FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:NYダウ安や円高を嫌気した売り優勢

米景気減速懸念に前日NYダウが103ドル安したことや、ドル/円で円高傾向が強まったことで売りが先行した。米中貿易交渉期限60日延長観測があるものの、14-15日の閣僚級抗議の難航もあり、週末を控えた利益確定売りに押される展開となり、一時下げ幅を286円へ広げた。結局、前日比239円安の2万0900円と続落して終了した。

 

東京外国為替市場:株価下落でリスク回避の円買い優勢

ドル/円は、日経平均株価が200円超下落したことや中国物価統計の下振れで調整色が強まり、110.25円まで下落した。トランプ米大統領がメキシコ国境の壁建設費に向けて非常事態宣言する以降を示したため、与野党の対立が激化するとの警戒感が広がったことも、リスク回避の円買いを誘った。しかし、本日まで開催されている米中通商協議の行方を見極めたいとの雰囲気もあり下げ幅は一服した。午後は株価をにらみながら110.30円前後でもみ合い相場となった。ユーロ/ドルは、1.12ドル台後半で方向感に欠く値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

米中貿易協議の一旦の山場:米中貿易摩擦の影響は深刻

米中閣僚協議は14-15日で行われる予定となっている。また、習近平主席は米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表やムニューシン財務長官と本日に会談することが明らかになった。関係者の話によると、米国が求めている技術移転の強要や知的財産権などの構造改革をめぐっては依然として隔たりが大きい。また、中国側は国内産業への補助金制度を世界貿易機関(WTO)規則に準拠させ、市場に悪影響を与えるものについては廃止する方針を示したものの詳細は明らかにせず、米国側は懐疑的な見方を崩していない。一部報道によると、トランプ大統領は関税引き上げ期限を3月1日から60日間延長することを検討しているが、中国側は90日間の延長を求めていると伝わっている。協議進展への期待感は根強いが、結局は『協議は進んでいる』、『協議を続ける』と中途半端に終わる可能性も高い。中国では、米中貿易摩擦の影響は深刻で、1月CPIは2018年以来の低い水準となり、同PPIは7ヵ月連続鈍化し、2016年9月以来の低い伸びとなった。景気対策はしているものの、景気減速を背景とした所得減の懸念が消費の低迷を招き、原材料需要の弱まりや製造業の減速が続くなど内需の減少は止まっていない。

 

自然災害のリスクが高まる傾向

自然災害による2018年の経済損失は世界で2250億ドル(約25兆円)に上り、このうち2150億ドルは台風や洪水、干ばつなど異常気象を含む気象災害が原因だったとの報告書を米保険関連企業エーオンが14日までにまとめた。被害が大きかった災害として、西日本豪雨や西日本に上陸した台風21号なども挙げている。
地球温暖化が進むと台風の強大化のほか、高潮や洪水、熱波などの頻度が高まり、気象災害が多くなると考えられている。エーオンの調査でも気象災害の損失額は増加傾向で『リスクが増え続けている』と警告した。

 

9年ぶり最大の落ち込みとなった米12月小売売上高

米商務省が発表した12月小売売上高は前月比-1.2%と、予想外のマイナスに落ち込んだ。下落率は2009年9月以降9年ぶりで最大となった。変動の激しい自動車を除いた12月小売売上高は前月比-1.8%と2008年12月来で最大の下落となった。また、国内総生産(GDP)の算出に用いられる自動車・建材・給油・食品除いたコントロールグループと呼ばれるコアの指数は前月比-1.7%と、2001年9月以降17年ぶりで最悪となり、10-12月期のGDPに大きな影響を与える可能性が懸念される。

ただ、エコノミストの一部からは、個別企業のクリスマスシーズンの売り上げがさほど悪くなかったこと、マスターカードが集計する年末商戦が堅調だったこと、足もとの非農業部門雇用者数が大幅増加したことなどを考慮すると、データの信ぴょう性が低いとの声もあった。

 

米国市場ではミシガン大学消費者信頼感指数が公表

1月CB消費者信頼感指数は120.2で、12月から大幅に低下した。米政府機関の閉鎖が消費者の景況感を悪化させた。ただ、1月25日に政府機関の閉鎖は解除されており、株式市場は持ち直していることから、2月のミシガン大学消費者信頼感指数は1月実績の91.2を上回る可能性が高い。

 

欧米イベント

○16:00   11月トルコ失業率(予想:11.8%)
○18:30   1月英小売売上高指数(自動車燃料含む、予想:前月比0.2%/前年比3.4%)
      英小売売上高指数(自動車燃料除く、予想:前月比0.2%/前年比3.0%)
○19:00   12月ユーロ圏貿易収支(季調済、予想:157億ユーロの黒字)
      ユーロ圏貿易収支(季調前)
○22:00   クーレ欧州中央銀行(ECB)理事、講演
○22:30   12月対カナダ証券投資
○22:30   2月米ニューヨーク連銀製造業景気指数(予想:7.0)
○22:30   1月米輸入物価指数(予想:前月比▲0.1%)
○23:15   1月米鉱工業生産指数(予想:前月比0.1%)
       設備稼働率(予想:78.7%)
○23:55   ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○24:00   2月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値、予想:93.0)
○16日06:00   12月対米証券投資動向
○15-18日   1月ロシア鉱工業生産(予想:前年比1.3%)
○米中閣僚級貿易協議(北京、最終日)
○米つなぎ予算の期限

 

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