FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:押し目買いが入り下値も限定的

米紙ワシントンポスト(電子版)が10:00前に『マクマスター氏が国家安全保障担当の大統領補佐官から解任へ』との報道が嫌気されたことで、米政権の先行き不透明感が強まった。また、リスク回避の円買いが強まり一時ドル/円が105.85円近辺へ円高が進んだ。そのため、輸出製造業の業績圧迫懸念に売りが優勢となった。ただ、個人投資家を中心に押し目買いが入ったため、下値も限定的だった。結局、前日比127円安の2万1676円と反落して終了した。

 

東京外国為替市場:リスク回避の円買いで106円台割れ

ドル/円は、マクマスター米大統領補佐官の解任報道で、調整職が強まり105.90円近辺まで円高が進んだ。またトランプ米政権の保護主義的な通商政策に対する根強い懸念もドル売りにつながった。衆参両院本会議において、黒田日銀総裁の再任と若田部・雨宮日銀副総裁の起用が、与党などの賛成多数で可決されたが、市場の反応は限定的だった。午後に入ると、日経平均株価の下げ幅拡大をながめてさらにドル売りが進み、105.85円付近まで下げた。ただ、前日アジア市場につけた安値105.79円が意識されるとドルの下げは一服した。ユーロ/ドルは、1.2310ドル付近でこう着するなど、もい合い商状に終始した。欧州勢参入待ちの様相となっている。

 

貿易問題が日本にも飛び火するが:お門違いな発言

米ワシントンポスト紙(3月15日付)によれば、トランプ大統領が14日のミズーリ州の支持者向け集会で『日本は米国製品を買わないのに、米国は日本車を買っているとし米国車が日本で売れないのは日本側に問題がある』と自動車の非関税障壁を問題視、対日貿易赤字について『年1千億ドルを失っている』と改めて対日貿易に不満を示した。

しかし、日本では米国の自動車に関税がまったくかからない。関税以外の部分でも日本車と何ら差別的な取り扱いはしていない。

 

低調な米2月小売売上高を受けて1-3月期GDP成長率は下方修正

14日に発表の米2月小売売上高が前日比▲0.1%となり、市場予想の+0.3%に反して3ヶ月連続で減少し、減税や景気刺激策を背景に盛り上がった米景気の力強い拡大期待はしぼんでいる。小売売上高の結果を受けて米1-3月期GDP予想が相次ぎ下方修正されつつあり、的中率の高いアトランタ連銀の予測値『GDPナウ』の1-3月期GDP成長率は14日現在、前期比年率+1.9%と巡航速度(潜在成長率)とされる2%弱へ下方修正された。労働市場が改善し個人所得が増加傾向にあり2月給与分からは減税効果が表れるなど、べいGDPの約7割を占める個人消費は、もっと堅調であってもしかるべきだが、最近は弱含みで推移している。

 

次期国家経済会議(NEC)委員長ラリー・クドロー氏とは

プリンストン大学で大学院課程の授業を履修後、NY連銀でエコノミストとして従事した。その後、レーガン政権の行政管理予算局で予算政策を担当し、その他にも多数の金融会社で働いたが、特に有名なのは、経済評論家として、CNBCで長くコメンテーターとして、テレビに出演を続けていた。なお以前は民主党だったが、レーガン政権参加後、共和党に鞍替えした。同氏の性格としては、意見の相違をあまり隠そうとしない。現にトランプ大統領は『クドロー氏は、関税措置に同意している』と称賛しているが、本人は『低所得層に対する逆累進課税』だと批判している。『関税がもたらす影響を過去にさかのぼってトランプ氏は検証するべきだ』と論じている。また自由貿易主義であり、トランプ政権の経済チャームとしては、ピーター・ナバロ教授などの自由貿易懐疑論者とは、一線を画している。過去においては、トランプ大統領の超大型減税に対しても、大きすぎると批判している。

 

米国市場では2月鉱工業生産が公表

1月実績は前月比▲0.1%で市場予想を下回った。製造業、鉱業の生産が低下したことが要因となっている。2月については鉱業生産の増加が見込まれていることや消費財の生産も増加するとみられており、全体的には反動増となる可能性が高い。

 

欧米イベント

○16:00   1月トルコ鉱工業生産(予想:前月比1.2%)
○16:00   2月独卸売物価指数(WPI)
○19:00   2月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値(予想:前年比1.2%)
○21:30   1月カナダ製造業出荷(予想:前月比▲0.9%)
○21:30   1月対カナダ証券投資
○21:30   2月米住宅着工件数(予想:129万件、前月比▲2.7%)
建設許可件数(予想:132万件、前月比▲4.1%)
○22:15   2月米鉱工業生産指数(予想:前月比0.4%)
設備稼働率(予想:77.7%)
○23:00   3月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値、予想:99.3)
18日 ○ロシア大統領選

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