FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:円高進行を嫌気した売り優勢

朝方は米国株の反発を好感して主力銘柄の一角が買われたが、円高への警戒感が残る中、全体的に売りが優勢となった。米国先物が下落したことや、ドル/円が106円付近まで弱含んだことなども投資家心理を圧迫し、前場引けにかけて下げ幅を拡大した。しかし、4日間で1000円超下げただけに値ごろ感から個人の押し目買いが入り下げ幅を縮めた。結局、前日比68円安の2万0516円と4日続落して終了した。

 

東京外国為替市場:日本株の下落と米長期金利の低下で円買い優勢

ドル/円は、日経平均株価の続落や米長期金利の低下をながめた持ち高調整などのドル売り・円買いに押され、106.00円まで下落した。ニュージーランド準備銀行が予想以上となる0.5%の大幅利下げを決定、NZドル/円の急落が波及した面もあった。午後もこの流れは続き、106円を割り込んで105.94円近辺まで値を下げた。しかし、下値では値ごろ感からドルの押し目買いが入り、下げは一服した。その後は、日経平均株価の下げ幅縮小で過度なリスク回避姿勢が和らぐと、ショートカバーが入り、106.20円台へ持ち直した。ユーロ/ドルは、1.12ドル台前半で方向感に欠く値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

中国人民元の大幅な下落は続かない:中国当局者が鎮静化声明

中国人民銀行の上級当局者らが、外国企業に対し、人民元の大幅な下落は続かないと伝え、不安払拭に努めたと報じている。ブルームバーグに提供された声明によると、人民銀は北京で外国の輸出業者多数との会合を持った。会合で当局者らはまた、ドルを売買することも通常通りに可能だと伝えたという。声明は、中国が通貨を米国との貿易戦争の武器として使うことはないという易綱総裁の言葉を繰り返している。

 

第4弾追加関税で中国経済下押し:モルガン・スタンレーリポート

モルガン・スタンレーは最新リポートで、米国が『第4弾』対中関税として9月1日から3000億米ドルの中国製品に10%の関税を上乗せた場合、中国経済の下押し圧力が一層強まるとの見方を示した。発動された場合、2019年10-12月期の中国国内総生産(GDP)成長率は6%に鈍化すると予測している。これまでの予測は6.2%だった。『AAストックス』が6日伝えた。 また、ほぼすべての中国製品に対する25%の追加関税が4-6カ月間継続し、中国も反撃した場合、19年10-12月のGDP成長率はさらに5.7%に低下する恐れがあり、世界経済も後退するとの見方を示した。一方、中国が財政出動に動いた場合、GDPを0.75-1ポイント押し上げられると見込む。また、緩和的な金融政策を維持する可能性があり、公開市場操作や中期貸出制度(MLF)の利率引き下げ、貸出金利の引き下げに向けた改革の推進などがあり得るとした。

 

年末までに2回の利下げを予想:ゴールドマン・サックス

ゴールドマン・サックスは、米国と中国は2020年11月の米大統領選挙までには通商協議で合意しないとの見方を示した。ゴールドマンのエコノミスト、ヤン・ハチウス氏がリポートを公表した。また『通商政策のリスクの高まりや、一段の利下げに対する市場の期待、英国が合意なしに欧州連合(EU)から離脱する可能性に関する世界的なリスクの増大』などを踏まえて、米連邦準備理事会(FRB)が7月に続いて年末までにさらに2回利下げすると予想した。 FRBが9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げする確率は75%、10月は50%とした。これまでは今年の利下げを2回と予想していた。『FRBは今年、貿易戦争の脅威や債券市場の期待、世界経済の成長への懸念に対し、より敏感に反応している』と指摘した。

 

ハト派のブラード総裁がタカ派的発言

中国が人民元の基準値を1ドル=7元台ではなく、元高水準に設定したことで米中の貿易戦争懸念が和らぐ中、FOMCでの大幅利下げ期待が一服する展開だった。FOMCメンバーでハト派とされるセントルイス地区連銀のブラード総裁がこの日、『次の一手は7月の利下げの効果を見極めてから』『FRBは既に多くのことをしたと思う』『今回サイクルの半ばでの調整で、先々にリセッションが控えている訳ではない』と述べ、ハト派らしからぬ追加利下げに慎重な姿勢を示したことが関心を集めた。

 

欧米イベント

○15:00   6月独鉱工業生産(予想:前月比▲0.4%/前年同月比▲3.1%)
○15:15   インド中銀、金融政策決定会合(予想:5.50%に引き下げ)
○15:45   6月仏貿易収支(予想:41.18億ユーロの赤字)
○15:45   6月仏経常収支
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○21:00   6月ブラジル小売売上高指数(予想:前年同月比0.6%)
○23:00   7月カナダIvey購買部協会景気指数(予想:53.0)
○23:30   EIA週間在庫統計
○8日02:00   米財務省、10年債入札
○8日04:00   6月米消費者信用残高(予想:160億ドル)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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