FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:2万1000円目前に足踏み

前日のNYダウが4日ぶりに小反落したことが嫌気された。また、心理的節目2万1000円を超えることが出来なかったことから、戻り買い一巡感にヘッジファンドなど海外短期筋が先物に売りを膨らませ、一時下げ幅を200円超に広げた。その後は押し目買いに下げ渋る展開となった。結局、前日比122円安の2万0751円と反落して終了した。

 

東京外国為替市場:110円付近では上値の重さが意識

ドル・円は、日経平均株価の下げ幅が一時200円を超えたことが嫌気され、109.72円まで下落した。米長期金利が低下したことも、ドルの押し下げにつながった。ただ、来週に北京で再開される米中通商協議に対する期待から下値を追う動きは限られた。午後は、米長期金利の持ち直しをながめてどるは買い戻され110円付近へじり高となった。しかし、110円台ではドル売りが厚く上値の重い展開となった。ユーロ/ドルは、1.1360ドル前後で大きな方向感は出なかった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

欧州市場では英国中央銀行金融政策委員会(MPC)を開催

英紙報道によると、英中央銀行チーフエコノンミスとのハルデーン理事は『英国経済の成長が続くならば中銀は緩やかな利上げを継続する公算が大きいが、景気の悪化には柔軟に対応する構えだ』と述べた。EUからの離脱協議は難航しており、経済見通しについては予断を持てない教教が続いていることから、英中央銀行は現行の金融政策を維持し、事態の進展を慎重に観察すると見られている。

 

混沌とする英国のEU離脱の行方

英紙テレグラフは6日、メイ首相が自身の欧州連合(EU)離脱案を巡る2回目の採決を2月末まで延期する準備をしていると報じた。報道によると、与党保守党のジュリアン・スミス院内幹事長が5日の閣議で、離脱案の再交渉が間に合わない見通しであるため、採決は来週には行われないとの見方を示した。一方、欧州連合(EU)のユンケル欧州委員長は6日、アイルランドのバラッカー首相とブリュッセルで会談し『(英国の)EU離脱協定案は最善で唯一実現可能なもので、再交渉しない』と確認する共同声明を発表した。7日のメイ英首相との会談を前に、改めてEU側の立場を明確にした。

 

中国から撤退する外資系企業を止められるか

昨秋9月発動の2000億ドル10%関税が撤廃されなければ、中国で4500万人もの雇用を創出する外資系企業がリスク分散やコスト削減でサプライチェーン(供給網)再編が進み、本国回帰や米国ないし東南アジアへ海外生産を移転、中国産業界に混乱が続く可能性がある。事実、すでに中国経済成長の牽引車である外資系企業の中国撤退となってサプライチェーンが地殻変動を起こしつつある。相次ぐ外資の中国撤退の背景に、①労働賃金の上昇、②不動産価格の高騰、③中国共産党による企業経営への介入、④高い法人税と厳しい規制、⑤消費市場の変化と過当競争、⑥米中「貿易戦争」による中国景気低迷などがある。つまり、もはや外資系企業にとって中国は魅力ある投資先でなくなった所に米中「貿易戦争」が中国生産の優位性「崩壊」にダメを押した。

 

11月貿易収支の結果はトランプ大統領の政策を正当化

米商務省が発表した昨年11月貿易収支は493億ドルの赤字となった。赤字幅は10月557憶ドルから予想以上に縮小し、6月以来で最小となった。輸入が2.9%減の2592憶ドルとなった一方で、輸出は0.6%減にとどまり2099億ドルだった。対中赤字も52億ドル縮小となった。2018年11月までの通年の対中貿易赤字は前年同期から10.8%増の3823憶ドルに達し、2番目に赤字幅が大きいメキシコの5倍以上となった。対中貿易赤字を目指すトランプ大統領の政策を正当化する結果となった。
11月の貿易赤字の予想以上の縮小を受けて、国内総生産(GDP)におけるネットの輸出のマイナス寄与度が‐0.52%ポイントから‐0.23%ポイントに改善された。アトランタ連銀は10-12月期国内総生産(GDP)予想を+2.73%と、従来の+2.4%から引き上げた。米商務省は28日に、10-12月期国内総生産(GDP)の速報値を発表する。

 

欧米市場イベント

○15:15   インド中銀、金融政策決定会合(予想:6.50%で据え置き)
○16:00   12月独鉱工業生産(予想:前月比0.7%/前年同月比▲3.4%)
○16:45   12月仏貿易収支(予想:40億ユーロの赤字)
○16:45   12月仏経常収支
21:00   英中銀金融政策委員会(MPC)2日目、終了後政策金利発表(予想:0.75%で据え置き、資産買取プログラムは4350億ポンドで維持)
○21:00   MPC議事要旨
○21:00   英中銀イングランド銀行(BOE)、四半期ごとの物価報告(インフレリポート)
○21:15   メルシュ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○21:30   カーニーBOE総裁、記者会見
○22:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:22.1万件/172万人)
○23:00   1月メキシコ消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.20%)
○23:15   カプラン米ダラス連銀総裁、講演
○23:30   クラリダFRB副議長、講演
○8日03:00   米財務省、30年債入札
○8日04:00   メキシコ中銀、政策金利発表(予想:8.25%で据え置き)
○8日05:00   12月米消費者信用残高(予想:170億ドル)
○香港、中国(旧正月)、休場
○メイ英首相がユンケル欧州委員長と会談(ブリュッセル)

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