FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:国内政局不安和らぎ買い優勢

前日の米国株式市場が大幅高となった流れを引き継いだ。佐川前国税庁長官が証人喚問で『書き換え、官房や鑑定からの指示はない』と発言した。政局不安が和らいだとの見方から上げ幅を拡大した。また、3月決算期末の配当権利付き最終売買日で、機関投資家による配当再投資の買いも相場を押し上げた。結局、前日比551円高の2万1317円と続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:為替市場全般に値動きの乏しい展開に終始

ドル/円は、米中貿易摩擦に対する過度な懸念が後退する中でドル買い・円売りが進み、105.75円近辺まで上げた。日経平均株価が大幅続伸となったこともあり、リスク選好の円売りを誘った。しかし、英国で起きたロシア元情報機関員の暗殺未遂事件で、米欧各国とロシアの対立がっ激化することから、上値では利食いも見られた。午後になると105.60円台を中心とした狭いレンジで取引された。ユーロ/ドルは、1.24ドル台半ばで小幅な値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

ラガルトIMF専務理事がユーロ圏加盟に提案

ラガルトIMF専務理事は、世界経済の上向きの動きは持続しており、多くの国・地域で同時に起きていると指摘した。『ただ、ポピュリズムの台頭や短絡的な保護主義の動きなど、逆風も強まりつつある』として懸念を示した。ユーロ圏については、次の景気低迷に備えるため、先進的な資本市場同盟、銀行同盟の改善、財政面の統合推進を目指すべきと主張した。専務理事はその一環として『レイニーデー(緊急事態)ファンド』の創設を提案した。これは、ユーロ圏の加盟国が好況時には毎年一定の資金を同基金に拠出し、不況時には資金を引き出せる仕組み。経済が急激に悪化した場合には、同基金から資金を借入れ、景気が回復した際に資金拠出によって借入れ分を返済することも可能とする。

 

米中貿易戦争懸念が和らぐことに

中国の李克強首相は『米中、交渉を継続すべきだ』とし、貿易戦争を回避するために、米国ビジネスへの中国へのアクセスをより容易にする公約を繰り返した。また、英国のフィナンシャルタイムズ紙は、対米の貿易黒字を縮小させるため、中国が米国のセミコンダクター製品の購入する準備があると報じた。報道によると、米国政府は中国政府宛ての書簡で、米国の自動車への関税を削除するかわりに米国のセミコンダクター商品の購入を加えて、米国企業の中国金融セクターへのアクセスを拡大するよう要請した。また、米国のムニューシン財務長官は週末、FOXニュースとのインタビューで、『関税は最初のステップ』であり、『最終的には他国との合意にとどまる可能性もある』としたほか、中国との交渉も順調に進んでおり、『建設的な対話をしている』とし注意深く楽観的とした。

 

米国市場では3月CB消費者信頼感指数が公表

2月実績は130.8となり、市場予想の126.6を上回った。コンファレンス・ボード(CB)は『労働市場への自信がけん引となり、現在の景況感は改善した。株式市場は動揺しているが、消費者は事業環境、労働市場、家計の先行きに楽観的』と指摘している。3月については労働市場の改善が続いていることや株式市場がやや安定していることから、2月実績を上回る見込みとなっている。

 

欧米イベント

○15:00   2月独輸入物価指数(予想:前月比▲0.3%/前年比▲0.3%)
○17:00   2月ユーロ圏マネーサプライM3(予想:前年比4.6%)
○18:00   3月ユーロ圏消費者信頼感指数(確定値、予想:0.1)
○18:00   ノボトニー・オーストリア中銀総裁、講演
○22:00   1月米ケース・シラー住宅価格指数(予想:前年比6.2%)
○23:00   3月米リッチモンド連銀製造業景気指数(予想:22)
○23:00   3月米消費者信頼感指数(予想:131.0)
○24:00   ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○28日02:00   米財務省、5年債(350億ドル)入札

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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