FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:米国株高を好感した買い優勢

前日の米国株主要3指数の続伸が安心材料となり、朝方から買いが先行した。しかし、手掛かり材料が乏しい中で買い一巡後は伸び悩む展開となった。市場では、国際情勢の先行きを見極めたいという向きも多くい。また、米中通商協議が難航しているこtから、トランプ大統領は近く、中国の習近平国家主席と電話協議を行う意向を明らかにしている。週末にはパウエル米FRB議長の講演も控えていることもあり、様子見ムードも広がっている。一時上げ幅を120円に広げたが、結局、前日比114円高の2万0677円と3日続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:106円台半ばで底堅い展開継続

ドル/円は、国内輸入企業などのドル買い・円売りや日経平均株価の続伸に支えられて、106.69円付近まで上昇した。しかし、前日の海外市場でつけた戻り高値106.70円が意識されると、上げは一服した。その後は、短期筋などの利食い売りに押されて、106.55円付近へじり安となった。午後は日経平均株価や米長期金利の動向をにらみながら、106.50円台を中心とした狭いレンジで取引された。ユーロ/ドルは、1.10ドル台後半で方向感を欠いた値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

前日の欧米市場のリスク選好の動きの材料

米国のトランプ政権が一部関税発動を延期したことに加えて中国通信機器メーカー大手、華為技術(ファーウェイ)に対する米製品の調達禁止措置の猶予期間をさらに90日間延長すると発表したため、米中貿易摩擦への懸念が緩和した。また、米国債利回りの上昇で景気後退懸念も緩和した。さらに、ドイツや中国の財政・金融刺激策への期待もリスク選好の動きを助けた。本日もこれらのリスク選好の動きが継続するのか、それとも一旦の材料織り込みとなるのか注目される。

一方で、アメリカ商務省は19日、自国の企業が中国の通信機器大手ファーウェイやその関連会社と取り引きすることを禁じる措置をめぐって、取り引きを禁止する対象に新たに46社を追加したと発表した。貿易をめぐる両国の対立が激しくなる中、アメリカ政府がファーウェイに対する締めつけを強化した形となっている。

 

米世論調査にらみのトランプ政権政策

18日に公表されたNBC・WSJの最新世論調査によると、『自由貿易が米国のためになる』とした回答は64%と、同調査項目として過去最高となった。その中でトランプ氏の支持率は43%と、7月の調査時から2ポイント低下。不支持率は3ポイント上昇し、55%となった。同大統領の不支持率は支持率を12ポイント上回り、同格差は18年4月以来最大となっている。こうした最新情勢により、トランプ氏が対中国を中心とした通商強硬姿勢を一旦緩和させ、『当座の支持率建て直し策』や『年末商戦配慮』などで景気・株価重視へと軸足をシフトさせると、短期的にはリスク回避の緩和により、円高一服や円安・外貨高が後押しされやすい。

 

マカオと香港の違い:シャトルバスで30~40分の距離

19世紀半ばにポルトガルに完全植民地化されたマカオだが、1987年にポルトガルと中国がマカオ返還の共同声明に調印し、1999年12月20日に同地域の行政管理権が中国に返還されて特別行政区となった。 マカオ返還後の50年は現状保全が取り決められており、2049年までは公用語にポルトガル語が採用される(主要な公用語は中国語・広東語)ほか、ポルトガル統治時の法律の多くが適用されている。ただし、1999年の返還以来、マカオには中国人民解放軍が駐屯。香港では撤回に追い込まれた国家安全条例案だが、その条例案と同様な反政府活動を禁じる国家安全維持法が2009年には制定された。返還20周年記念となる12月に向けてこの特別行政区は、現状の香港とは違い、お祝いムードが盛り上がる一方となりそうだ。

 

英国の合意なき離脱の混乱を英国自信も把握

リークされた英政府の文書によれば、合意なき離脱時の英国は、ドーバー海峡の物流混乱による食料・医薬品・燃料不足と国民生活混乱、北アイルランド経済の混乱と将来的な物理国境の導入、EUとの銀行送金や電子商取引が遮断される恐れがある。 政府は合意なき離脱の準備作業を加速、追加予算を計上しているが、一定の混乱は避けられない。英国自信も合意なき離脱では混乱は避けられないと把握している。

 

FRBの判断と市場の期待のギャップをどう埋めるのか?

足元の米FF金利先物価格の水準から判断すると、市場では9月と10月のFOMC時での0.25%ずつの利下げをほぼ100%の確率で織り込んでいる。その後は、来年1月までに1回、7月までにもう1回の利下げを織り込む格好となっている。 パウエル米FRB議長のジャクソンホール講演でこれに沿うような内容の話が出れば、市場の安心感は高まる。FRBとすれば市場に過剰な期待を抱かせるのは得策ではないと考える一方で、製造業部門での減速傾向が続いているうえ、米中関係や世界経済の動向も逆風の中、景気を支える力を強める余地はまだあると判断している。市場が期待しているような累計で1%以上の利下げは必要ではないと考えているとしても、わざわざ否定して市場の混乱を強めるデメリットよりも、敢えて否定しないことによって市場が落ち着くメリットの方が、将来的には政策の自由度を増すことに繋がる可能性が高い。

 

欧米イベント

○15:00   7月独生産者物価指数(PPI、予想:前月比横ばい)
○17:30   7月香港消費者物価指数(CPI、予想:前年同月比3.0%)
○18:00   6月ユーロ圏建設支出
○21:30   6月カナダ製造業出荷(予想:前月比▲1.7%)

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