FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:米国株の続伸を好感した買い優勢

米中次官級協議の交渉前進期待に前日のNYダウ98ドル高の続伸が好感された。主力株中心に買いが優勢となり1ドル=108円台後半の円安も輸出関連株の買いを誘った。一時上げ幅を300円超に広げた。ただ、引けにかけては上値が重くなった。結局、前日比165円高の2万0204と続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:米中貿易協議に対する期待からドル底堅い展開

ドル/円は、日経平均株価の上げ幅縮小をながめ持ち高調整のドル売り・円買いが入り一時108.51円付近まで下落した。しかし、本日最終日となる次官級の米中貿易協議に対する期待が高まっており、下押しは限定的となった。その後は、本邦実需筋などのドル買い・円売りに支えられて108.70円台へ持ち直した。午後は、日経平均株価が一時300円を超えたことが好感され109.00円近辺まで上昇した。ユーロ/ドルは、1.1440ドル前後で方向感を欠く展開となった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

10日に日銀が全国支店長会議を開催

黒田総裁などの幹部発言や地域景況判断などを受けて、先行き『金融緩和強化』のシグナルが発せられるか否かが注視されそうだ。日銀に関しては原油安や携帯電話料金の引き下げなどにより、物価見通しの下方修正が見込まれている。一方で国債の買い占めを続ける日銀にとり、日本の国債と財政の信認維持を担保させる10月の消費税増税は重要なテーマになっている。この双方の問題に対処するため、日銀が早めの政策工夫メッセージを発信し始めると円高と日本の株安を制御させる。反対に政策手段余地の狭まりもあり、当面の様子見姿勢が維持されるようなら、『失望』と『政策催促』の両面で円高と株安が後押しされる潜在リスクも残されている。

 

中国の経済対策と米中貿易摩擦の緩和期待はリスク選好に

中国人民銀行(中央銀行)は4日、金融機関から強制的に預金の一定割合を預かる預金準備率を引き下げる金融緩和を発表した。市場に1.5兆元(約24兆円)の資金を供給する効果があるとしている。米中貿易摩擦などで中国の景気は減速しているうえ、最近では中国共産党が『一党独裁体制の堅持』で最重要視している雇用も悪化し始めた。中国の国民による共産党不満を未然に抑止するうえで、引き続き中国政府による政策総動員の連打が注視されそうだ。中国では米国との貿易交渉に関して、7-8日に次官級協議を開催している。前週末からは中国の対米政策キーマン、王岐山国家副主席が『1月22-25日開催のスイス・ダボス会議(世界経済フォーラム)でトランプ米大統領と会談を行う』という観測が浮上してきた。中国での経済対策と米中貿易摩擦の緩和期待は、リスク選好の円安要因となるほか、中国の経済や資源需要と相関性が高い豪ドルやNZドル、カナダ・ドル、南アフリカ・ランドなどの資源国通貨の支援材料となる。

 

米国では米長期金利低下と賃金上昇により景気刺激的な動きに

米国経済は前週末に12月の雇用統計と平均賃金の底堅さが再確認された。一方で長期金利の急低下やFRBの利上げ停止観測という緩和的な金融環境に移行していることで、『実体経済見合いでの金利の低さ』が先行き米国の景気を下支えしていく。
ドルについても、当座は昨年までの『強過ぎるドル独歩高』の反動調整によるドル安余地が残るものの、その範囲を超えたドル安の歯止め要因となりやすい。例えば米国の時間あたり平均賃金・名目前年比は、12月に+3.3%となった。前月に続いて2009年3月以来の高い伸び率を維持させた。一方で同じ12月に米10年債金利は、月間最低で2.68%方向に急低下している。結果『賃金前年比-10年債金利(月間最低)』の格差は+0.62%となり、11月の+0.31%からプラス幅を拡大させた。昨年2月の-0.15%をボトムにプラス幅が拡大し、2016年11月以来の賃金優位の環境となってきた(景気刺激的)。住宅市場や消費などにはプラス材料となり、過去実績として過度なドル安の歯止めやドル高へとつながっている。

 

欧米イベント

○16:00   11月独鉱工業生産(予想:前月比0.3%/前年同月比▲0.8%)
○16:30   11月スイス小売売上高(予想:前年同月比▲0.6%)
○16:45   11月仏貿易収支(予想:49億4600万ユーロの赤字)
○16:45   11月仏経常収支
○19:00   12月ユーロ圏消費者信頼感指数(確定値、予想:▲6.2)
○19:00   12月ユーロ圏経済信頼感指数(予想:108.2)
○22:30   11月カナダ貿易収支(予想:19億5000万カナダドルの赤字)
○9日03:00   米財務省、3年債入札
○9日05:00   11月米消費者信用残高(予想:180億ドル)
○米中次官級貿易協議(最終日、北京)
○ロシア(新年休暇)、休場

※米政府が一部閉鎖されているため、指標の発表は流動的となっています。

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