FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:米中通商協議の進展期待から買い優勢

米中通商協議を巡る合意が近いとの期待から、投資家心理が改善して景気敏感株を中心に買いが先行した。一時上げ幅を100円超に広げ約1ヵ月ぶり高値を付けた。ただ、海外投資家の利益確定売りが重石となった。結局、前日比82円高の2万1807円と続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:ドル買いが継続するも上値も重い

ドル/円は、本邦実需筋のドル買い・円売りや米中通商協議の進展期待から一時111.79円付近まで上昇した。しかし、心理的節目の112.00円が視野入ると、ドルの上げは一服した。その後は、週末を控えた利益確定や持ち高調整のドル売り・円買いに押され111.60円付近まで下落した。午後は、日経平均株価をにらみながら111.70円前後でもみ合う展開となった。米3月雇用統計を控えて、様子見ムードも広がった。ユーロ/ドルは、1.12ドル台前半で方向感に欠く値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

ノルウェー政府年金基金の年次白書の発表:円資産の除外の可能性も

ノルウェー財務省は東京18時45分に年次白書を発表し、運用資産額が1兆ドル超のノルウェー政府年金基金のグローバル債券ポートフォリオの見直しが明らかとなる。基本的なポートフォリオのうち債券は約30%(株式が最大70%、不動産が上限7%)の配分。同基金は2年前、20以上の債券指数構成通貨をドル、ユーロ、ポンドに限定することを政府に提案した。もし提案通り円が除かれた場合、直ぐに資金移動があるとは思えないが、円が全般的に弱い地合いの中で円売りが強まる可能性がある。

 

サウジがドル建て原油取引をやめる可能性も:ドル安材料となりやすい

世界最大の原油輸出国サウジアラビアがドル建ての原油取引をしない可能性が報じられた。その確率はまだ高くないものの、米議会が『OPEC加盟国を反トラスト法違反で提訴できる法案』を通過させた場合、サウジの脱ドルの動きが強まるとの見方をする市場参加者はいる。また、米下院が4日に『イエメン内戦に介入するサウジへの軍事支援の停止を求める決議案』を賛成多数で可決したことも、サウジ側からの反発に繋がっている。

 

格付け会社のコメント受けリラ買いも戻り鈍い

昨日は、欧州序盤の5.66リラ前半からNY昼前には5.55リラ半ばまでリラ高・ドル安が進んだ。トルコ中銀の外貨準備高が増加したことが明らかになるとリラが底堅くなり、格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)のトルコについてのコメントをきっかけに5.62リラを割り込み5.55リラ台までリラ買い・ドル売りが加速した。S&Pは、『リラ安がこれ以上進むようであればトルコ企業にとって大きな痛手になる』としながらも、『現時点ではトルコ格下げのリスクはない』と述べた。東京外国為替市場では、5.61リラ後半でもみ合い推移した。

 

インドは引き続き金融緩和を継続:総選挙控え政権への忖度?

インドの中央銀行にあたる準備銀行は4日、金融政策を決める会合を開き、政策金利を6.25%から6%に引き下げることを決めた。政策金利の引き下げは前回、ことし2月の会合に続いて2回連続となる。準備銀行のダス総裁は声明を出し『世界経済の低迷の影響で国内経済は逆風を受けている。停滞している民間投資を刺激し成長の勢いを増す必要がある』と述べて、利下げは景気を刺激するための判断だと強調した。
インドでは今月11日から来月にかけて総選挙が行われる予定で、モディ政権は経済成長の勢いを維持して国民の支持を得ようと、準備銀行側に景気刺激策を求めていた。準備銀行のダス総裁はモディ政権に近い人物とされ、利下げの判断は政権の意向が反映されたものと受け止められている。

 

米国市場では3月雇用統計が公表

2月実績は、非農業部門雇用者数が前月比+2万人にとどまったが、平均時給の伸びは1月実績を上回った。3月については、新規失業保険申請件数の推移を基にすると15万人程度の雇用増となる可能性があり、市場予想の17.5万人は妥当な水準となる。市場の失業率予想は3.8%、平均時給予想は前月比+0.3%、前年比3.4%となっている。

 

欧米イベント

○15:00   2月独鉱工業生産(予想:前月比0.5%/前年同月比▲1.4%)
○15:45   2月仏貿易収支(予想:47億ユーロの赤字)
○15:45   2月仏経常収支
○21:30   3月カナダ雇用統計(予想:新規雇用者数変化1万人/失業率5.8%)
○21:30   3月米雇用統計(予想:非農業部門雇用者数変化17.5万人/失業率3.8%/平均時給、前月比0.3%/前年比3.4%)
○6日04:00  2月米消費者信用残高(予想:170億ドル)
○6日04:30  ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○5-8日   3月ロシアCPI(予想:前月比0.4%)
○主要7カ国(G7)外相会合(仏ディナール、6日まで)
○7日 豪州、NZが冬時間に移行

 

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