FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:米国株につれ高でも見送りムード強い展開

朝方は、前日の米国株式市場が上昇したことを受けて、先物主導でほぼ全面高症状でスタートした。外国為替市場でドル/円が106円台で推移したことや、米中対立の緩和期待から安心感を誘った。ただ、買いが一巡した後は、週末である事情も加わり見送りムードが支配し、値動きが鈍った。結局、前日比243円高の2万0704円と反発して終了した。

 

東京外国為替市場:米国市場の3連休を控えた持ち高調整

ドル/円は、短期筋などの利食い売りに押されて、106.35円近くへ軟化した。さらに、月末に絡む国内輸出企業のドル売り・円買いも観測された。しかし、米中通商交渉の再開が期待されているため下値を追う動きは限られ、106.50円付近へ根を切り返した。中国人民銀行が発表した人民元の基準値は、前日よりも元安に設定されたが、市場の反応は限定的だった。午後は、米国市場の3連休を控えた持ち高調整などのドル売り・円買いが入り、106.39円程度までじり安となった。ユーロ/ドルは、次期ECB総裁に任命されたラガルドIMF専務理事が、利下げや金融緩和に前向きな姿勢を示していることから、1.10ドル台半ばでユーロの上値が重い展開となった。

 

英ジョンソン首相はEUとの合意なき離脱へ突き進む

ジョンソン英首相は前日、議会開会を正式に宣言する女王演説を10月14日に設定し、エリザベス女王はこれを容認。これによって、議会は9月中旬から10月14日まで閉会され、10月17─18日に開催のEU首脳会議までに残された時間はわずか数日、EU離脱までは2週間強となる。離脱期限までの議会の審議時間を大幅に短縮し、合意なき離脱阻止に向けた議会の動きを封じ込める考えとみられる。 労働党のコービン党首は記者団に対し、夏休みで休会入りしている議会が9月3日に再開次第、合意なき離脱阻止に向けたプロセスに着手すると述べた。
コービン氏は『英国が10月31日に合意なしにEUを離脱するリスクにさらされており、これを止める必要がある』と言明した。『われわれが目指しているのは9月3日にジョンソン首相を政治的にストップすることだ』とし、『合意なきEU離脱を阻止する法案を可決し、この重要な時期に議会を閉会することを阻止するための議会のプロセスに乗り出す』と述べた。

 

ハリケーンでフロリダ州に非常事態宣言

アメリカの気象当局によると、ハリケーン『ドリアン』は、現地時間29日午後5時の時点で大西洋の海上を北西に進んでいて、来週前半には5段階のうち上から2番目に強い「カテゴリー4」に発達して、南部フロリダ州に上陸する見通し。
大型のハリケーンがアメリカに上陸するとの見通しを受けて、トランプ大統領は『われわれの最優先事項はハリケーンの進路に住んでいる人たちの安全だ』と述べ、対応にあたるため予定していたポーランドへの訪問を延期すると発表した。

 

米中貿易摩擦後退もリスクは存続

米中貿易摩擦深刻化への懸念が緩和し、リスク回避の動きが一段落した。9月1日の関税発動を前に、中国が米国との貿易摩擦問題を冷静に解決する意向を示した。中国の商務省が29日、貿易緊張の激化に反対。米国との貿易戦争を冷静に解決、現状では報復しない意向であることが報じられた。ただ、状況は依然流動的で行方を睨む展開となる。関税の行方に加えて、香港の状況も依然緊迫化しており、リスクは存続している。また、長短金利逆転動向など、米国債券動向にも引き続き注目が集まる。米国30年債利回りは下げ止まり、過去最低水準から上昇。ムニューシン米財務長官は超長期債の発行を真剣に検討しているとしており、相場の上値を抑制する要因になる可能性もある。

 

欧州市場では8月ユーロ圏消費者物価コア指数が公表

7月実績は前年比+0.9%だった。全体の物価上昇は抑制されていた。8月については、エネルギー価格に大きな変動は生じないことや、域内の需要はやや弱含みだったことから、全体の物価上昇率は7月並みの水準となる可能性が高い。

 

欧米イベント

○未定   8月月例経済報告
○15:00   8月英ネーションワイド住宅価格指数(予想:前月比0.1%)
○15:00   7月独小売売上高指数(予想:前月比▲1.0%/前年比3.3%)
○15:00   7月南アフリカマネーサプライM3(予想:前年比9.00%)
○15:45   7月仏財政収支
○15:45   7月仏卸売物価指数(PPI)
○15:45   8月仏消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比0.4%/前年比1.0%)
○16:00   8月スイスKOF景気先行指数(予想:94.5)
○17:00   8月ノルウェー失業率(予想:2.3%)
○17:30   7月英消費者信用残高(予想:10億ポンド)
○17:30   7月英マネーサプライM4
○18:00   7月ユーロ圏失業率(予想:7.5%)
○18:00   8月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値(予想:前年比1.0%)
○18:00   8月ユーロ圏HICPコア速報値(予想:前年比1.0%)
○18:00   レーン・フィンランド中銀総裁、講演
○19:00   外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
○21:00   7月南アフリカ貿易収支(予想:20億ランドの黒字)
○21:00   4-6月期インドGDP(予想:前年同期比5.7%)
○21:30   6月カナダ国内総生産(GDP、予想:前月比0.1%/前年比1.4%)
       4-6月期カナダGDP(予想:前期比3.0%)
○21:30   7月カナダ鉱工業製品価格(予想:前月比0.3%)
○21:30   7月カナダ原料価格指数(予想:前月比1.5%)
○21:30   7月米個人消費支出(PCE、予想:前月比0.5%)
       7月米個人所得(予想:前月比0.3%)
       7月米PCEデフレーター(予想:前年比1.4%)
       7月米PCEコアデフレーター(予想:前月比0.2%/前年比1.6%)
○22:45   8月米シカゴ購買部協会景気指数(予想:47.5)
○23:00   8月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値、予想:92.1)
○トルコ(戦勝記念日)、休場
○9月1日 米政権、対中関税第4弾発動

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