FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:米中貿易摩擦の激化が警戒され売り優勢

米中通商協議が難航し再交渉の日程も公表されていない中、米国は新たに3250億ドル相当の中国製品に追加関税を発動する手続きを始め、詳細を13日に公表すると発表した。米中貿易摩擦の激化が警戒された。ヘッジファンドなど海外短期筋が先物に売りを出し下げ幅は一時200円超へ広げた。結局、前週末比153円安の2万1191円と6日続落して終了した。

 

東京外国為替市場:米中貿易戦争の長期化懸念からリスク回避の動き

ドル/円は、米中貿易戦争が長期化するとの懸念から調整色が強まり、109.59円まで下落した。日経平均株価の続落も、リスク回避の円買いを誘った。しかし、10日のNY市場で付けた109.47円が下値の目処として意識され、下げは一服した。その後は、本邦輸入企業などがドル買い・円売りに動き109.80円前後まで切り返した。午後は、日経平均株価や上海総合株価指数をにらみながら109.75円前後で取引された。トランプ米政権が本日公表する対中関税『第4弾』の詳細を見極めたいとの雰囲気から、様子見ムードも強かった。ユーロ/ドルは、1.1230ドルを挟んで方向感の欠くもみ合い相場となった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

メイ英政権は労働党との超党派協議を再開

首相官邸が12日の声明で明らかにしたところによると、メイ英政権は、欧州連合(EU)離脱の共同案策定に向けた最大野党・労働党との超党派協議を13日に再開し、その結果を受けてEUと『政治宣言案』修正の可能性について話し合う方針となっている。夏までのEU離脱が労働党との協議の目的だと声明をだしている。
英政府は将来の関税取り決めに関する合意の修正をEUと話し合う。拘束力のない政治宣言案部分が修正対象となる。議会提出を予定する『EU離脱協定法案』に労働党と合意した修正内容をどのように反映させるかも政府は検討する。

 

米中貿易摩擦の悪化がドル売り圧力に

市場は貿易戦争休戦が崩壊した一方で、協議が継続していることはポジティブと受け止め、結果を見極める姿勢をとっている。最終的な協議の結果として大半は交渉を継続するとの見方が大半だが、最悪なシナリオは交渉打ち切りである。多くのアナリストは最終的な合意にいたるとしても時間がかかるとの見方を示している。
米国による2000憶ドル規模の関税引き上げで中国経済の成長率は0.3%引き下げられ、また、追加で残りの3000憶ドルの関税が引き上げられた場合は全体の成長率から0.6%引き下げられると見られている。関税は米中経済だけでなく世界経済の成長を減速させる。FRBも利下げに踏み切らざるを得ない環境となるとの見通しが引き続きドル売り圧力となる。

 

米国通商代表部が13日に新たな関税引き上げ詳細を公表

アメリカのトランプ政権は、中国との貿易交渉で歩み寄りが見られなかったとして、まだ関税を上乗せしていない約3000億ドル分の輸入品についても新たに上乗せする手続きを始め、13日にその詳細を公表する方針となっている。これが実行されれば中国からのすべての輸入品が関税引き上げの対象となり、米中の攻防はさらに激しくなる。トランプ政権は、中国との貿易交渉で折り合うことができず、中国からの2000億ドルの輸入品に課している関税の上乗せを10日、10%から25%に大幅に引き上げた。
これに対し中国側も報復措置をとる構えを示したことから、アメリカ通商代表部はトランプ大統領の指示を受けて、新たに約3000億ドル分の輸入品に関税を上乗せする手続きを始めた。
これが実行されれば、通商法301条に基づいて知的財産権の侵害を理由にした関税の上乗せは中国からのすべての輸入品が対象になり、アメリカ通商代表部は13日にその詳細を公表する方針となっている。

 

イランのロウハニ大統領が追い詰められると軍事衝突の可能性も

トランプ大統領は9日イランに対し、核放棄に向けた交渉の席に付くよう促した上で、両国の軍事衝突の可能性を排除しないと語った。米国は今月、イラン産原油禁輸措置を強化したほか、湾岸地域での米軍の配備を拡大させている。11日イランのロウハニ大統領は『現在の状況が(1980-88年)の戦時よりも良いのか悪いのかは言えないが、戦時には金融機関や石油販売、輸出入に問題はなかった。あったのは武器購入への制裁だけだった』と指摘した。『敵からの圧力はイスラム革命史上前例のない戦争だ。しかし、私は将来に大きな期待を抱いている。われわれが結束すれば、この厳しい状況を乗り切れると確信している』と述べた。ロウハニ大統領は、2015年の核合意から米国が昨年離脱し、制裁を再開したことを受け、国内強硬派から非難に直面しているほか、身内の穏健派からも一部離反が出ている。

 

欧米イベント

○15:00   1-3月期ノルウェー国内総生産(GDP、予想:前期比横ばい)
○16:00   3月トルコ経常収支(予想:9億8000万ドルの赤字)
○22:05   ローゼングレン米ボストン連銀総裁、クラリダ米連邦準備理事会(FRB)副議長、あいさつ
○14日02:20   カプラン米ダラス連銀総裁、講演

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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