FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:シリア情勢と安倍政権の政治不安が重石に

前日のNYダウの上昇を背景に買いが先行したものの、買い一巡後は次第に上げ幅を縮小した。シリア情勢の緊迫化や安倍政権の政治不安などが投資家心理を冷やし、足元で上げが目立っていた銘柄などに利益確定売りが広がった。結局、前日比107円安の2万1687円と反落した終了した。

 

東京外国為替市場:シリア情勢絡みで全般様子見姿勢

ドル/円は、107.05円を挟んだ方向性の乏しい動きに終始した。市場では『海外勢もシリア情勢を見極めたいとの思惑から様子見姿勢を強めている』との指摘があった。シリア情勢緊張でトランプ大統領が週末のペルー訪問予定をキャンセルしたことも、ドルの上値を重くした。ユーロ/ドルは、午前からの流れを引き継いで一時1.2370ドルまで上げるなど、やや底堅い動きとなった。

 

トルコリラは軒並み安値圏:下値目処つかず

トルコリラが幅広い通貨に対して過去最安値圏で推移している。経常収支の赤字体質への警戒感が広がる中、『エルドアン大統領が大規模な景気刺激策を発表しことが赤字拡大への懸念を強め、リラ売りを促した。さらに、隣国シリアでは米国の軍事行動の可能性が意識されている。市場では、米国とトルコの関係悪化を相場はまだ織り込んでいないとの指摘が多い。もし、シリア情勢の混迷が深まればリラが一段安となる公算が大きい

 

シリアへのタイムリミットが迫る

シリア情勢が緊迫化し、市場が神経質になっている。アサド政権が化学兵器を使用した疑いで、トランプ米大統領は9日に『24時間から48時間以内に重大な決断を下す』と発言しており、タイムリミットが迫ってきた。米軍がシリアを攻撃すれば、2017年4月以来およそ1年ぶりで、東京株式市場では景気敏感株が売られる公算が大きい。前回、米軍がシリアを空爆したと伝わったのは日本時間で17年4月7日午前10時20分過ぎだった。同日の東京市場では外国為替市場で円が急伸するなどリスク回避姿勢が強まり、180円超上昇していた日経平均株価は、わずか数分で下げに転じる場面があった。しかし、当時は年初来安値圏にあった日本株には押し買いも入り、結果的には上昇して終了した。

 

米国市場では3月消費者物価コア指数が公表

2月実績は前年同月比+1.8%だった。家賃・衣服などの上昇がやや目立った。3月については家賃が引き続き上昇することが予想されているが、その他の項目でもいくつかは上昇するとみられており、インフレ率は2月実績を上回ると予想されている。総合指数でもエネルギー価格の浄書によって2月実績を上回る見込みとなっている。

 

米国市場ではFOMC議事要旨が公表(3月20-21日分)

米3月FOMCの米経済と政策金利長期見通し「Longer-Run」(ロンガーラン)の3%への引き上げ予想が外れ、FOMCメンバー予想が2.750-2.875%に収斂したことも長期金利低下を促した。大型減税にも拘わらず実質GDP成長率の長期的見通しも1.8%に据え置かれ、米国の潜在成長率上昇の遅延が示唆された。さらに、年3回の利上げの道筋が示され、一部の参加者を失望させた。ただ、議事要旨から利上げペース加速への可能性が読み取れた場合、米長期金利は上昇し、ドル買い材料になる。

 

欧米イベント

○15:15   黒田東彦日銀総裁、講演
○17:30   2月英貿易収支(予想:119億ポンドの赤字)
○17:30   2月英鉱工業生産指数(予想:前月比0.4%)
製造業生産高(予想:前月比0.2%)
○未定   ポーランド中銀、政策金利発表(予想:1.50%で据え置き)
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○20:00   ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
○21:30   3月米消費者物価指数(CPI、予想:前月比横ばい)
エネルギーと食品を除くコア指数(予想:前月比0.2%)
○23:30   EIA週間在庫統計
○12日02:00   米財務省、10年債(210億ドル)入札
○12日03:00   3月米月次財政収支(予想:1860億ドルの赤字)
○12日03:00   米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(3月20-21日分)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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