FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:様子見ムード強く小幅な値動き

朝方は買い優勢となり、高寄りして始まったものの、その後は見送りムードが支配し、前日比小幅高の水準で小動きの展開に終始している。前日の米国市場でNYダウは120ドル値下がりして終了したものの、ドル/円が落ち着いて推移しているなど、方向感を示す材料が不足している。米中協議の進展期待が高まっていたものの、中国外務省が通商問題を巡って中国と米国が最近電話協議をしたという話しは聞いていないと表明したほか、米2年債と米10年債の金利の逆転が一段と進行するなど、外部環境は不安定な状態が続いている。結局、前日比23円高の2万0479円と小幅続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:ドルは105円台後半で底堅い展開

ドル/円は、国内輸入企業などのドル買い・円売りや日経平均株価の上昇に支えられて105.89円までじり高となった。低下していた米長期金利も持ち直したことも、ドル買い戻しにつながった。しかし、米中貿易摩擦が長期化するとの根強い懸念から上値を追う動きは限られ、105.80円を挟んでもみ合いとなった。午後は、日経平均株価や上海総合株価指数の動向をにらみながら、105.85円前後で取引された。月末に絡む本邦実需筋の売り買いは午前で一巡したこともあり、商いは薄かった。ユーロ/ドルは、1.10ドル台後半で方向感を欠く値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

米産余剰トウモロコシ購入効果

トランプ大統領と安倍首相は25日、仏ビアリッツで開催されたG7サミットに合わせて首脳会談を行った。その場では日米通商交渉の大枠合意がなされたが、加えて日本が米産余剰トウモロコシ(飼料用)を購入することで一致した。購入量は、日本の飼料用トウモロコシ年間輸入の3ヵ月分となる約275万トンの見通しとなる。米中貿易戦争の影響で米産穀物の対中輸出の状況が厳しく、日本が肩代わりする形となった。数百億に達する購入金額は、安倍首相が『民間企業を緊急支援する』と首相会談で表明した。飼料メーカーや商社の購入を補助金で支える予定。なお、追加購入するトウモロコシは遺伝子組換えとされている。そのためか、韓国軍は25-26日の2日間、島根県の竹島周辺で軍事訓練を行った。これに対して米国務省は『最近の日韓対立を考えると、タイミングやメッセージ、そして規模の拡大は、現在起きている問題を解決するのに生産的ではない』と不快感を示した。米政府が、竹島周辺での韓国軍事訓練を批判するのは初めてであり、トウモロコシ援助の高官が早速でた。

 

イタリアの新政権樹立に向け交渉開始

イタリアの新政権樹立に向け、与党の左派『五つ星運動』と野党の中道左派『民主党』が交渉を急いでいる。首相候補などで折り合いが付くかが焦点だ。一方、政局混乱のきっかけとなった与党の極右『同盟』の支持率は急落した。マッタレッラ大統領は27日から各党との連立協議を再開する。調査会社テクネによると、21日時点で五つ星の支持率は20.8%と前回調査(5日時点)の17.5%から上昇。民主党も22.4%から24.6%に伸びた。支持率の上昇は連立政権発足に追い風となる可能性がある。一方、同盟の支持率は38.0%から31.3%に急落した。2018年6月の政権発足以来、サルビーニ党首は公約の反移民政策を実行し、支持率はほぼ一貫して上昇していた。だが9日に内閣不信任案を突然提出し、連立政権崩壊の引き金を引くと風向きが変わった。

 

年末時点の人民元の対米ドル相場予想:BOAメリルリンチリポート

BOAメリルリンチは最新リポートで、年末時点の人民元の対米ドル相場予想値を引き下げ、1米ドル=7.5元とした。今月上旬にも6.63元から7.3元に引き下げたばかりで、3週間で下方修正を2回行ったことになる。香港経済紙『信報』が27日伝えた。また、メリルリンチは米国の関税追加が人民元相場に及ぼす影響を見直し、中国が関税の影響を元安だけで相殺すると仮定すると、現時点の関税発動スケジュール通り12月15日3000億米ドル分の中国製品に15%に関税が課された場合、人民元相場は7.66元まで下げ、元安・ドル高が7%進むとの試算を示した。ただ、中国は為替相場だけで関税を相殺しているわけではなく、米国製品に報復関税をかけているため、人民元相場を下げる必要性がいくぶん小さくなる。

 

前NY連銀総裁がFRBへ利下げ要求を拒否するよう求める

米ニューヨーク連銀前総裁のウィリアム・ダドリー氏は27日、連邦準備理事会(FRB)に対し、トランプ大統領の貿易政策に調子を合わせることをやめ、利下げ要求を拒否するよう求めた。FRB報道官は『FRBの政策決定は、議会に対し負っている物価安定と最大雇用という責務にのみ基づく』とし、『政治的配慮は全く関与しない』と言明、ダドリー氏の主張を退けた。
ダドリー氏はブルームバーグニュースに寄稿した論説で、貿易を巡って『まずい選択』をした米政権を『救済』しないよう、FRBに求めた。
その上で『FRB当局者は選択を迫られている』と強調。『トランプ政権が貿易戦争の激化を招く破滅的な道を歩み続けることを容認するのか、もしくは政権がその道を進むのであれば、リスクを負うのはFRBではなく、大統領であるという明確なシグナルを送るかの選択だ。次回選挙での敗北というリスクも含まれる』と述べた。

 

欧米イベント

○15:00   7月独輸入物価指数(予想:前月比横ばい/前年比▲1.7%)
○15:00   9月独消費者信頼感指数(Gfk調査、予想:9.6)
○17:00   7月ユーロ圏マネーサプライM3(予想:前年比4.7%)
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○23:30   EIA週間在庫統計
○29日01:20   バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○29日02:00   米財務省、5年債入札

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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