FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:中国政府の経済成長目標引き下げを嫌気

前日のNYダウが13ドル安の小幅続落となったことを受けて売りが先行した。中国政府の経済成長目標引き下げが投資家心理の悪化につながり先物に継続的な売りが出て、一時下げ幅を170円に広げた。また、値がさ株に金融機関の利益確定類が続いていることも相場の重石となった。結局、前日比129円安の2万1596円と続落で終了した。

 

東京外国為替市場:リスク回避のドル高・円高の展開

ドル/円は、日経平均株価の続落や米長期金利の低下をながめて持ち高調整などのドル売り・円買いに押され111.72円近辺まで下落した。前日にボンペオ米国務長官が『トランプ米大統領は、対中貿易協議の内容が完璧でなければ合意しない』と発言したことも、リスク回避の円買いにつながった。ただ、4日につけた安値111.64円が下値の目処として意識されると下げは一服した。午後は、日経平均株価や上海総合株価指数をにらみながら111.80円前後でもみ合う展開となった。ユーロ/ドルは、明日のECB理事会に対する警戒感から持ち高調整などのユーロ売り・ドル買いが入り、約2週間ぶりの安値圏となる1.1295ドル前後でもみ合う展開となった。

 

ドル/トルコリラの再暴落をカナダ系証券が予想

ドル/トルコリラは、昨年8月に記録した7.23リラ台のドル高・リラ安水準から11月末には5.13リラまでリラの買い戻しが強まった。もっとも心理的節目5リラには届かず、ここ最近は米金利上昇のあおりを受けて5.3-5.4リラ台でドルが底堅い動きとなった。
 昨夏に比べれば比較的落ち着いた動きとなっているトルコリラだが、先週、リラの再暴落を予想したレポートをカナダ系の証券会社が発表した。TD(トロント・ドミニオン)証券は、この秋までにトルコリラがドルに対して約40%下落し、8.90リラのリラ史上最安値までリラ売りが進むと予想している。現在の落ち着きは一時的なものとした。

 

英国のEU離脱協議の決断の時が迫る

協議期限まで25日を切った英国では、“離脱なし”を恐れる強硬離脱派に態度軟化の兆しがみられる一方で、英EU間のバックストップ見直し協議が強硬離脱派の意図する方向から乖離し始めている。 12日までにバックストップの時限性を法的に保証する方法で合意し、与野党の強硬離脱派がそれを受け入れるかは引き続き予断を許さない。議会を突破する道のりはある程度みえてきたが、それが来週になるのか、延長後になるのか、現時点では後者が有力となりつつある。

 

長引きそうな米債務上限の適用停止:今夏以降大騒ぎ?

2019年3月1日は、米国法定債務上限の適用停止期限だった。そのため3月4日からは、米国財務省は、資金調達のための米国債の発行は出来ず、2011年夏のようなデフォルト(債務不履行)懸念や米国債格下げショックの再現が警戒されていた。しかし、3月4日、ムニューシン米財務長官は、連邦政府の債務上限突破を回避するため、特別債務措置を発動したと表明した。米国財務省は、連邦職員の退職年金制度と障害者基金への投資を保留することで、3月4日から『債券発行停止期間』に入り、6月5日まで政府証券の支払いなどの資金繰りが可能となった。そして、民主党が多数派を占める米下院に対して、出来る限り早急に債務上限を引き上げて、米国への十分な信頼と信用を守るように要請した。しかしながら、トランプ米政権と下院民主党は、トランプ米大統領の国家非常事態宣言によるメキシコ国境の壁建設費用の流用やロシアゲート疑惑を巡って対立が激化しており、債務上限が引き上げられる可能性は限りなく低くなっている。債務上限を管轄しているグラスリー米上院財政委員長は、『議会は恐らく連邦債務の法定上限を少なくとも今夏まで引き上げないだろうし、10月1日まで上げないこともあり得る』と述べている。
 

米国市場では12月貿易収支が公表

11月実績は▲493億ドルの赤字となった。携帯電話端末と石油製品の輸入が減少したことによって貿易赤字は縮小した。ただし、12月の前渡し商品貿易収支は▲795億ドルで赤字幅は11月の705億ドルから大幅に拡大しており、サービスを含めた12月の貿易収支は500億ドルを大幅に上回る赤字となる可能性がある。

 

欧米イベント

○20:00   トルコ中銀、政策金利発表(予想:24.00%で据え置き)
○未定   ポーランド中銀、政策金利発表(予想:1.50%で据え置き)
○21:00   MBA住宅ローン申請指数
○21:15   カンリフ・イングランド銀行(BOE)副総裁、講演
○22:15   2月ADP全米雇用報告(予想:18.9万人)
○22:30   12月カナダ貿易収支(予想:28億カナダドルの赤字)
○22:30   10-12月期カナダ労働生産性指数(予想:前期比▲0.3%)
○22:30   12月米貿易収支(予想:579億ドルの赤字)
○24:00   カナダ銀行(BOC、中央銀行)、政策金利発表(予想:1.75%で据え置き)
○24:00   2月カナダIvey購買部協会景気指数
○7日00:30   EIA週間在庫統計
○7日02:00   ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、講演
○7日02:00   メスター米クリーブランド連銀総裁、講演
○7日02:30   サンダース英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○7日04:00   米地区連銀経済報告(ベージュブック)
○6-7日   2月ロシアCPI(予想:前月比0.4%)
○米欧貿易相会談(ワシントン)

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