FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:円高を嫌気して売り優勢

米中通商協議を巡るポジティブな話しは前日までに織り込まれ、次のニュース待ちとなっている。為替の円高進行も嫌気され、朝方から利益確定売りが優勢となった。その後は、ドル/円が107.50円台まで下落した場面では、為替に連動する先物売りが出て指数を押し下げた。結局、前日比116円安の2万1638円と反落して終了した。

 

東京外国為替市場:日本株下落や米長期金利低下で円買い優勢

ドル/円は、米長期金利の急低下や日経平均株価の反落をながめたドル売り・円買いが進み、107.54円近辺まで下落した。トランプ米大統領がハト派で知られるジュディ・シェルトン氏とクリストファー・ウォーラー氏を、FRB理事に指名したことも、ドルの押し下げにつながった。しかし、今晩発表されるADP全米雇用リポートや米ISM非製造業景況感指数を見極めたいとの雰囲気もあり、下げは一服した。午後は日経平均株価や米長期金利の動向をにらみながら、107.60円台を中心とした狭いレンジで取引された。4日は独立記念日で米国市場が休場となるため、商いは薄かった。ユーロ/ドルは、1.1290ドル前後で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

ドラギECBの後任にラガルド専務理事を指名

欧州連合(EU)は10月末までの任期となったドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁の後任に、フランス出身で国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事を指名した。総裁就任が決まればECB総裁として初の女性となる。政治家出身で危機対応の経験の長いラガルドしにはその調整能力に期待が高い半面、市場にサプライズ(驚き)をもたらすような『マジック』は見込めないとの声もある。

 

空席のFRB理事にハト派の2名を指名する方針

トランプ大統領は2名の空席のあるFRB理事の人事について欧州復興開発銀行(EBRD)のジュディ・シェルトン氏とセントルイス地区連銀の調査局長であるクリストファー・ウォーラー氏を指名する方針を示した。パウエルFRB議長の更迭を検討しているとされるトランプ大統領としては、ハト派の人物をFRB理事として送り込み、パウエル氏の後任候補にしたい考えを持っているとみられる。保守派エコノミストのシェルトン氏は金本位制への回帰を求めている変わった人物だが、2016年の米大統領選でトランプ氏の経済アドバイザーを務めていた。ワシントンポストの6月19日付けインタビューでは『FRBは可能な限り早く利下げを行うべきだ』とハト派的な見解を示した。ウォーラーしの金融政策に対するスタンスは不明だが、同氏が所属するセントルイス地区連銀のブラード総裁はFOMCメンバーでハト派として知られ、6月のFOMCで唯一25bpの利下げを主張していた人物である。そのブラード総裁はホワイトハウスからFRB理事就任を打診された経緯がある。

 

米中首脳会談後も制裁緩和限定的

ナバロ米大統領補佐官(通商担当)は2日、トランプ大統領が表明した中国の通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)に対する制裁緩和に関して『安全保障に影響しないローテク製品』に限って輸出を認めると明らかにした。半導体の販売が可能になるのは、年10億ドル(約1080億円)未満と小規模になるとの見通しを示した。米CNBCテレビのインタビューでナバロ氏は、米国が認めるのは『短期的に年10億ドル未満の少量の半導体をファーウェイに販売すること』だと指摘した。詳細は不明だが、同社は全世界の企業から年670億ドルの部材を調達しており、制裁緩和は限定的になる可能性がある。ナバロ氏は「(次世代通信規格)『5G』を巡る米国の対ファーウェイ政策は変わっていない」と説明し、最新技術を搭載した製品やソフトウエアは引き続き禁輸対象になると示唆した。制裁緩和の見返りに『中国がすぐに大量の農産品を買うと約束した』と主張した。

 

米国市場では5月貿易収支が公表

4月は輸出と輸入がいずれも大きく減少し、貿易赤字縮小した。民間航空機の需要減少や対メキシコ輸入関税などが影響した。5月については輸出入額の伸び悩みが予想されることから、貿易赤字は4月実績と同水準となる可能性がある。対中貿易赤字については4月実績の294億ドルに近い水準になる可能性がある。

 

欧米イベント

○16:00   6月トルコ消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.05%/前年比15.74%)
○16:30   スウェーデン中銀、政策金利発表(予想:▲0.25%で据え置き)
○16:50   6月仏サービス部門PMI改定値(予想:53.1)
○16:55   6月独サービス部門PMI改定値(予想:55.6)
○17:00   6月ユーロ圏サービス部門PMI改定値(予想:53.4)
○17:00   ノボトニー・オーストリア中銀総裁、記者会見
○17:30   6月英サービス部門PMI(予想:51.0)
○19:00   カンリフ・イングランド銀行(BOE)副総裁、講演
○未定   ポーランド中銀、政策金利発表(予想:1.50%で据え置き)
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○20:30   6月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)
○21:15   6月ADP全米雇用報告(予想:14.0万人)
21:15   ブロードベントBOE副総裁、講演
○21:30   5月カナダ貿易収支(予想:15億カナダドルの赤字)
○21:30   5月米貿易収支(予想:540億ドルの赤字)
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:22.3万件/167.5万人)
○22:45   6月米サービス部門PMI改定値(予想:50.7)
○22:45   6月米総合PMI改定値
○23:00   5月米製造業新規受注(予想:前月比▲0.5%)
○23:00   6月米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業指数(予想:55.9)
○23:30   EIA週間在庫統計
○23:30   ビルロワ・フランス中銀総裁、講演
○米株式・債券市場は短縮取引
○米財務省3年、10年、30年債入札条件

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