FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:円安が好感され上げ幅拡大

米長期金利上昇を背景に1ドル=111円台後半への円安を受け輸出関連中心に買いが先行した。また、18年10-12月期の法人企業統計の設備投資額が増加したことを受け、機械関連株にも物色が広がり上げ幅は200円を超えた。結局、前日比217円高の2万1602円と反発して終了した。

 

東京外国為替市場:中国の経済指標が予想を上回りリスク選好の円売り

ドル/円は、国内輸入企業などのドル買い・円売りや日経平均株価の反発に支えられて111.76円近辺まで上昇した。およそ2ヵ月ぶりの高値を付けた。財新・マークイットが発表した2月中国製造業PMIが、市場予想を上回ったことも、リスク選好の円売りを誘った。午後は、急速な上昇に対する警戒感から利食い売りなどに押されて111.65円近辺へ小緩んだ。ただ、今晩発表される米2月ISM製造業景況感指数を見極めたいとの雰囲気から下値を追う動きは限られ、111.70円を挟んでもみ合う展開となった。ユーロ/ドルは、1.1370ドル前後で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

欧州市場では2月ユーロ圏消費者物価指数が公表

1月実績は前年比+1.4%だった。ユーロ圏の成長減速によるインフレ鈍化の可能性は高まっていないとみられている。2月については、エネルギー価格の下落は一服しつつあるものの、需要増の兆候は確認されていないことから、物価上昇率は1月実績と同水準にとどまる可能性がある。

 

英国のEUからの合意なき離脱は後退

 メイ首相は3月12日までに議会が修正後の合意案を受け入れなければ、13日に合意なき離脱の是非を問う採決、14日に協議期限延長の是非を問う採決の実施を約束。議会は27日、こうした政府方針を賛成多数で可決した。 これにより合意なき離脱の確率は後退した。協議期限延長という逃げ道があるなかで、必要な妥協のタイミングが先送りされる可能性がある。ただ、ひとまず離脱を確定したい強硬離脱派に名誉ある撤退の動きも散見されている。そのため、合意に向けた条件は整いつつある。

 

2018年の米国経済は13年ぶりの高成長

米商務省が発表した10-12月期国内総生産(GDP)速報値は前期比年率+2.6%となった。伸びは7-9月期+3.4%から鈍化したものの、予想+2.2%を上回った。内容で消費が+2.8%、企業の設備投資も+6.2%で、2016年末以来の低い伸びにとどまった前四半期の+2.5%から回復、長期的な成長が期待されている。対中貿易摩擦の激化で、米国政府が対中輸入品に賦課する関税を引き上げる可能性に備えて、企業は在庫の積み上げを加速させた結果、在庫が増えた。 2018年通年のGDPは+3.1%と、2005年以降13年ぶり最大の伸びを記録した。また、トランプ政権の目標である3%成長を上回った。FRBのパウエル議長も2018年の経済が3%を小幅下回る2.9%を予想しているとしていたが、議長の見通しも上回った。2018年の米国経済の成長はトランプ政権による1.5兆ドル規模の税制改革、財政支出拡大などの経済政策が奏功した。2019年経済は、こういった効果が薄れるため、成長ペースは鈍化が予想されている。市場のエコノミストやFOMCメンバーは2019年の成長が2%を小幅上回る成長にとどまると見ている。
今後、数四半期は膨大な在庫の処理がすすむため成長を抑制する可能性が指摘されている。過剰に積み上げられた分を処理することを見込むと、2019年の第1四半期のGDPの成長率が2%に減速する可能性が強い。

 

米国では2月ISM製造業景況指数が公表

1月実績は56.6に上昇した。新規受注と生産が上昇したことが要因となった。2月については生産の水準は維持される見込みだが、新規受注のさらなる上昇は期待出来ないことから、全体的には1月実績に近い水準となる可能性がある。エネルギー価格は下げ止まっており、原材料コストの低下は一服していることから、仕入れ価格指数はやや上昇するとみられる。

 

欧米イベント

○16:00   1月独小売売上高指数(予想:前月比2.0%/前年比1.2%)
○16:00   2月トルコ製造業購買担当者景気指数(PMI)
○16:30   1月スイス小売売上高(予想:前年同月比0.4%)
○16:45   1月仏財政収支
○17:30   2月スイスSVME購買部協会景気指数(予想:53.5)
○17:50   2月仏製造業PMI改定値(予想:51.4)
○17:55   2月独製造業PMI改定値(予想:47.6)
○17:55   2月独雇用統計(予想:失業率5.0%/失業者数変化▲0.5万人)
○18:00   2月ユーロ圏製造業PMI改定値(予想:49.2)
○18:00   2月ノルウェー失業率(予想:2.5%)
○18:30   1月英消費者信用残高(予想:8億ポンド)
○18:30   1月英マネーサプライM4
○18:30   2月英製造業PMI(予想:52.0)
○19:00   1月ユーロ圏失業率(予想:7.9%)
○19:00   2月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値(予想:前年比1.5%)
○19:00   2月ユーロ圏HICPコア速報値(予想:前年比1.1%)
○22:30   12月カナダ国内総生産(GDP、予想:前月比横ばい%/前年比1.4%)
       10-12月期カナダGDP(予想:前期比1.2%)
○22:30   12月米個人消費支出(PCE、予想:前月比▲0.2%)
       1月米個人所得(予想:前月比0.3%)
       12月米PCEデフレーター(予想:前年比1.7%)
       12月米PCEコアデフレーター(予想:前月比0.2%/前年比1.9%)
○23:45   2月米製造業PMI改定値(予想:53.7)
○24:00   2月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数(予想:55.5)
○24:00   2月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値、予想:95.7)
○2日02:50   ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○2日03:00   2月ブラジル貿易収支(予想:30.00億ドルの黒字)
○米中貿易協議の期限

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