FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:108円割れで先物売りが先行

国内連休中の米国株は上昇したものの、為替が1ドル=107円後半まで円高方向に振れたことで、朝方から先物売りが先行した。15日に発表された中国第2四半期の国内総生産(GDP)の成長鈍化で中国経済が懸念されたほか、日本郵政、かんぽ生命の上場来安値更新も投資家心理を冷ました。ただ、日銀のETF買い入れ観測が相場を下支えした。結局、連休前比150円安の2万1535円で終了した。

 

東京外国為替市場:108円を挟んでもみ合う展開

ドル/円は、3連休明けとなる国内輸入企業などのドル買い・円売りに支えられて、108.10円付近へじり高となった。しかし、米長期金利が低下したこともあり、上値を追う動きは限られた。その後は、日経平均株価の下げ幅拡大をながめた利食い売りなどに、107.90円台へ押し戻された。午後は、日経平均株価や上海総合株価指数をにらみながら、108.00円近辺でもみ合う展開となった。ユーロ/ドルは、1.1260ドルを挟んで小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

米中貿易摩擦の影響で中国景気は再び減速

中国4-6月期GDPは前年比+6.2%と、四半期ペースで統計を開始した1992年以降で最も低い水準となった。今年3月までは2期連続で+6.4%と、政府の大規模の減税などの景気対策を支えに+6.4%にとどまっていたが、米中貿易摩擦の影響で再び減速に転じた。今年上半期のGDPは前年比+6.3%と、中国政府の今年目標である6.0-6.5%の範囲内にとどまっているが、28年ぶりの低水準となった2018年の+6.6%から低下している。中国政府は2012年の共産党大会で20年までのGDP倍増を目標にしており、その目標達成には19-20年の平均成長率が6.2%以上になることが必要である。市場では、今年下半期のGDPは政府目標の下限となる+6.0%近辺まで鈍化するとの見方がくすぶっている。

 

中国が台湾独立派へけん制として軍事演習

中国国防省は14日、『軍が最近、南東部沿岸の海空域で組織的な演習を行った』と発表した。これについて15日付の中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報は、『台湾独立派』をけん制する狙いがあるとの見方を伝えた。台湾に近い地点で大規模な演習が行われた可能性がある。 国防省は『今回の演習は年次計画に基づく定例的なものだ』とし、詳細は明らかにしていない。同省は大抵の軍事演習に関して『特定の対象や目標を狙ったものではない』と強調するが、今回はこの表現がなかった。発表の仕方にこうした特異な点があることから環球時報は『重大事案の前触れである可能性が高い』という専門家の分析を伝えた。

 

米国株の上昇は円ベースでも優位性が高い

過去最高値を再更新してきた米国株に対し、日本株は大きく出遅れているが、円ベース比較でも米株優位が定着しつつある。前週11日までの直近1カ月間ではドル安・円高圧力が強まってきたが、日本勢から見た円換算ベースでもNYダウは+4.02%の上昇となっている。それに対して円ベースの日経平均株価は+2.63%であり、同じ円建て比較で米国株を下回っている。年初来の円ベース成績でも、米株のS&P500は+18.2%、ナスダック総合は+22.0%、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は+26.2%、配当重視型のNYダウ公共株は+14.8%、ブルームバーグ米国REIT(不動産投信)は+17.8%などと円建てでも堅調に推移している。それに対して日本株は同じ円ベースで、日経平均が+8.4%、TOPIXは+5.5%などと相対比較で伸び悩んでいる。

 

米世論調査では民主党上位3人の候補がトランプ大統領を上回る支持

2020年の米大統領選へ向けて民主党候補指名争いに名乗りを挙げている上位3人の候補者がいずれもドナルド・トランプ大統領を上回る支持を集めている。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)とNBCニュースの最新の共同世論調査で分かった。
調査は全米規模で実施。各民主党候補とトランプ氏の一対一の対決で、トランプ氏を上回る支持を獲得したのはジョー・バイデン前副大統領、エリザベス・ウォーレン上院議員、バーニー・サンダース上院議員の3人で、カマラ・ハリス上院議員はトランプ氏とほぼ互角だった。

 

米国市場では6月小売売上高が公表

5月実績は前月比+0.5%だった。4月は▲0.2%から+0.3%に上方修正された。主要13項目のうち11項目で増加した。オンライン・ストア、家電製品、スポーツ・趣味用品・楽器・書籍などが主に増加した。6月については雇用環境が悪化していないことから、5月実績に近い伸びとなる可能性がある。

 

欧米イベント

○16:00   ビルロワ・フランス中銀総裁、講演
○16:00   4月トルコ失業率
○17:30   6月英雇用統計(予想:失業保険申請件数推移2万2800件/失業率なし)
○17:30   3-5月英失業率(ILO方式、予想:3.8%)
○18:00   5月ユーロ圏貿易収支(季調済、予想:178億ユーロの黒字)
      ユーロ圏貿易収支(季調前)
○18:00   7月独ZEW景況感指数(予想:▲22.3)
○18:00   7月ユーロ圏ZEW景況感指数
○21:00   カーニー英中銀(BOE)総裁、講演
○21:15   ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○21:15   ボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○21:30   5月対カナダ証券投資
○21:30   6月米輸入物価指数(予想:前月比▲0.7%)
○21:30   6月米小売売上高(予想:前月比0.1%/自動車を除く前月比0.1%)
○22:00   6月ロシア鉱工業生産(予想:前年比2.0%)
○22:15   6月米鉱工業生産指数(予想:前月比0.1%)
       設備稼働率(予想:78.1%)
○23:00   7月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数(予想:64)
○23:00   5月米企業在庫(予想:前月比0.4%)
○17日01:20   カプラン米ダラス連銀総裁、講演
○17日02:00   パウエルFRB議長、講演
○17日04:30   エバンズ米シカゴ連銀総裁、講演
○17日05:00   5月対米証券投資動向

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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