FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:米中貿易摩擦の激化懸念が後退し買い優勢

トランプ大統領が8日に米中次官級貿易協議について『非常に順調に進んでいる』との認識を示し協議進展期待からNYダウが256ドル高と3日続伸したことを受け投資家心理が改善した。海外投資家の買いが入り相場を押し上げた。しかし、心理的な節目である2万500円にせまると個人投資家などの戻り売りが増えて上値を抑えた。結局、前日比223円だかの2万0427円と3日続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:米国で非常事態宣言の発令なくリスク選好

ドル/円は、米中貿易協議の進展期待や日経平均株価の上げ幅が200円を超えたことに支えられ、109.00円近辺まで上昇した。トランプ米大統領はメキシコ国境の壁建設についてテレビで演説を行った。市場が警戒していた非常事態宣言の発令はなかったことも、リスク選好の円売りを誘った。ただ、前日につけた109.09円が上値の目処として意識されると、上げは一服しあ。午後は、日経平均株価をにらみながら108.80円台を中心とした狭いレンジで取引された。ユーロ/ドルは、1.1460ドル前後で方向感を欠く展開となった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

中国成長率は鈍化:モルガン・スタンレー最新レポート

2018年10-12月期の中国の国内総生産(GDP)成長率が7-9月期の6.5%から6.2%に鈍化するとの見方を示した。当局が推進に力を入れていたデレバレッジの影響や、輸出の落ち込み、市場マインドの悪化をなど理由に挙げた。足元の製造業PMI、貿易、工業企業利益などの経済指標の悪化も経済成長の減速を反映しているとした。『AAストックス』が8日伝えた。また、18年の固定資産投資は5.6%増に減速すると予想。前年同期が高水準だった反動で、12月単月は3.4%増にとどまると見込む。業界別では、政策支援を受けてインフラ分野は安定した伸びを維持するものの、製造業、不動産関連の投資は減速するとした。

 

欧米市場ではユーロ圏11月失業率が公表

参考となる10月実績は4ヵ月連続で8.1%だった。2008年11月以来の低水準で推移している。ユーロ圏経済の成長鈍化に対する懸念はあるものの、景気は緩やかに回復していることを示唆する数字といえる。11月については、ギリシャの失業率はやや低下する可能性があるものの、ドイツ、フランスの失業率は下げ止まるとみられており、5ヵ月連続で8.1%となる可能性がある。

 

英国離脱協議の採決否決後の展開は

15日が有力視される合意受け入れの是非を問う英議会採決は大差で否決される可能性が高い。その後の展開としては、①さらなる譲歩を求めてEUとの協議を継続する。② どのような離脱を目指すか議員間の投票で決する 。③意見集約の難航で3月29日の協議期限を延長す る。④意見集約の難航で3月29日の協議期限を延長す るなどが考えられる。合意なし離脱の混乱を回避するため、一部の穏健派議員が合意の受け入れに傾こうが、どのような離脱を目指すかを巡って議会の意見集約は難航が予想されるうえ、EU側も合意内容の大幅な見直しに応じる可能性は低い。時間切れのリスクが迫るなか、協議期限の延長や国民投票やり直しの現実味が増す展開が予想される。

 

ボルトン米大統領補佐官が去就問題につながる可能性も

個性派揃いのトランプ米政権の中でも、対外政策において“超”がつくタカ派とされているのがボルトン米大統領補佐官である。トルコがクルド人掃討を目的にシリアでの軍事作戦を開始することに対してボルトン氏が『トルコがクルド人勢力を攻撃しないと約束するまで米軍はシリア北東部での駐留を続ける。米国と十分調整せず、同意も得ていない軍事行動を起こすべきではない』と忠告したことが波紋を呼んでいる。
 それに対して、エルドアン・トルコ大統領は『ボルトン氏は重大な過ちを犯した。全く受け入れられない』と同氏を痛烈に批判し、修復に向かって着実に進んでいた両国の関係に新たな亀裂が生じた。ただ、この問題はボルトン氏の去就問題にも発展しかねないとも捉えることができる。昨年末にトルコ大統領と電話会談したトランプ大統領は『生産的な会話が出来た。時間をかけ他国と高度に調整したうえでシリアからの撤退を行なう』と述べており、今回のボルトン氏の発言がトランプ大統領によるトルコとの駆け引きの一環なのか、それともボルトン氏単独の発言なのか。状況によっては、米大統領に背いたと見なされ、更迭ということもありえるのかもしれない。

 

米国では失業者を上回る求人数

米労働省が発表した11月JOLT求人件数は688.8万件と、予想外に700万件割れとなった。しかし、求人数は依然、失業者数の601.8万人を87万人上回った。求人件数と失業者数の差は2000年以降で最大を記録した。労働市場が依然ひっ迫している証拠となり、賃金の上昇を示唆する。実際、12月の平均時給の伸びは2009年来で最大の水準を保った。 採用者数は21.8万人減の570万人、退職者数も11.2万人減の340万人に、それぞれ11月から小幅減少した。民間の退職者数は12.2万人減、政府関連はほぼ変わらなかった。退職率(Quits rate)と解雇率は2.3%、1.2%でそれぞれ10月と同水準を維持した。結果は、雇用者が労働市場に依然強い自信を持っている証拠となった。退職率は雇用者の労働市場に対する自信をあらわすとして、米FRBが特に注目している。
昨年11月まで12カ月間の採用は6800万人、離職は6560万人で、ネットの雇用は240万人増加した。

 

欧米イベント

○16:00   11月独貿易収支(予想:186億ユーロの黒字)
○16:00   11月独経常収支(予想:248億ユーロの黒字)
○16:30   12月スイス消費者物価指数(CPI、予想:前月比▲0.2%)
○16:45   12月仏消費者信頼感指数(予想:90)
○19:00   11月ユーロ圏失業率(予想:8.1%)
○未定   ポーランド中銀、政策金利発表(予想:1.50%で据え置き)
○21:00   MBA住宅ローン申請指数
○22:15   12月カナダ住宅着工件数(予想:20.5万件)
○22:20   ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○23:00   エバンズ米シカゴ連銀総裁、講演
○23:00   12月メキシコ消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.75%)
○24:00   カナダ銀行(BOC、中央銀行)、政策金利発表(予想:1.75%で据え置き)
○10日00:30   EIA週間在庫統計
○10日00:30   カーニー・イングランド銀行(BOE)総裁、発言
○10日01:30   ローゼングレン米ボストン連銀総裁、講演
○10日03:00   米財務省、10年債入札
○10日04:00   米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(12月18-19日分)
○米中次官級貿易協議(北京)
○欧州連合(EU)離脱に向け英議会で審議再開

※米政府が一部閉鎖されているため、指標の発表は流動的となっています。

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