FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:円高一服を好感した押し目買い

ドル/円が1ドル=107円台後半の円安に歩調を合わせた先物買いや海外投資家のハイテク関連株への買いに一時上げ幅を200円超に広げた。しかし、後場になるとNYダウ先物の下落につれ安となり、一時88円安2万1836円まで反落したが、個人投資家の押し目買いに下げ渋った。結局、前日比45円高の2万1970円と反発して終了した。

 

東京外国為替市場:ドル/円は107円台後半で底堅い展開

ドル/円は、お昼頃に107.90円まで上げたが、日経平均株価が200円超高から80円超安まで急失速すると107.64円まで伸び悩んだ。その後、日経平均株価が前日終値前後で方向感の欠いた動きとなると、107.75円前後での持ち高調整が続いた。ユーロ/ドルは、FOMC議事録要旨を控えて持ち高調整などのユーロ売り・ドル買いが入り、1.2335―40ドルから1.2317ドル近辺まで下落した。前日に発表されたユーロ圏の経済指標が低調だったことも、引き続きユーロの重しとなった。

 

欧州市場ではマークイットユーロ圏2月製造業PMIが公表

1月分の改定値は59.6となった。12月実績の60.6を下回ったものの、新規受注や雇用は好調だった。2月分の数字については、雇用や新規受注が引き続き高い水準を維持していると予想されており、60近辺の高水準となる可能性がある。ユーロ買いにつながる可能性が高い。

 

トルコとシリア間で一触即発状態でトルコリラ下落

シリア北西部亜フリンを支配するクルド人勢力に越境攻撃を続けるトルコ軍に対抗するため、アサド政権側の部隊がアフリンに入った。シリア国営メディアが報じたもので、シリア、トルコ両国間で直接的な衝突が生じる恐れが高まっている。ただ、トルコは、アフリン近郊の部隊を増強するため約1200人を増派した。エルドアン政権はクルド人民兵組織『人民防衛部隊(YPG)』掃討だけが攻撃の目的であり、この目的を達成すればトルコ軍は撤退すると主張している。軍事的な衝突懸念が広がり、トルコリラ売りにつながった。

 

ゴールドマンがドル安を分析:米国を巡る懸念ではない

ドルを下落させているのは双子の米赤字か、それともトランプ政権が弱いドル政策を支持しているとの観測なのか。どちらでもないと、ゴールドマン・サックス・グループは指摘する。過去1年のドル下落は米国の政策やファンダメンタルズとはあまり関係なく、むしろ欧州や日本など米国以外の地域での景気回復シナリオを投資家が好ましくないとみている。世界経済が改善する中でドルが他の通貨に対してアンダーぱフォームする理由は、①世界経済の強まりで貿易量が拡大し、韓国やマレーシアなど製品輸出国の通貨を押し上げた。②商品価格の上昇は、チリを含む天然資源の輸出国にプラスにはたらいた。③米国の金融政策に近づく状況-ゴールドマンは今年、オーストラリアやスウェーデンが利上げすると予想、ECBの政策も正常化に向かうとみている。

 

米長期金利上昇のスピード鈍化要因

市場の注目は米長期金利の動向となっている。年明けから長期金利の急上昇(価格は下落)により、世界株安とリスク回避の円高とドル安を後押ししてきた。同時に米長期金利の背景にある米国の財政赤字拡大懸念やインフレ不安などが、リスク回避の円高・ドル安の流れを加速させる。ただし、米長期金利は前週に2014年1月以来の2.8%を超える上昇となってからは、上昇ペースが鈍化し始めた。背景としては、スピード面での過熱警戒感のほか、①米長期金利の3%接近による金利面での魅力が向上と、米国内外の長期投資化による押し目買い需要、②金利上昇や株安混乱などによる米国の指標の先行き鈍化警戒、③米国での構造的な低インフレ環境の再確認などの要因がある。

 

米国では1月中古住宅販売件数が公表

12月実績は557万戸となり、前月比▲3.6%となり、市場予想の568万戸を下回った。販売価格(中央値)は24万6800ドル、前年同月比+5.8%だった。12月視上昇を下回ったものの、やや高い水準を維持した。1月については雇用情勢の改善が続いていることや減税措置への期待が広がっていることから、12月実績をやや上回る可能性がある。

 

米国ではFOMC議事録要旨が公表

21日(日本時間22日午前4時)に公表される1月30-31日開催のFOMC議事要旨では、年3回の利上げシナリオの手掛かりとなるか注目される。インフレ見通しなどへの具体的な言及はドル買い材料となる。

 

欧米イベント

○17:00   2月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値(予想:58.0)
○17:00   2月仏サービス部門PMI速報値(予想:59.0)
○17:00   1月南アフリカ消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.3%/前年比4.4%)
○17:30   2月独製造業PMI速報値(予想:60.5)
○17:30   2月独サービス部門PMI速報値(予想:57.0)
○18:00   2月ユーロ圏製造業PMI速報値(予想:59.2)
○18:00   2月ユーロ圏サービス部門PMI速報値(予想:57.6)
○18:30   1月英雇用統計
○18:30   10-12月英失業率(ILO方式、予想:4.3%)
○21:00   MBA住宅ローン申請指数
○23:00   ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、講演
○23:15   カーニー・イングランド銀行(BOE)総裁、ブロードベントBOE副総裁、ホールデン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、テンレイロMPC委員、講演
○24:00   1月米中古住宅販売件数(予想:前月比0.5%/年率換算560万件)
○22日03:00   米財務省、5年債(350億ドル)入札
○22日04:00   米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(1月30-31日分)

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