FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:模様眺めムード強く引けにかけ上げ幅縮小

朝方は、中国が米国の対中関税第4弾発動について世界貿易機関(WTO)に提訴したことや、米中が9月の通商協議の日程調整に難航しているというブルームバーク報道などが、米中対立の長期化に対する懸念から安く始まった。しかし、ドル/円がやや円安に振れたことやアジア株が下げ渋ったことなどが支援材料となり、プラス圏に浮上した。市場からは、日本株の割安感に着目した買いが入っているとの声も出ていた。今週に発表が相次ぐ米経済指標の結果を見極めたいとして模様眺めのムード強く引けにかけて上げ幅を縮小した。結局、前日比5円高の2万0625円とわずかに反発して終了した。

 

東京外国為替市場:米長期金利が上昇したことでドル底堅い展開

ドル/円は、国内輸入企業のドル買い・円売りや日経平均株価の持ち直しに支えられて、106.38円近辺までじり高となった。米長期金利が上昇したことも、ドルの押し上げにつながった。ただ、前日の欧州市場でつけた戻り高値106.40円が意識されると、上げは一服した。午後は、日経平均株価や上海総合株価指数をにらみながら、106.20円台を中心とした狭いレンジで取引された。ユーロ/ドルは、一本調子の下落に対する警戒感から、利益確定や持ち高調整のユーロ買い・ドル売りが入り、1.09ドル台前半から1.09ドル台半ばへ水準を切り上げた。

 

中国政府は二者択一の難しい選択に迫られている

米中貿易摩擦の激化で、中国は外需鈍化に加え、内需を取り巻く環境も厳しさを増している。中国は大規模な減税・インフラ積み増しなどの積極財政で景気策を強化したが、その効果も鈍化が見込まれる。市場では金融政策面でも一段の緩和を期待する声も聞かれているが、中国人民銀行は難しい選択に直面している。金融リスク防止を最優先し、景気が鈍化するなかで、中国人民銀行は2019年の中国の金融政策を『積極的な財政政策と穏健な金融政策』を原則にしてきた。雇用を守るために低迷する投資のてこ入れや、外需のさらなる鈍化が見込まれるなか内需拡大の必要性に迫られているが、金利の引き下げは債務のさらなる膨張につながり、金融リスクを高めることになる。また、インフレが高止まりしていることや、過度な人民元安による資本流出も懸念されるなか、『景気を取るか』、『金融リスクを取るか』の難しい選択肢に迫られている。

 

トルコ政府は資金調達の多様化:日本・中国・ロシアで債券発行準備

トルコ財務省は2日、日本、中国、ロシアのそれぞれの通貨建ての債券を発行するために準備を進めていると明らかにした。トルコ国債は現在、9割以上がドルかユーロ建てとなっているが、資金調達手段の多様化を図る。同省は『市場と財源を多様化させるために異なる市場での借り入れ手段の活用に向けて取り組んでいる』と表明した。第1・四半期末時点で、トルコ国債の9割以上がドルかユーロ建てとなっており、6%近くがトルコリラ建て、2%近くが日本建てだった。

 

英ジョンソン首相は総選挙を辞さぬ構え:混迷深める英議会

英メディアは2日、欧州連合(EU)からの『合意なき離脱』も辞さないジョンソン首相が3日の下院採決で『合意なし』反対派に敗北した場合、10月14日投票の前倒し総選挙を提案する見通しだと報じた。選挙の実現には下院の3分の2以上の賛成が必要となる。与党・保守党を率いる首相は辛うじて過半数を維持する状況で、最大野党・労働党の動向がカギを握る。英国の離脱期限は10月31日。EUは同月17-18両日に首脳会議を開き、ジョンソン政権が要求する離脱合意案の見直しの可否を判断する。離脱案はメイ前首相が昨年11月にEUとまとめたが、その後の議会で三度否決された。

 

米国市場では8月ISM製造業景況指数が公表

7月実績は51.2で約3年ぶりの低水準に落ち込んだ。生産拡大ペースの鈍化や海外市場の不安定さが影響した。8月については、7月に低下した生産とと雇用、仕入価格は横ばいとなる可能性があることから、7月実績に近い水準となる可能性がある。

 

欧米イベント

○15:30   8月スイス消費者物価指数(CPI、予想:前月比▲0.1%)
○16:00   8月トルコCPI(予想:前月比1.30%/前年比15.51%)
○17:30   8月英建設業購買担当者景気指数(PMI、予想:45.9)
○18:00   7月ユーロ圏卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.2%/前年比0.2%)
○18:30   4-6月期南アフリカ国内総生産(GDP、予想:前期比年率2.4%/前年同期比0.8%)
○22:45   8月米製造業PMI改定値(予想:50.0)
○23:00   8月米ISM製造業景気指数(予想:51.1)
○23:00   7月米建設支出(予想:前月比0.3%)
○4日06:00   ローゼングレン米ボストン連銀総裁、講演

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