FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:米中貿易交渉の合意期待で買い優勢

米政府が27日に米中首脳会談の開催を正式発表し貿易交渉の合意期待に海外投資家の先物への買いが先行し値がさ株への裁定買いに上げ幅を広げた。一方で、欧州連合(EU)関係者の『米政権が来週にも輸入車に関税を課す』との発言が伝わり自動車株への連想売りが重荷となとなった。結局、前日比224円高の2万2177円と4日続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:日本株高を好感してリスク選好の円売り

ドル/円は、日経平均株価の続伸に支えられ、113.85円近辺まで上昇した。しかし、心理的節目となる114.00が視野にはいると、上げ幅は一服した。その後は、月末に絡んだ国内輸出企業のドル売り・円買いが入り、113.80を挟んでもみ合いとなった。午後は、日経平均株価が上げ幅が拡大したことや、中国株高を好感した円売りが優勢となり、113.90円まで上昇した。ユーロ/ドルは、1.1295ドル前後でのもみ合い相場となった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

パウエル米FRB議長の講演に市場は注目

FRBのパウエル議長は28日、NYエコノミッククラブで講演を予定している。投資家は議長が10月に示した『利上げ打ち止めには程遠い』との見解を修正するかどうかに焦点を当てている。10月の株式相場は急落した。このため、一部投資家はFRBがタカ派姿勢を緩めるのではないかと期待している。 しかしながら、パウエル議長がFRBの利上げ打ち止めを示唆する確率は非常に低いと考える。議長は、貿易戦争の激化、米国や世界経済の成長減速リスクへの懸念が浮上する中、『FRBは引き続き利上げ軌道の見直しを続ける』と繰り返す可能性が高い。 FOMCは2019年に3回の利上げを予想している。一方で、投資家は慎重で、1回の利上げを織り込んでいるに過ぎない。FOMCメンバーは、経済の状況が維持できれば、緩やかな利上げを継続する可能性が強いと繰り返している。 議長の『金利は中立水準に程遠い』との見解が市場を震撼させた。市場は、速すぎる利上げを回避することをFRBが保証することを求めている。議長が28日の演説で、行き過ぎた利上げに踏み切らない確信を与えられるかどうかに注目が集まる。

 

米中首脳会談次第では1ドル=7元大台突破の可能性も

週末の30日にアルゼンチンの首都ブエノスアイレスで開幕する主要20カ国・地域(G20)首脳会議、G20に合わせて予定される米中首脳会談に世界の注目が集まっており、足もとの人民元は様子見ムードが強い。ただ、米中首脳会談の難航も懸念されるなか、人民元は約10年ぶりの1ドル=7元大台突破は回避しているものの、6.9元台の人民元安水準での推移が続いている。米中首脳会議が米中の対立激化に歯止めをかけられるとの期待感も少なくないが、強気同志の会談は物別れに終わる可能性が高く、首脳会議後の人民元が7元大台を試す動きとなる可能性が高い。中国は国内の不良債権処理に追われており、景気減速も見られるなか、貿易戦争の激化は避けたいのが本音である。また、米国にとっても貿易戦争の激化は一層の関税引き上げなどによるインフレを招き、減税策が効果を失う恐れがある。中国は貿易黒字削減には前向きな姿勢を示す可能性はあるものの、トランプ政権が重要視している知的財産権の侵害などについては妥協する可能性は低い。

 

米露の新たな火種:ロシアによるウクライナ艦船拿捕事件

ロシアによるウクライナ艦船の拿捕(だほ)事件が米国とロシアの間で新たな火種に急浮上してきた。26日の国連会合で双方は非難の応酬を展開した。しかし、ロシアによるクリミア半島併合に関わるだけに歩み寄りの余地は小さい。今週末のG20首脳会議にあわせて調整している米ロ首脳会談でも議論になりそうだ。ただ、対ロ強硬に染まる米政権で唯一ともいえる例外なのがトランプ大統領でもある。26日にはホワイトハウスで記者団に「私たちの立場はよく知られている。この状況を快く思っていない」とウクライナへの圧力を続けるロシアに不満をにじませたが、明確な批判は避けた。

 

米国市場では7-9月期国内総生産改定値を公表

速報値では、個人消費は前期比年率+4.0%の高い伸びを記録した。4-6月期実績の+3.8%増を上回った。減税効果による可処分所得の拡大が支出を促した。民間在庫投資が増加したことも成長に寄与した。改定値では個人消費、在庫投資、純輸出などの数値が改訂される可能性がある。

 

欧米イベント

○15:30   レーン・アイルランド中銀総裁、講演
○16:00   12月独消費者信頼感指数(Gfk調査、予想:10.5)
○16:00   7-9月期南アBER消費者信頼感指数(予想:15)
○18:00   10月ユーロ圏マネーサプライM3(予想:前年比3.5%)
○21:00   MBA住宅ローン申請指数
○21:05   クーレ欧州中央銀行(ECB)理事、講演
○22:00   デギンドスECB副総裁、講演
○22:30   7-9月期米国内総生産(GDP)改定値(予想:前期比年率3.5%)
○24:00   10月米新築住宅販売件数(予想:前月比3.7%/57万5000件)
○24:00   11月米リッチモンド連銀製造業景気指数(予想:15)
○29日00:20   プラートECB専務理事、講演
○29日00:30   EIA週間在庫統計
○29日01:30   米財務省、インフレ指数連動2年債入札
○29日01:30   イングランド銀行(BOE)、半期金融安定報告書とストレステストの結果発表
○29日01:45   カーニーBOE総裁、記者会見
○29日02:00   パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、講演
○29日03:00   米財務省、7年債入札
○20カ国・地域(G20)財務相代理会合、財務相ワーキングディナー(アルゼンチン・ブエノスアイレス、29日まで)

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