★日経平均株価:投資家心理改善で買い優勢に
米国市場ではS&P500種とナスダック総合が終値で最高値を更新し、投資家心理は上向き朝方から買いが先行した。ソフトバンクグループやアドバンテストなど指数寄与度の高い銘柄が堅調に推移したことも支援し、取引時間中として5月7日以来約2ヵ月半ぶりの高値をつけた。市場からは、投資家が米経済への信頼感を強めているとの声が出ていた。ただ、戻り待ちの売りに押され、結局、前日比46円高の2万1756円と3日続伸して終了した。
★東京外国為替市場:ECB理事会を控えて小動きの展開
ドル/円は、日経平均株価の続伸をながめ108.24円付近まで小幅に上昇した。しかし、前日に発表された低調な米経済指標が意識され、ドル買い・円売りは続かなかった。その後は短期筋の利益確定売りに押されて108.10円台へ下落した。午後は、日経平均株価や上海総合株価指数をにらみながら、108.10円を挟んでもみ合う展開となった。ユーロ/ドルは、今晩のECB理事会で、近い将来の金融緩和や利下げが示唆されるとの思惑からユーロ売りが優勢となり、1.11ドル台前半の安値圏で推移した。
★欧州市場ではECB理事会を開催
先に公表された理事会議事要旨(6月5日-6日分)には『理事会は緩和政策を準備する必要性で一致』、『市場ベースでのインフレ期待が低下している』などの意見が盛り込まれていたユーロ圏の経済見通しは不透明であるものの、早期の景気回復は難しいことから、今回の理事会では追加緩和の必要性について議論し、9月の理事会で結論を出す方向になると予想される。
★新首相になっても英国の合意なき離脱懸念は強い
強硬離脱派の支持を受けて誕生するジョンソン首相は、EUからの離脱実現、分断した英国世論の融和、保守党の建て直し、明るい将来像を描くことを目指している。まずは10月31日に協議期限を控え、離脱実現が最優先課題となる。 ジョンソン氏には現実主義者としての一面もあるが、近い将来に総選挙が行われる可能性もあり、保守党の支持回復に向け、強硬な離脱主張を繰り返すことが予想される。EUとの協議は平行線のまま、秋の離脱期限を迎えることになりそうだ。
議会は合意なき離脱の阻止に動くとみられるが、合意なき離脱の可能性を排除しない政府を止めることは難しい。ジョンソン氏の暴走を止める最終手段は内閣不信任案となる。離党覚悟で与党議員の一部が同調すれば内閣不信任案が成立し、議会の解散・総選挙が行われる。
現在の世論調査からは、労働党が政権を奪取し、自由民主党と連立を組むことが示唆される。その場合、国民投票の再実施を通じてEU残留に近づく。だが、ジョンソン首相誕生で保守党の支持率は回復するとみられる。 保守党が議会の安定多数を確保すれば、EUからの譲歩も引き出しやすくなる。問題は保守党の支持回復が中途半端なものに終わり、ブレグジット党の協力で政権を維持する場合。EUとの関係は悪化し、合意なき離脱に突き進む恐れが高まる。
★財政の崖は回避したが米国は将来の債務リスクが高まる
米大統領と議会指導部は22日、連邦政府の債務上限引き上げと2年間で3200億ドル(約34兆円)の歳出増で合意、米国債デフォルト(債務不履行)や「財政の崖」による混乱は回避したが、新規国債の大増発は避けられず、財政赤字1兆ドル突破が確実視される。米連邦政府の債務残高はすでに22兆ドルに達し、CBO(議会予算局)はこの5月に今後10年間の財政赤字累積が9兆ドルを超すと試算した。低金利にも拘わらず利払い費は19年度時点で3900億ドルと主要国で突出している。だからこそ、米FRBは7月FOMCで世界経済減速や米中貿易戦争を巡る不確実性、インフレ圧力低下を受けて25bpの利下げの腹を固めている。
★米国の25ベーシスポイントの利下げが正当化
米連邦準備制度理事会(FRB)が来週開催する連邦公開市場委員会(FOMC)を控えて利下げの幅を見極める上で、最新の経済指標の結果に焦点が集まる。金融政策を判断する上で重要な指標、小売売上高、雇用統計、生産者物価指数、消費者物価指数の6月分は軒並み予想を上回っており、25ベーシスポイントの利下げが正当化されるとの見方が大半となっている。しかし、関税や世界経済の鈍化が影響した製造業関連指数や住宅関連指標は依然弱い。7月の欧州やフランスの製造業PMIと同様に米国の7月製造業PMI速報値も50.0と、かろうじて活動の縮小は免れた。50は活動の縮小と拡大の境目となっている。ただ、7月のサービス業PMI速報値は好調で、消費が引き続き米国経済の成長を支援している新たな証拠となった。FOMC直前に発表される4-6月期国内総生産(GDP)速報値は1-3月期の3.1%成長から鈍化する見通しだが、予想をさらに下回ると利下げをさらに確実なものとする。
★米国市場では6月耐久財受注が公表
5月実績は、前月比▲1.3%だった。民間航空機・同部品の受注額が主に減少した。ただ、輸送関連を除くと新規受注額はやや増加した。『航空機を除く非国防資本財』(コア資本財)の受注も増えた。6月については5月に減少した反動で増加が予想されるが、コア資本財については横ばいか、わずかな増加にとどまる見込みとなっている。
★欧米イベント
○16:30 6月スウェーデン失業率(予想:6.8%)
○17:00 7月独Ifo企業景況感指数(予想:97.1)
○18:30 6月南アフリカ卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.4%/前年比5.8%)
○20:00 トルコ中銀、政策金利発表(予想:21.50%に引き下げ)
○20:45 欧州中央銀行(ECB)定例理事会、終了後政策金利発表(予想:0.00%に据え置き)
○21:30 ドラギECB総裁、定例記者会見
○21:30 6月米耐久財受注額(予想:前月比0.7%/輸送用機器を除く前月比0.2%)
○21:30 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:21.9万件/168.8万人)
○26日02:00 米財務省、7年債入札
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