★日経平均株価:連日の下げで値ごろ感からの買い戻しが優勢
世界景気減速懸念に売りが優勢となり、一時下げ幅を87円まで広げた。ただ、前週末までの下げで自律反発期待と値ごろ感が意識され買い戻しが優勢となった。また、上海・香港株が上昇する場面で一時上げ幅を100円超に広げた。結局、前週末比99円高の2万11125円と5日ぶりに反発して終了した。
★東京外国為替市場:株価が上昇したことで111円台前半でもみ合い
ドル/円は、世界経済の減速懸念からドル売り・円買いが先行し、110.86円近辺まで下落した。日経平均株価がプラス圏から一時マイナス圏へ転じたことも、円買いを誘った。しかし、8日の米雇用発表後につけた安値110.75円が視野に入りすると、下げは一服した。その後は日経平均株価の持ち直しや上海総合株価指数の上昇をながめてショートカバーが入り111.10円台へ切り返した。午後は、株価を睨みながら110.10円台でのもみ合い相場となった。今晩発表される米1月小売売上高を控えて様子見ムードが強く、積極的な売り買いは目立たなかった。ユーロ/ドルは、夕方から参入してくる欧州勢待ちの様相となっており、1.130-35ドル近辺でこう着相場となった。
★次は日米通商協議でドル/円の上値を抑える可能性も
米中通商協議は、27日頃に予定されている米中首脳会談での最終合意に向けてビデオ会議で継続されており、関連報道に警戒していく展開となる。日米通商協議関連では、ライトハイザー米中通商代表部(USTR)代表は3月中の開催予定となっている。茂木経済財政相は4月の開催を望んでおり、自動車関税や為替条項への警戒感がドル/円の上値を抑える可能性が高い。トランプ大統領は、2018年の対日貿易赤字676億ドルが大き過ぎるとフマンを表明し、退嬰投資の拡大を要求している。
★3月末の日月例経済報告に注目:下方修正なら追加緩和の可能性も
月例経済報告は、日本政府が毎月、景気に関する政府の公式見解を示す報告書であり、内閣府が景気動向指数に基づいて取りまとめ、経済財政政策担当大臣が関係閣僚会議で原案を提出し、了承を経て公表される。経済全般が総括的に評価されるが、2012年以降、景気の基調判断が『下方修正』された4回の後、黒田日銀総裁が金融緩和政策を実施している。3月末に公表される月例経済報告で景気判断が下方修正された場合、黒田バズーカ第5弾の可能性が高まることになる。
★10-12月期の豪州経済の落ち込み激しく利下げの可能性も
豪準備銀行(RBA)は数カ月前までは『次の政策変更は利下げよりも利上げ』と発言していたが、180ドル方向転換しなくてはいけない状態に落ちいっている。すでに豪大手金融機関、豪大手生命保険会社、米大手金融機関などが今年2回の利下げ予想を発表している。経済指標では、10-12月期の落ち込みが激しく国内総生産(GDP)計算の元となる小売売上高は+0.1%(予想+0.5%)、賃金指数は結果+0.5%(予想+0.6%)、建設工事完工高は+0.1%(予想+0.5%)、賃金指数は結果▲3.1%(予想+0.5%)、民間設備投資は+2.0%(予想+1.0%)、企業在庫は▲0.2%(予想+0.3%)となり、民間の設備投資以外は全て市場の期待を裏切るものとなった。豪州では、住宅市場の問題もあり、シドニーとメルボルンの大都市圏で住宅か買うは急速に値下がりしており、シドニーにいたっては年間で2桁の下げ幅を見せている。この下げ幅は1980年代前半のリセッション以来になる。また、中銀関係者は住宅取得能力の低下で次世代が住宅を購入できないことや、住宅ローンを返せない債務者の拡大が懸念される。
★英国はEU離脱をめぐって正念場の週
メイ首相は政府の離脱案が12日議会で否決された場合、13日の議会で『合意なき離脱』の是非を問い、そこで『合意なき離脱』の回避が求められた場合には14日に『6月末を限度とする離脱の延期』を採決するとし、議会で承認された。もちろん、離脱を延期するにはEUの承認が必要だが、英国内では来週に『離脱案の承認』、『合意なき離脱』、『短期間の離脱延期』のいずれかが決定される。現状を踏まえれば『離脱延期』が議会で承認される可能性が高い。もっとも3月29日の離脱日がすぐ目の前に迫っており、何らかの方針を決めなければならない。2016年6月の国民投票から2年8ヵ月も経っており、『結局今まで何をやってきたの』と誰もが文句を言いたくなるが、不透明感は未だに払拭されていない。『6月末までの離脱延期』が決まっても国境問題が解決するかは見通せない。離脱を延期しても、難題のアイルランド国境問題をめぐって解決の目処が立たなければ、再び『合意なき離脱』への懸念が高まる可能性がある。一方で、2度目の国民投票を求める動きが強まる可能性もある。2月下旬に最大野党・労働党のコービン党首は党として、2度目の国民投票の実施を支持しると初めて明言した。
★米国市場では1月小売売上高が公表される
12月実績は前月比▲1.2%で減少率は過去9年で最大となった。金融市場の混乱や世辞不期間の一部併催が影響した。1月については、健康・パーソナルケア、スポーツ、趣味用品などの項目の売上高やオンライン販売の増加が予想されているが、反動増の域を出ないと見られており、前月比で小幅な増加にとどまる見込みとなっている。
★欧米イベント
○16:00 1月独鉱工業生産(予想:前月比0.5%/前年同月比▲3.4%)
○16:00 1月独貿易収支(予想:152億ユーロの黒字)
○16:00 1月独経常収支(予想:179億ユーロの黒字)
○16:00 2月ノルウェー消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.7%/前年比2.8%)
○16:00 10-12月期トルコ国内総生産(GDP、予想:前年比▲2.7%)
○16:00 1月トルコ経常収支(予想:8.3億ドルの赤字)
○21:30 1月米小売売上高(予想:前月比▲0.1%/自動車を除く前月比0.2%)
○22:00 ハスケル英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○23:00 12月米企業在庫(予想:前月比0.6%)
○12日02:00 米財務省、3年債入札
○ユーロ圏財務相会合(ブリュッセル)
○米国は10日から夏時間に移行済み
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