FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:円高一服とアジア株が堅調推移したことを好感

朝方は、シカゴ日経平均先物にサヤ寄せする形で先物主導で売りが先行したものの、アジア株が堅調推移していることなどを好感した。また、為替市場で円高進行が一服して1ドル=106円台で推移したことも好感された。薄商いのなか、戻り歩調となった。米商務省が発表した7月の小売売上高は前月比0.7%増と、市場予想の0.3%を上回る伸びとなったことが景気の先行きに対する不安を和らげたほか、半導体・ディスプレー製造装置の米アプライド・マテリアルが好決算を発表したことも追う裸子材料として捉えられた。ただ、売り材料も買う材料も乏しいため、はっきりとしない動きた続いた。結局、前日比13円高の2万0418円と小幅反発で終了した。

 

東京外国為替市場:米長期金利が反転したことでドル買い戻し

ドル/円は、国内輸入企業のドル買い・円売りや、日経平均株価がマイナス圏からプラス圏へ転じたことに支えられ、106.27円付近までじり高となった。米長期金利が上昇したことも、ドルの買い戻しにつながった。しかし、前日の海外市場でつけた戻り高値106.35円が意識されると上げ幅は一服した。その後は短期筋などの利食いも見られ、106.20円を挟んでもみ合いとなった。午後は、日経平均株価や上海総合株価指数をにらみながら、106.10円台を中心にもみ合い相場となった。ユーロ/ドルは、1.1100ドル前後で小幅な値動きに終始した。

 

欧州景気に急ブレーキが掛かってきている

主要国のドイツと英国が米中貿易摩擦の影響などでマイナス成長に転落した。今後も英国の欧州連合(EU)離脱をめぐる混乱や米国との通商関係悪化が予想され、不透明感が強い。欧州最大の経済大国ドイツの4~6月期の実質GDP(国内総生産)は、前期比0.1%減だった。第2位の英国も0.2%のマイナスに落ち込んだ。ユーロ圏全体でも0.2%増にとどまり、景気に急ブレーキがかかっている。特に主要国の製造業の落ち込みが目立っている。米中摩擦に端を発する世界経済の減速で輸出が低迷したほか、英EU離脱の混迷が国境を越えた生産体制を敷く自動車産業を直撃している。環境規制の強化でディーゼル車を中心に自動車販売が振るわないという欧州特有の事情もある。
先行きも課題が山積となっている。ジョンソン英首相は10月末の『合意なきEU離脱』に突き進んでおり、直前には駆け込み需要が見込まれるものの、11月以降は強烈な逆風に見舞われる恐れがある。さらに、米国とEUの貿易摩擦激化も懸念されている。

 

GEショックには注意!:不正額約4兆円は氷山の一角??

米国の著名会計専門家が15日、ゼネラル・エレクトリック(GE)が巨額な損失を隠すために不正会計を行っているとの報告書を公表した。『(2001年に経営破綻した)エンロンよりも巨額の不正を働いている』と指摘したことで、同日の米株式市場では追加損失が膨らむとの懸念から同社株は急落、11%安で取引を終えた。GE側は疑惑を否定している。GEの不正会計を指摘したのはハリー・マルコポロス氏で、リーマン・ショックをきっかけに発覚した史上最大規模の詐欺事件『マドフ事件』を告発したことで知られる。15日はGE株が一時15%超下落する場面もあった。GEに関する報告書は175ページに上り、あるヘッジファンドと協力して7カ月かけて調査したという。発見できただけで不正額は380億ドル(約4兆円)に上るが、それも『氷山の一角にすぎない』と指摘した。特に介護保険事業で、保険の引当金に不正があると問題視した。
GE側は『高い基準にのっとって企業活動を行っている。マルコポロス氏の主張に根拠はない』との反論コメントを発表した。保険事業についても『十分な引当金を積んでいる』とした。

 

再び日本が米国債保有額1位に:米国と運命共同体の日本

米財務省が15日に発表した6月の対米証券投資統計によると、日本の米国債保有高が約3年ぶりの高水準となったことを受け、中国を抜き、外国として米国債の最大の保有国となった。日本の米国債保有高は1兆1220億ドルと、5月の1兆1010億ドルから増加し、2016年10月以来の高水準となった。 外国勢として最大の米国債保有国の地位を日本が中国から奪ったのはこれが初めてではなく、データによると、日本は2017年1-5月、中国以上に米国債を保有していた。日本に次ぐ2位となった中国の米国債保有高は1兆1120億ドルとなった。5月は1兆1100億ドルだった。

 

米国の最新経済指標では消費堅調で景気減速感後退

米国経済が近く景気後退入りするとの警戒感が広がる中、注目された最新7月の小売売上高は前月比+0.7%と、5カ月連続の伸びとなった。また、伸びは3月来で最大を記録し、消費が引き続き成長を支援していく可能性が示唆された。国内総生産(GDP)の算出に用いられるコントロールグループ、自動車・建材・給油・食品を除いた小売は前月比+1.0%と、やはり3月来で最大の伸びを記録。 7月にeコマース大手のアマゾンが実施した『アマゾンプライムデー』などの特別要因が大きく影響した可能性はあるものの、失業率や失業保険申請件数がほぼ50年ぶり低水準となる中、強い雇用が米国の消費を押し上げ、第3四半期の成長を引き続きけん引していくと見られる。
アトランタ連銀は第3四半期国内総生産(GDP)の成長見通しを2.16%と、従来の1.95%から引き上げた。4-6月期GDPは+2.1%と、1-3月期の+3.1%から成長ペースが鈍化した。

 

米国市場は8月ミシガン大学消費者信頼感指数を公表

7月実績は98.4だった。また、7月CB消費者信頼感指数は市場予想を大きく上回る135.7に上昇した。8月については、雇用情勢に大きな変化がないものの、貿易問題などを巡る米中関係の悪化などが消費者信頼感の低下につながる可能性があり、7月実績を下回る可能性がある。

 

欧米イベント

○16:00   6月トルコ鉱工業生産
○17:30   4-6月期香港国内総生産(GDP、予想:前期比▲0.3%)
○18:00   6月ユーロ圏貿易収支(季調済、予想:185億ユーロの黒字)
      ユーロ圏貿易収支(季調前)
○21:30   6月対カナダ証券投資
○21:30   7月米住宅着工件数(予想:125.7万件、前月比0.3%)
        建設許可件数(予想:127.0万件、前月比3.1%)
○23:00   8月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値、予想:97.2)

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