FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:米中貿易摩擦解消による期待から買い優勢

ブルームバーグが1日までに早ければ3月半ばに米中首脳会談を開催して貿易協議で合意する可能性があると報じた。前週末のNYダウ110ドル高の反発を好感した動きとなった。米中貿易摩擦解消による世界経済減速懸念の後退に景気敏感株を中心に買われた。結局、前日比219円高の2万1822円と反発して終了した。

 

東京外国為替市場:112円台を意識するも上値の重い展開

ドル/円は、国内輸入企業のドル買い・円売りや日経平均株価の続伸に支えられ、112.01円まで小幅に値を上げた。一部米メディアが『米国が中国に課している追加関税の大半を撤廃することを検討』と報じたことも、リスク選好の円売りを誘った。ただ、1日にNY市場で付けた約2ヵ月ぶりの高値112.08円に接近すると、上げは一服した。その後は、週末にトランプ大統領がドル高をけん制したことが意識され、111.95円を挟んでもみ合う展開となった。午後も111.95円を挟んだもみ合い相場が続いた。明日から始まる中国全国人民代表大会を控えて様子見ムードが強く、上下に動きにくい展開となった。ユーロ/ドルは、1.1365ドル前後で方向感に乏しい値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

英国の離脱日延期は延命に過ぎず:ポンド買いも限定的

足もとでは英国の『合意なきEU離脱』回避の期待が高まったことを背景に、ポンド買いが優勢となっている。しかし、仮に3月29日の離脱日の延期が決定されたとしても、その後EUとの協議がまとまる保証はなく、ポンドの買い戻しも一段落する可能性が高い。延期は一時的な延命に過ぎず、数ヵ月後には再び『合意なき離脱』の危機に直面する可能性があり、上値を追う展開にはなりくい。英国が離脱の延期を決めても、EU27加盟国の首脳が同意する必要があり、離脱の延期が認められるかどうかが判明するのは21日に予定されているEU首脳会議になる。EUは基本的に離脱の延期には応じる姿勢を示しており、英国が離脱を要請すれば承認される可能性が高い。

 

イタリアの2018年の成長率は政府予想を下回る

イタリア国家統計局が発表した2018年の国内総生産(GDP)は0.9%増となった。政府の直近の予想は1.0%増だった。17年は1.5%増から1.6%増に上方修正された。イタリアは、18年の第3四半期と第4四半期がともに前期比マイナス成長で景気後退に突入した。国家統計局によると、18年は、17年よりも就業日が3日多く、それが成長率を少なくとも0.1%押し上げた。18年の財政赤字はGDP比2.10%で、EUが定める上限の3%を大きく下回り、07年以来の低水準だった17年2.4%から低下したが政府目標の1.9%は上回った。政府は今年の財政赤字をGDP比2.0%にする目標を揚げているが、不況による税収減少で達成が危ぶまれている。

 

米中通商合意の決着に期待高まる

米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが3日に『米中は通商合意の決着に近づいている』と報道したことを受けてリスク選好の動きとなっている。同紙は、米中両国が追加関税の引き下げも含めて貿易協議を進めていると報じた。トランプ米大統領は1日のツイッターで、中国には米農産物へのすべての関税を撤廃するように求めたと明らかにした。ウォール・ストリート・ジャーナルは、中国が農産品や化学品など2018年に課した報復関税を取り下げることを提案しているとし、米国側も中国の構造問題を巡る協議が進展した場合、対中制裁関税の一部か全部を取り下げることを検討していると報じた。また、米中首脳会談が3月27日前後に開かれる可能性があると伝えている。トランプ米大統領は3月中に習近平・中国国家主席と会って決着を目指す方針で、首脳会談に向けて水面下で駆け引きが続いている。 

 

3月1日米国債務上限の適用停止期限

トランプ政権と米民主党は今後、債務上限の引き上げを巡って協議が難航することが予想される。2019年会計年度(18年10月-19年9月)の財政赤字が1兆ドルを超える可能性が高まっている。債務残高が22兆ドルを超えており、債務上限の引き上げ協議も難航しているため、1月の米財政収支で財政赤字が拡大していた場合は、ドル売り要因となりやすい。

 

欧米イベント

○16:00   2月トルコ消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.40%/前年比19.90%)
○18:30   2月英建設業購買担当者景気指数(PMI、予想:50.5)
○19:00   1月ユーロ圏卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.3%/前年比2.9%)
○24:00   12月米建設支出(予想:前月比0.2%)
○インド(シバ神生誕日)、ブラジル(カーニバル)、休場

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