FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:下値では押し目買いも入るが上値も重い展開

朝方は、米中の追加関税発動を受け、売り優勢で始まったものの、その後は今晩の米国市場がレーバー・デーで休場となることから様子見ムードが広がり、前週末に比べて小幅安の水準で推移した。方向感に乏しい動きとなり、前場の日経平均は上下に狭いレンジの振れにとどまった。市場では、米中の追加関税発動に対して織り込み済みとみる関係者が多かった。ヘッジファンドなど海外短期筋の売りに一時下げ幅を90円に広げたものの、下値では押し目買いに支えられた。結局、前週末比84円安の2万0620円と反落して終了した。

 

東京外国為替市場:米国市場休場で様子見ムードの強い相場

ドル/円は、本邦実需筋のドル買い・円売りや上海総合株価指数の反発に支えられて、106.24円近辺までじり高となった。財新・マークイットが発表した中国8月製造業購買担当者景気指数PMIが、50.4と景気判断の分岐点となる50を3ヵ月ぶりに上回ったことも、円売りを誘った。しかし、トランプ米大統領の不規則発言が警戒されていることから上値を追う動きは限られ、106.10円台へ小緩んだ。午後は、日経平均株価をにらみながら、106.20円前後でもみ合う展開となった。本日は米国市場がレイバー・デーで休場となるため、様子見気分も強かった。ユーロ/ドルは、夕方から参入して来る欧州勢待ちの様相を呈しており、1.0990ドル前後で方向感に欠く値動きとなった。

 

消去法で投資マネーは金に向かう

世界的に金利は低下しており、いまや世界の国際の25%はマイナス金利となっている。欧州の銀行では大口の預金者に対して手数料という名目で金利を徴収することを予定している。大口の預金を持つ投資家は預金を引き出して、何かに投資せざるを得ないが、これという投資対象が金以外にはあまり見当たらない状況となっている。金にお金が向かわざるを得ない。金ETF(上場投資信託)への資金流入が活発になっているのも、理解しやすい。金ETFの代表銘柄であるSPDRは8月だけで90トンを超える資金流入があり、残高は880トンを超えた。過去最高の水準だったのは、英国の国民投票でEU(欧州連合)離脱が予想に反して可決した2016年7月の982トンで、まだ少し差はあるが、8月のような調子で資金流入が続けば、1月ちょっとで直近最高に並ぶことになる。民間の投資家だけでなく、国や中央銀行などの公的機関も金の購入を増やしている。今年1~6月の公的機関の金購入量は約374トンとなり、1971年以来最高となった。ロシアや中国、ポーランドなどがドルの代替資産として金の保有を増やしている。ロシアは7月に9トン余りの金を購入した。

 

8月韓国輸出は9カ月連続のマイナス

韓国政府が発表した8月の輸出は前年比13.6%減少し、9カ月連続でマイナスとなった。最大の輸出相手国である中国からの需要の鈍化や、世界的なコンピューターチップ価格の下落が背景にある。2桁台のマイナスとなるのは3ヵ月連続となる。これは韓国の成長見通しをさらに悪化させ、中銀が追加的な金融緩和を実施すべきとの主張を強めることになる。輸出は全体の5分の1を占める半導体は30.7%減少した。半導体を除いた輸出は8.7%減にとどまった。輸入は前年比4.2%減少した。8月の貿易収支は17億2000万ドルの黒字となった。7月は24億ドルの黒字だった。

 

アルゼンチンペソ急落防止を狙って外貨取引規制を再導入

アルゼンチン政府は1日、外貨取引規制の再導入を承認した。官報の告示によると、企業はドルの購入を制限され、外為市場で外貨を購入して海外に送金するには、中央銀行の承認が必要となる。中銀によると、個人による自分の口座からのドル引き出しは制限の対象外だが、月当たり1万ドルを超える引き出しや送金は制限される。また、輸出業者は外貨収入を期限内に現地市場でペソに交換するよう義務付けられる。企業がドルを溜め込むことは禁止。アルゼンチンは8月11日の大統領予備選で野党のフェルナンデス元首相が現職のマクリ大統領を抑えて首位に立った。改革派のマクリ大統領の再選が危ぶまれる状況となったことから、通貨ペソや株式、債券が急落した。中銀は8月28日以来、ペソ防衛のために10億ドル近い外貨準備をつぎ込んだ。しかし、ペソは下落に歯止めがかからず、年初来の下落率は36%に達している。大統領選は10月27日に実施される。

 

欧米イベント

○15:30   7月スイス小売売上高
○16:00   8月トルコ製造業PMI
○16:00   4-6月期トルコ国内総生産(GDP、予想:前年比▲2.0%)
○16:30   8月スイスSVME購買部協会景気指数(予想:45.4)
○16:50   8月仏製造業PMI改定値(予想:51.0)
○16:55   8月独製造業PMI改定値(予想:43.6)
○17:00   8月ユーロ圏製造業PMI改定値(予想:47.0)
○17:30   8月英製造業PMI(予想:48.4)
○3日03:00   8月ブラジル貿易収支(予想:33億ドルの黒字)
○米国、カナダ(レーバーデー)、休場

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