鋭ステルス戦闘機『F35』にも驚異になるとして反対し、両国は対立している。ムニューシン長官の発言を受け、トルコのドル建て国債は下落(金利は上昇)した。

 

欧米イベント

○15:00   8月ノルウェーCPI(予想:前月比▲0.5%/前年比1.8%)
○15:45   7月仏鉱工業生産指数(予想:前月比0.5%)
○16:00   デコス・スペイン中銀総裁、講演
○16:30   8月スウェーデンCPI(予想:前月比▲0.3%/前年比1.7%)
      コア指数(予想:前月比▲0.3%/前年比1.5%)
○17:30   8月英雇用統計(予想:失業保険申請件数推移3万件/失業率なし)
○17:30   5-7月英失業率(ILO方式、予想:3.9%)
○21:15   8月カナダ住宅着工件数(予想:21.50万件)
○21:30   7月カナダ住宅建設許可件数(予想:前月比2.3%)
○11日02:00   米財務省、3年債入札
○インド(イスラム教新年)、休場

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