FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:利益確定売りや地政学リスクを意識した売り優勢

前日の米国株高や円安を好感して買いが先行した。しかし、相場の上値が重いとみた海外投資家が利益確定売りや3月決算期末を控えた国内金融機関等の戻り売りが入った。また、インド軍がパキスタンへ空爆報道を嫌気した売りが優勢となり売りが優勢となった。結局、前日比78円安の2万1449円と反落して終了した。

 

東京外国為替市場:ドル/円は111円台維持できず

ドル/円は、日経平均株価がプラス圏からマイナス圏へ転じたことや米長期金利の低下で調整色が強まり111円台を割り込んで110.75円まで下落した。月末に絡む国内輸出企業のドル売り・円買いも継続的に観測された。ただ、米中貿易交渉の行方を見極めたいとの雰囲気もあり、ドルの下げも一服した。午後は、日経平均株価や上海総合株価指数の動向をにらみながら110.80円を挟んだもみ合いが続いた。今晩予定されているパウエルFRB議長のの議会証言を控えて、上下に動き難い展開となっている。ユーロ/ドルは、1.1360ドル前後で方向感を欠いた値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

パウエル米FRB議長の議会証言に注目

米国市場では26-27日にパウエル米FRB議長が半期に1度の議会証言を行う。議長以外でもFRBメンバーの発言機会が相次ぐため、直近の米景気・物価判断や今後の金融政策に関する考え方などが注目される。すでにFRBに関しては、当座の利上げ停止やバランスシート縮小の年内終了などは織り込みが進捗してきた。微妙に利下げやバランスシート縮小の前倒し終了の地ならしが示唆されるとドル安になりやすい。反対に米中貿易協議の進展機運や米国株高などにより、当座の中立・様子見継続が強調されるとドル下支えの効果が注視さる。

 

27日のライトハイザー代表の議会証言に注目

前週末にはブルームバーグが、『トランプ米大統領とライトハイザー米通商代表部(USTR)代表との関係がぎくしゃくしている』と報じた。米中の合意は覚書の形になるとのライトハイザー氏の説明に対し、トランプ氏が『覚書は好きではない。何も意味しないからだ』と批判したことや、トランプ氏は中国との早期の合意成立を重要と見なし始めているのに対し、中国警戒の根強いライトハイザー氏がまだ成立させていないことなどで、『両氏の関係が悪化している』という。その報道後、トランプ氏は『ライトハイザー氏に感謝』と報道打ち消しのコメントを発した。それでも今週は27日にライトハイザー氏の議会証言が予定されており、通商強硬派の同氏を巡っては、①米中協議の早期妥結否定と強硬姿勢堅持によるリスク回避、②トランプ氏との対立深刻化と米通商政策の迷走によるリスク回避、③トランプ氏の不満に配慮した対中姿勢軟化とリスク選好、⑤同氏の影響力減退や先行き退任論の高まりによる日米貿易交渉などの難航懸念後退とリスク選好、といった影響が注目さる。

 

今後の米経済指標内容次第では米FRBの利上げも

12月、1月の米経済指標の低調な結果は、米国の政府機関閉鎖や米中貿易への不透明という特別要因で、一時的な兆候に留まる可能性もある。2月には政府機関の閉鎖が解除されたほか、米中貿易協議で進展が見られた。トランプ大統領は交渉期限を当初の1日から延長すると発表。対中輸入品への関税引き上げも延期された。2019年の米国経済の成長減速や2020年の景気後退への懸念が強まる中、貿易摩擦が解消し、従来の対中貿易協定に比べ米国経済に有利になるように内容が改善された場合、米国経済の成長を支援する可能性もある。アトランタ連銀のボスティック総裁はウォールストリートジャーナル紙とのインタビューで、経済が堅調で、縮小の兆候が見られない限り、依然緩やかな利上げの余地があるとの考えを示した。一方で、市場は年内の利上げを予想していない。

 

米国市場ではCB2月消費者信頼感指数が公表

1月実績は120.2で6.4ポイント低下した。株式市場の変動と一部政府機関の閉鎖によって短期見通しが悪化したことが要因となっている。2月については、政府機関の閉鎖が1月下旬に解除されていることや株式市場が安定しつつあることから、1月実績を上回る可能性が高い。

 

欧米イベント

○16:00   3月独消費者信頼感指数(Gfk調査、予想:10.8)
○16:45   2月仏消費者信頼感指数(予想:92)
○18:30   レーン・アイルランド中銀総裁、講演
○19:00   カーニー・イングランド銀行(BOE)総裁、ラムスデンBOE副総裁、ブリハ英中銀金融政策委員会(MPC)委員、ハスケルMPC委員、議会証言
○22:30   12月米住宅着工件数(予想:125.0万件、前月比▲0.2%)
        建設許可件数(予想:129.0万件、前月比▲2.6%)
○23:00   12月米住宅価格指数(予想:前月比0.4%)
       10-12月期米住宅価格指数
○23:00   12月米ケース・シラー住宅価格指数(予想:前年比4.5%)
○23:30   メルシュ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○24:00   2月米リッチモンド連銀製造業景気指数(予想:5)
○24:00   2月米消費者信頼感指数(予想:124.7)
○24:00   パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、米上院銀行委員会で証言
○27日01:00   ビスコ・イタリア中銀総裁、講演
○27日03:00   米財務省、7年債入札
○27日04:00   クーレECB理事、講演

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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