FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:利益確定売りに上げ幅縮小

前日のNYダウが172ドル高と3日続伸したことを好感して海運や鉄鋼、化学など景気敏感株が買われた。公的年金など海外長期マネーの買いに加え訪日外国人連想買いも入り一時上げ幅を100円超へ広がったが、利益確定売りに押された。結局、前日比29円だかの2万0874円と続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:メキシコ国境の壁建設問題で再び政府機関の閉鎖懸念

ドル/円はトランプ大統領が一般教書演説を行い、メキシコ国境の壁建設に向けた決意を改めて表明した。与野党の対立が続き、一部政府機関が再び閉鎖されるとの警戒感から、ドル/円はポジション調整などのドル売り・円買いに押されて109.63円近辺まで下落した。また、豪準備銀行(RBA)ロウ総裁のハト派的な発言を受けた豪ドル/円の急落が波及した面もあった。しかし、このところ発表されている米経済指標の改善で、米景気先行き懸念が和らいでいることからドルの下値も限定的だった。午後は、日経平均株価の動向をにらみながら109.80円前後でもみ合い展開となった。ユーロ/ドルは、1.1400ドル近辺での小動きが続いた。欧州勢待ちの様相となっている。

 

ロウRBA総裁発言で豪ドル売り加速

ロウRBA(豪州中央銀行)総裁が『政策金利に対する見通しはより均衡している』と発言した。これまで『次の政策変更は金利引き上げ』との見解を示していただけに、豪ドル売りが強まる展開となった。昨日のRBAでは『声明文に何も変更がなかった』との理由から、豪ドル買いとなっていたが、本日は一転して豪ドル売りとなった。

 

3月末にかけてのドル売り・円買い需要の規模は減少するか?

ドル/円は、1月3日に109円台から104円台に急落するフラッシュ・クラッシュに見舞われた。1月3日の急落は『今年のドル安・円高混乱を先取りした予兆シグナル』として注目が集まっている。過去実績として1月の年明けからドル安・円高が激化すると、日本企業による3月の年度末決算対策での混乱を招いてきた。少しでも為替差損を軽減させるため、狼狽的な海外収益の円転や輸出ドル売り手当て、米国債処分、為替ヘッジ対応などが活発化した。ドル売り下がりやドル戻り売りの圧力が累増し、3月の年度末にかけて、ドル安・円高のモメンタムが増幅されるパターンが繰り返されている。
今年の場合、3月期末に向けて需給ドル安・円高が強まる時期でも、2月上旬時点であっさりと1月のドル高値110.01円前後を上抜ける場面が見られている。
過去にドル/円の年度末相場で1月ドル高値を2月高値が上回った場合、3月末にかけての季節的なドル売り・円転需要の相対的な規模減少が示唆されてきた。

 

米国債発行増加はドル安かドル高か?

米国債市場では今週、5-7日に米財務省が入札を実施する。米財務省は1月30日に2月実施の四半期・米国債入札に関して、長期債の発行額を840億ドルと過去最高水準に引き上げた。3カ月前時から10億ドルの増加となっている。入札にかけては需給悪化懸念が米国債金利の上昇(債券価格は下落)となってドルを下支えする一方、実際の入札で根強い需要が確認されると、米国債金利低下とドル安の材料となり得る。米国での国債発行増は、米財政赤字の拡大などによるドル安要因となるものだ。その一方で、過去実績では、1)米国債需給の悪化などによる米債金利の下げ渋りや上昇、2)国債増発と裏表の歳出増加による米国景気の下支え効果、3)米財務省による米国債ファイナンスの優先度上昇と外国マネーの取り込み重視(過去には日本の当局によるドル買い介入=米国債購入の黙認ケースも)、4)国債増発に付随した海外からのドル買い需要増加や、米政府のドル安誘導自粛、などを通じて、ドルの下支えやドル高につながるパターンが目立っている。

 

 

米国市場では11月貿易収支が公表

10月実績は▲554.88億ドルと赤字幅は拡大した。財・サービスの輸出は伸び悩んだが、消費財の輸入額が増加し、赤字幅は拡大した。10月の対中貿易赤字額は+7.1%、431.02億ドルと金額ベースで過去最高値水準となった。11月については、財・サービスの輸出が引き続き伸び悩むと予想されており、赤字額は10月実績に近い水準なる可能性がある。

 

欧米イベント

○16:00   12月独製造業新規受注(予想:前月比0.3%/前年同月比▲6.7%)
○未定   ポーランド中銀、政策金利発表(予想:1.50%で据え置き)
○21:00   MBA住宅ローン申請指数
○22:30   11月米貿易収支(予想:540億ドルの赤字)
○22:30   12月カナダ住宅建設許可件数(予想:前月比▲1.0%)
○24:00   1月カナダIvey購買部協会景気指数(予想:56.0)
○7日00:30   EIA週間在庫統計
○7日03:00   米財務省、10年債入札
○7日05:00~   ブラジル中銀、政策金利発表(予想:6.50%で据え置き)
○6-7日   1月ロシア消費者物価指数(CPI、予想:前月比1.2%)
○英中銀金融政策委員会(MPC、7日まで)

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