FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:万博開催地が大阪に決まったことを好感

2025年の万博(国際博覧会)開催地が大阪に決まり業績改善が期待できる建設株など内需関連株の買い優勢となった。海外短期筋の先物買いや中国・上海株などアジア株上昇も投資家心理の改善につながった。結局、前週末比165円高の2万1812円と続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:米年末商戦が好調なことからドル買い優勢

ドル/円は、日経平均株価の上げ幅拡大に支えられ、一時113.29円まで上昇した。米感謝祭翌日の『ブラックフライデー』におけるネット販売での売上高が、過去最高を記録したこともドルの押し上げにつながった。午後は、株価をにらみながら113.20円を中心とした狭いレンジで取引された。週末に開催される米中首脳会談のイベントを控え、様子見ムードが広がった。ユーロ/ドルは、先週末の海外時間に下落した反動から利益確定などのユーロ買い・ドル売りが入り、1.1350ドル近くへじり高となった。

 

豪州議会の不安定が続く:政治的リスクで豪ドルの上値も限定的

豪州では、24日に投開票された豪ビクトリア州議会(定数88)選挙で、与党・労働党が予想以上に議席を伸ばして大勝した。アナリストの間では、半年以内に行われる国政選挙を前に、自由党と国民党の保守連合にとって警鐘を鳴らす結果との指摘が出ている。 ビクトリアは人口が2番目に多い州で、今回の選挙は国政で連立政権を担う保守連合に対する有権者の支持を測るものと位置づけられた。 保守連合はターンブル前首相の議員辞職に伴い10月から連邦下院の議席が過半数に届かない少数与党となっている。

 

英国議会を通過するまでは合意なき離脱のリスクが残る

メイ英首相は、離脱協定と政治宣言案についての議会採決をクリスマスまでに取ると表明した。離脱強硬派の反発等により、現状は英下院の実質過半数320の賛成票を取り込むのは難しいとされている。ただし、『合意なき離脱』による経済的混乱への恐れは与野党の多くの議員が持っており、票の行方は今後メイ首相がいかに世論を見方につけることができるかにかかってきそうだ。

 

月末の米中首脳会談次第では来週の相場は波乱含み

『米中貿易戦争』は中国の景気減速だけでなく、米国自身の景気への影響も出始めている中、月末には米中首脳会談が予定されている。米国はこれまでに500億ドルの中国からの輸入品に25%、2000億ドルの輸入品に10%の関税を課すことを決定し、実施している。現在の米中首脳会談では、2000億ドルの輸入品を1月から25%に引き上げる予定を、現在の10%に据え置く一時『休戦』となるかが最も注目されている。ただ、最悪のシナリオとしては、米中首脳会談が物別れに終わり、新たに2670億ドルの輸入品に関しても果然を付加することである。その際は、一部の貿易摩擦緩和の期待感が剥落し、リスク回避の株安・円高地合いとなりやすい。

 

米2年債とドル/円相場:ドル反落リスクは時期尚早

1980年代以降の過去実績として、米2年債金利の前年比プラス化が維持されている限り、翌年もかけての利上げ継続とドル/円でのドル高トレンドが持続するパターンが繰り返されてきた。反対に米2年債金利のが前年比マイナスに転じてくると、翌年にかけての利上げ打ち止めとドル/円でのドル反落が遅行観測されてきた。昨年末の2年債金利は1.883%だったことから、現状ではドル反落リスクは時期尚早となっている。FRBなどの金融政策に敏感な2年債の金利が低下し始めると、利上げの打ち止めや休止などが市場に織り込まれ始め、その後遅行してドルが反落するパターン。

 

欧米イベント

○18:00   11月独Ifo企業景況感指数(予想:102.3)
○18:00   プラート欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○21:30   ノボトニー・オーストリア中銀総裁、クーレ欧州中央銀行(ECB)理事、講演
○23:00   ドラギECB総裁、欧州議会で演説
○27日03:00   米財務省、2年債(390億ドル)入札
○27日03:30   カーニー・イングランド銀行(BOE)総裁、講演
○20カ国・地域(G20)財務相代理会合、財務相ワーキングディナー(アルゼンチン・ブエノスアイレス、29日まで)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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