FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:円高を嫌気した売りが優勢

米FRBが20日まで開いていた米FOMCで年内利上げ凍結を決めたことを受け、日米金利差縮小思惑から1ドル=110円段後半まで円高が進み投資家心理の重石となった。結局、18円高の2万1627円と小幅続伸して終了した。3月第2週の海外投資家の日本株売り越しは5,061億円となり、7週連続の売り越しとなった。

 

東京外国為替市場:週末相場でポジション調整のもみ合い相場

ドル/円は、FOMCのハト派色の濃い内容が引き続きドルの重石となり、110.65円近辺げ下落した。日経平均株価や上海総合株価指数が軟調だったことも、ドル売り・円買いを誘った。ただ、週末を控えて下押しは限られた。午後は、日経平均株価の底堅い動きをながめて持ち高調整などのドル買い・円売りが入り一時110.85円近辺へじり高となった。しかし、前日の高値110.95円が視界に入ると利食い売りも見られ110.80円近辺でもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、1.13ドル台後半で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

英国の合意なき離脱の延命:次の期限は4月12日

欧州連合(EU)首脳は、英国の『合意なき離脱』が来週3月29日の期限に起きる事態を回避するため、2週間の離脱延期を無条件で認める提案を英側に行い、メイ英首相もこれを受諾した。これに伴い、合意なき離脱の瀬戸際となる新たな期限は4月12日に先送りされる。EUと取り決めた離脱合意案が今月末までに英議会で可決されない場合、首相は次にどう対処するか4月12日までに答えを出す必要がある。
EUの指導者らはブリュッセルで21日に開いた首脳会議で、来週の英議会で離脱案の承認が得られない場合、合意がないまま離脱するか、はるかに長い延期を求めるか4月12日までに決断するようメイ首相に提案した。首脳らの決定は、7日後に合意なき離脱となる差し迫った脅威を取り除き、自らの離脱案への支持を議会に働き掛ける時間的余裕を首相に与える。これまで2回にわたり大差で否決された離脱案が下院で可決された場合、英国は一連の手続き完了のために5月22日までEUに残留することが認められる。離脱案が議会を通過しない場合には、恐らく年末までより長期の離脱延期を要請するか、合意がないまま離脱するかメイ首相は決断を迫られる。

 

企業は英国の合意なき離脱に対して準備を進める

英中銀は、EU離脱の期日が来週に迫るなか、大部分の英企業はEUと条件などで合意しないままに離脱する事態に十分準備ができていると回答したことを明らかにした。約300社の企業を対象に実施した調査結果を公表、約80%の企業が合意なき離脱、もしくは移行期間なしの離脱に対し『準備できている』と回答したという。この割合は1月時点の50%から大きく上昇している。

 

FOMCの結果は予想以上のハト派

米FRBは19-20日に開催した米FOMCで、景気鈍化を理由に今年2会合連続で利上げ見送りを決定した。また、見通しでは、成長やインフレ、金利予想を下方修正した。本年の利上げも前回12月の2回予想から0回に引き下げた。『FRBが市場の知らない経済にネガティブな情報を持っているのではないか』と、市場は疑念を強めた。FRBは景気判断も『成長ペースは堅調なペースで拡大』から『成長は減速』、雇用の伸びは
『強かった』から『堅調』、消費は『引き続き強く伸びている』から『伸びが弱まった』にそれぞれ下方修正。注目のバランスシートの解消も、5月から解消ペースを減速し、市場の予想より早く9月末に停止する計画を発表した。市場は12月末の停止を予想していた。 パウエル米FRB議長は米国経済のファンダメンタルズは依然強く、労働市場も強いが、世界経済の成長減速が成長を抑制し。景気は弱まったと指摘した。金利は中立水準にあるほか、現状で金利を修正する必要はないと、次回の金利修正に向けて辛抱強く様子見姿勢を維持する方針を再確認した。FOMCの予想以上のハト派姿勢を受け、ドル売りが一時加速した。しかし、他国の中央銀行もハト派姿勢を示しており、ドルの下値も限定的となっている。

 

米国市場では2月中古住宅販売件数が公表

1月実績は年率換算で494万戸、前月比▲1.2%で500万戸の大台を下回った。販売価格(中央値)は24万7500ドルで、前年同月比+2.8%となった。住宅ローン金利の上昇が販売状況に影響を与えている。2月については500万戸の大台を回復する見込みだが、大幅な増加は期待しにくい。

 

欧米イベント

○17:15   3月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値(予想:51.5)
○17:15   3月仏サービス部門PMI速報値(予想:50.7)
○17:15   デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○17:30   3月独製造業PMI速報値(予想:48.0)
○17:30   3月独サービス部門PMI速報値(予想:54.8)
○18:00   3月ユーロ圏製造業PMI速報値(予想:49.5)
○18:00   3月ユーロ圏サービス部門PMI速報値(予想:52.7)
○18:00   1月ユーロ圏経常収支(季節調整済/季節調整前)
○19:30   ロシア中銀、政策金利発表(予想:7.75%で据え置き)
○21:30   1月カナダ小売売上高(予想:前月比0.4%/自動車を除く前月比0.2%)
○21:30   2月カナダCPI(予想:前月比0.6%/前年比1.4%)
○22:45   3月米製造業PMI速報値(予想:53.6)
○22:45   3月米サービス部門PMI速報値(予想:56.0)
○22:45   3月米総合PMI速報値
○23:00   2月米中古住宅販売件数(予想:前月比2.2%/年率換算510万件)
○23:00   1月米卸売売上高
○23:00   1月米卸売在庫(予想:前月比0.2%)
○23日03:00   2月米月次財政収支(予想:2270億ドルの赤字)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

カテゴリー

カレンダー

4月 2024
« 1月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ページの先頭へ