FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:米中の景気減速懸念が緩み買い優勢

米国市場ではアップルなどが買われたほか、東京市場でも電子部品株の上げが目立つなど成長期待が高かったハイテク関連株に再び資金が戻りつつある。米中で景気が急減速するとの警戒が緩む中、FRBが近くバランスシートを停止するうえ、人民銀行が景気対策として資金供給量を増やすことで、世界の主要中銀の試算合計値が増えれば、世界の株式市場が上昇するという『順相関』の強い関係が再び意識された。結局、前日比378円高の2万1503円と続投して終了した。

 

東京外国為替市場:心理的な節目では上値が重い展開

ドル/円は、本邦実需筋や日経平均株価の大幅高に支えられ、111.45円付近まで値を上げた。米長期金利が上昇したことも、ドル買いにつながった。ただ、心理的節目となる111.50円がに接近すると上昇も一服し、111.40円を挟んだもみ合いとなった。午後は、株価をにらみながら111.30円台を中心とした狭いレンジで取引された。今晩予定されている米2月消費者物価指数(CPI)や英議会でのEU離脱協定案採決を控えて、様子見ムードが強かった。ユーロ/ドルは、1.12ドル台半ばで小幅な値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

★日本企業に設備投資を控える動きが広がる

日本工作機械工業会が11日発表した2月の工作機械受注総額(速報)は、前年同月比29.3%減の1097億円となった。5カ月連続のマイナスで、2017年1月以来、約2年ぶりに1100億円を割り込んだ。米中貿易摩擦などを背景とした先行き不透明感から企業に設備投資を控える動きが広がっており、前年実績からの落ち込み幅は外需に加え、内需でも拡大している。 

 

★中国の景気動向が分かる新車販売台数

中国自動車工業協会が11日発表した2月の新車販売台数は、前年同月比13.8%減の148万2000台だった。前年実績を割り込んだのは8カ月連続で、2桁減は6カ月連続となった。景気減速や米中貿易摩擦に伴う購入意欲の低下が響いた。消費のけん引役だった自動車市場の低迷長期化で、中国経済の下押し圧力が一段と強まる可能性もある。

 

★日銀が14-15日に金融政策会合を開催:追加緩和の地ならしも

市場予想は現状維持ながら、景気・物価判断や総裁会見などで先行き緩和強化の地ならしがあるか否かが注目される。前週には内閣府の景気動向指数で景気後退入りの可能性が警戒され始めたほか、政府・与党は10月に消費税の増税を予定している。その中で日銀に対しては、景気下支えに向けた緩和強化の圧力が高まりやすい。しかも日本市場では、4月後半から10連休が予定されている。連休中には円高仕掛け激化のリスクがあり、日銀については連休前4月24-25日の政策会合での『危機管理的な未然緩和強化』が焦点になっている。

 

★英国の合意なきEU離脱の懸念が後退

12日に予定されている英国議会による政府離脱修正案に関する採決を控えて、メイ首相はユンケル欧州委委員長と協議するためにフランス、ストラスバーグを訪問。市場関係者は何らかの合意の見通しがない限り、首相がフランスを訪問しユンケル委員長と会談することはないとの見方から、何らかの合意を期待したポンド買いが強まった。ドイツのメルケル首相はユンケル欧州委委員長が離脱に関して、英国に重要な提案をすると述べた。メイ首相は採決前に、演説を予定している。

 

★米国市場では2月消費者物価コア指数が公表

1月実績は、総合指数は前年比+1.6%、コア指数は同比+2.2%だった。住宅関連と衣料関連のコスト上昇が寄与した。2月については、住宅関連費の上昇が続いていることや、一部衣料品価格の上昇が予想されてり、全体の物価上昇率は1月実績と同水準となる可能性がある。

 

★欧米イベント

○17:30   2月スウェーデンCPI(予想:前月比0.8%/前年比2.0%)
        コア指数(予想:前月比0.7%/前年比2.0%)
○18:30   1月英商品貿易収支/英貿易収支(予想:122億ポンドの赤字/35億ポンドの赤字)
○18:30   1月英鉱工業生産指数(予想:前月比0.2%/前年比▲1.3%)
      製造業生産高(予想:前月比0.2%)
○18:30   1月英国内総生産(GDP、予想:前月比0.2%)
○19:45   ラウテンシュレーガー欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○21:00   1月インド鉱工業生産(予想:前年同月比2.0%)
○21:00   2月ブラジルIBGE消費者物価指数(IPCA、予想:前月比0.38%)
○21:30   2月米消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.2%/前年比1.6%)
        エネルギーと食品を除くコア指数(予想:前月比0.2%/前年比2.2%)
○21:45   ブレイナード米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○13日02:00   米財務省、10年債入札
○英議会が欧州連合(EU)離脱協定案を採決
○EU財務相理事会(ブリュッセル)

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