FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:旺盛な自立反発買いに引け高

市場では『本邦長期資金から買いが観測された』との指摘があり、指数は一時200円近く上昇した。しかし、買い一巡後は戻り売りなどが優勢となり上げ幅を縮めた。その後は再び個人投資家の旺盛な自律反発の買いに1ドル=106円近辺への円高一服を好感した買いに上げ幅を広げた。結局、前営業日比211円高の2万1591円と4日ぶり反発して終了した。

 

東京外国為替市場:FOMC結果を受けたドル売り一服

ドル/円は、米国の年内利上げペースが加速しないとの見方から持ち高調整などのドル売り・円買いが入り、一時105.57円付近まで下落した。トランプ米政権の保護主義的な通商政策で、米中貿易摩擦が激化するとの懸念も、ドル売り要因となった。ただ、心理的な節目として105.50円が意識されると、ドルの下げは一服した。その後は、本邦実需筋などのドル買い・円売り、日経先物の反発に支えられた。午後になると、米長期金利の低下幅が縮小したことも、ドルの買い戻しにつながった。ユーロ/ドルは、前日の海外時間に急伸した反動から利食いが持ち込まれ、1.23ドル台後半から1.23ドル台半ばへ水準を切り下げた。

 

欧州市場では3月マークイット・ユーロ圏製造業PMIが公表

2月実績(改定値)は58.6で1月の59.6から低下した。ただ、ユーロ圏の景気回復は継続しており、価格上昇の圧力がやや高まっていることから、3月実績は2月改定値に近い水準になると見られている。

 

英中銀金融政策委員会:利上げ地ならしサイン点灯か

21日発表の雇用統計で賃金上昇加速が示され、英中央銀行の5月利上げがますます確実な様子となってきた。政府統計局(ONS)によると、昨年11月-今年1月の賃金上昇率は2.6%と2016年終盤以来の高い伸びだった。市場は現在、5月利上げ確率を88%、11月の追加利上げ確率を63%織り込んでいる。そのため、今晩の英中銀政策委員会で利上げの地ならしサインが点灯する可能性が高く、ポンドの支援材料となる。

 

20カ国・地域財務相・中銀行総裁会議(G20 )は不発

声明では、焦点の貿易問題について『保護主義と闘う』とした昨年7月の首脳合意を『再確認する』としたうえで、『さらなる対話と行動が必要』との文言を追加した。保護主義的な姿勢を強める米国をけん制した。しかし、米国の保護貿易に反対する姿勢を強調したものの米国を説得するには至らなかった。また、声明では保護貿易に対する闘いを表現する文言が削除された。仮想通貨がテロの温床となる恐れがあるとして、悪用防止に向けた国際組織に関しを要請した。

今回のG20 では、トランプ米政権による鉄鋼・アルミニウムの輸入制限発動が23日に迫る中、多数の参加国が保護主義的な貿易政策への懸念を表明した。

 

FOMCの結果はハト派でもなくタカ派でもない玉虫色

FOMCで2会合ぶりに政策金利の引き上げを決めた。最大の焦点だった2018年の利上げ回数の予想は年3回変らずだった。半面、19年と20年の金利見通しは引き上げた。利上げに慎重なハト派とも積極的なタカ派とも取れる玉虫色の内容で、金融市場の反応も方向感が定まらなかった。市場にショックを与えず、利上げ加速をじわりと織り込ませる狙いなら成功したと思われる。政策金利見通し(メンバーの中央値)は18年末が2.125%で昨年12月の会合と同じ。1回あたりの利上げを0.25%とすれば、今回を含め3回を想定していたことになる。市場では18年の利上げ回数は4回に増えるとの観測が浮上していた。一方、19年は2.875%、20年は3.375%と12月会合(それぞれ2.687%、3.062%)から引き上げられた。

 

欧米イベント

○16:45   3月仏企業景況感指数(予想:109)
○17:00   3月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値(予想:55.5)
○17:00   3月仏サービス部門PMI速報値(予想:57.0)
○17:30   3月独製造業PMI速報値(予想:59.8)
○17:30   3月独サービス部門PMI速報値(予想:55.0)
○18:00   3月ユーロ圏製造業PMI速報値(予想:58.1)
○18:00   3月ユーロ圏サービス部門PMI速報値(予想:56.0)
○18:00   1月ユーロ圏経常収支(季節調整済み)
○18:00   3月独Ifo企業景況感指数(予想:114.6)
○18:00   3月欧州中央銀行(ECB)月報
○18:30   2月英小売売上高指数(自動車燃料含む、予想:前月比0.4%/前年比1.4%)
○20:00   1月南アフリカ小売売上高(予想:前年同月比5.9%)
○21:00   英中銀金融政策委員会(MPC)2日目、終了後政策金利発表(予想:0.50%に据え置き、資産買取プログラムは4350億ポンドで維持)
○21:00   英中銀金融政策委員会(MPC)議事要旨
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数(予想:22万5000件)
○22:00   1月米住宅価格指数(予想:前月比0.4%)
○23:00   2月米景気先行指標総合指数(予想:前月比0.5%)
○23日02:00   ラムスデン・イングランド銀行(英中銀、BOE)副総裁、講演
○米財務省2年、5年、7年債入札条件
○欧州連合(EU)首脳会議(ブリュッセル、23日まで)

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