FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

2月11-17日分の対外及び対内証券売買契約等の状況

国内の投資家は対外中長期債は5531億円の売り越しとなり、売り越しは3週連続となった。対外株式は5871億円の売り越しとなり、売り越しは2週連続となった。また、海外投資家は対内株式は1271億円の買い越しとなり、買い越しは5週間ぶりとなった。対内中長期債は7895億円の売り越しとなり、売り越しは2週間ぶりとなった。また、短期債は7685億円の売り越しとなり、売り越しは3週間ぶりとなった。

 

国内の海外投資に変化が現れ始めている。欧米の債券利回りの急上昇(価格は下落)により、海外債券の運用を減少させている可能性が高い。中長期債は3週間で2兆3850億円の売り越しとなった。さらに、直近では海外株式市場からも資金を引き上げている可能性がある。そのため、レパトリによる外貨売り・円買いで資金のレパトリによる円高の要因となっている可能性が高い。海外投資家の日本株売りが続いていたが、5週間ぶりの買い越しとなり、PERが13倍割れ近辺から買いが入った可能性がある。

 

日経平均株価:前日の米国株安につれた売り優勢

米長期金利上昇を受けた米国株式市場の急失速した流れを引き継いだ。また、株価変動率の上昇も嫌気され、海外投資家の株価指数先物中心に売りが強まり、現物株との最低売りにつながったことで一時340円を超す下げ幅となった。ただ、後場は日銀の株式ETF買い思惑から買い戻された。結局、前日比234円安の2万1736円と反落して終了した。

 

東京外国為替市場:ドル/円は終日107円台前半で推移

ドル/円は、日経平均株価の下げ幅が一時300円を超えたことやべNYダウ先物が軟調に推移したことで、リスク回避のドル売り・円買いが進み、107円台後半から107.15円まで下落した。その後は国内輸入企業などがドル買い・円売りを持ち込み、107.30円前後まで切り返した。一部メディアが浜田内閣官房参与の話しとして『黒田日銀総裁の続投後に、日銀の緩和手段として外債購入を検討して欲しい』と報じたものの、市場の反応は限定的だった。午後には、本邦勢のドル買い・円売りや日経平均株価の下げ幅縮小に支えられ、107.45円近辺まで値を持ち直した。ユーロドルは、1.22ドル台後半で方向感に欠く値動きとなり、欧州勢の参入待ちの様相となっている。

 

日20年債入札は『好調』:決算期末接近で安全志向強まる

本日財務省が実施した20年債入札は一定の需要を集めて『好調な結果』で終わった。米国で利上げ観測、欧州では金融政策の正常化が進むとの思惑を背景に国債利回りが上昇(価格は下落)し、日本からみた運用妙味が増しているにも関わらず、一段の相場下落を意識して投資家の腰は重い。3月の年度末に向けた余剰資金の一時的な運用先として、消去法で日本国債を選ぶ動きが優勢となった。

 

OPECの協調減産にほころびも

国際エネルギー機関(IEA)はOPEC非加盟国からの原油供給の拡大について、世界の需要の伸びを向こう2年間まかなうかもしれないとの見方を示した。これに伴いOPECは計画よりかなり長い減産を継続せざるを得ない可能性がある。ただ、協調減産を実施している国々は、向こう数年間どう協調していくか検討しているが、減産合意に若干ひずみが出る兆しが示されているため、減産維持は困難となる公算がある。新規プロジェクトを推進しようと躍起になっているロシアの石油会社は減産を速やかにやめることを求めており、制裁や紛争で長年にわたって収入を失ってきたイラクやイラン、リビアなどのOPEC加盟国が生産能力の増強を望んでいる。

 

今後の米国債増発を市場は消化できるか

米財務省が今週予定していた2580億ドル(約27兆7700億円)相当の国債入札で、2290億ドル分をおおむね問題なく終了した。結果としては350億ドル相当の5年債入札での最高落札利回りは2.658%と、5年債入札では2009年12月以来の高水準となった。2年債入札の同利回りは2.255%と、2008年以来の高水準となった。どちらの入札も応札倍率は先月から下がったが、過去2年の平均付近にとどまった。ただ、今週の入札は始まりにすぎない。米財政赤字は膨らむ方向で、ストラテジストらは財務省が国債発行拡大ペースを年内維持するとみている。同省は先月末、四半期定例入札の詳細を発表した。2年債と3年債の発行額を毎月それぞれ20億ドル引き上げるとし、5年債と7年債、10年債、30年債については拡大幅を10億ドルとした。

 

米国市場では前週分新規失業保険申請件数

11日発表された前週分新規失業保険申請件数は、低水準を維持する見込み。今日情勢の安定的な改善が示されれば3月追加利上げ観測を後押しする可能性がある。今月は22.23万人吹きで落ち着いており、完全雇用に近い状態が続くとみられる。

 

欧米イベント

○16:45   2月仏企業景況感指数(予想:110)
○16:45   1月仏消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比▲0.1%)
○17:15   10-12月期スイス鉱工業生産指数
○17:30   1月香港CPI(予想:前年同月比1.8%)
○18:00   2月独Ifo企業景況感指数(予想:117.0)
○18:30   10-12月期英国内総生産(GDP)改定値(予想:前期比0.5%/前年比1.5%)
○21:30   欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨(1月25日分)
○22:30   12月カナダ小売売上高(予想:前月比横ばい/自動車を除く前月比0.3%)
○22:30   前週分の米新規失業保険申請件数(予想:23万件)
○24:00   1月米景気先行指標総合指数(予想:前月比0.7%)
○24:00   ダドリー米ニューヨーク連銀総裁、講演
○23日01:00   EIA週間在庫統計
○23日02:10   ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○23日03:00   米財務省、7年債(290億ドル)入札
○23日05:30   カプラン米ダラス連銀総裁、講演

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