FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

3月4-10日分の対外及び対内証券売買契約等の状況

国内投資家は対外中長期債は1兆900億円の買い越しとなり、買い越しは2週間ぶりとなった。また、対外株式は230億円の売り越しとなり、売り越しは3週間ぶりとなった。また、海外投資家は対内株式は4325億円の売り越しとなり、売り越しは3週連続となった。対内中長期債は4860億円の買い越しとなり、2週連続の買い越しとなった。対内短期債は1兆7896億円の買い越しとなり、買い越しは2週間ぶりとなった。

 

国内投資家は、前週は1兆1758億円の売り越しとなったが、一転買い越しに転じており再び海外投資を進め始めた可能性がある。新年度の運用に向かい始めたのなら、円高の抑制要因となる可能性もある。海外投資家は、引き続き日本株を売りこしていることから、上値の重い展開となっている。日本株は海外投資の買いがけん引するため、買い越しに転じるまでは上値追いにはなりにくい。海外投資家は日本の債券市場に触手を示しており、大量に買い越しとなっている。新規の買いとなると、円買い要因につながりやすく円高要因となる。

 

日経平均株価:日銀のETF買い思惑から買いに転じる

前日のNYダウが248ドル安の3日続落やトランプ政権の『保護主義』通商政策が警戒され主力株中心に売りが優勢となり、外国為替市場で1ドル=105円台後半の円高進行を背景に売りが先行し、指数は一時220円超下落した。しかし、売り一巡後は押し目買いが入り前場引けにかけて下げ幅を縮めた。後場に入ると日銀のETF買い思惑に上げに転じた。結局、前日比26円だかの2万1803円と反発して終了した。

 

東京外国為替市場:仕掛け的なドル売り・円買いで106円台割れ

ドル/円は、トランプ米政権の保護主義的な政策で、米中貿易摩擦が激化するとの懸念から仕掛け的なドル売り・円買いが持ち込まれ、105.78円近辺まで下落した。米長期金利が低下したことも、ドル売りを誘った。ただ、下値では値ごろ感からドルの押し目買いが入り、下げは一服した。その後は、本邦実需筋などのドル買い・円売りや、日経平均株価の下げ幅縮小に支えられ、16.00円台付近へ切り返した。午後は、トランプ政権の保護主義的な政策に対する根強い懸念からドル売り・円買いが再燃した。もっとも、日経平均株価がマイナス圏からプラス圏に転じたことから下押しは限られ、105.90円台へ値を戻した。ユーロ/ドルは、手掛かり材料に乏しく1.2375ドル前後で値動きが細った。欧州勢参入待ちの様相となっている。

 

QUICK調べ2018年の想定為替レートは6割以上が110円前後

3月の『QUICK短観経済観測調査(短観)』の結果として、2018年度の円の想定レートは6割以上の企業が『1ドル=110円前後(107.50-112.40円)』と答えた。

現在106円前後での動きとなっていることから、先行き業績下方修正の会社が増える可能性もある。

 

ビットコイン8000ドル割れで謎の大口投資家が動くか注目

仮想通過のビットコイン(BTC)が8000ドルの節目を割り込み、大幅安となっている。2月上旬以来の安値圏まで下げている。19~20日に20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議を控え、金融当局から国際的に規制を強化する動きが出るのではないかと警戒されている。今年2月上旬に、謎の投資家が2月9~12日にかけてビットコインを大量に買ったことが話題になり、その後、ビットコインが再び1万ドルを超えて強含むキッカケとなった。2月21日に11141.42ドルで4303.80BTC(4795万ドル、約51億円)を売却していたが、その後は大きな売買を行っていない。前回は8153~8776ドルあたりで買いに動いていた。市場では今回も動くか注目が集まっている。

 

市場が不安視しているクドロー氏とは

トランプ政権が貿易赤字是正に向けた取り組みを緩める気配は全くみられない。むしろその逆で、政権のグローバリストの官僚を排除することで、取り組みを強める可能性のほうが強まった。米国の保護主義貿易策が、貿易戦争につながるとの警戒感も強まり、ドルの弱気の見通しが強まりつつある。コーン委員長の後任として、クドロー氏を指名することが明らかになった。クドロー氏は自由貿易の信棒者でどちらかというとグローバリストである。関税に関しては、『中国は長い間、規制に基づいて行動していない』とライアン下院議長と同じく的を絞った関税導入を推奨している。さらにドルに関しては、『トランプ大統領が強く安定したドル相場に反対する理由はない』『トランプ大統領が世界的な準備通貨の安定維持を信じない理由はない』とコメントしている。また、トランプ大統領は税制改革の第2弾を計画していることを明らかにしている。そのため、ドルが思いがけず上昇に転じる可能性も出てきている。

 

欧米イベント

○16:00   12月トルコ失業率(予想:10.4%)
○16:45   2月仏消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比▲0.1%)
○17:15   2月スイス生産者輸入価格
○17:30   スイス国立銀行(中央銀行)、政策金利発表(予想:▲0.75%で据え置き)
○18:00   ノルウェー中銀、政策金利発表(予想:0.50%で据え置き)
○21:30   3月米ニューヨーク連銀製造業景気指数(予想:15.0)
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数(予想:22万8000件)
○21:30   3月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数(予想:23.0)
○21:30   2月米輸入物価指数(予想:前月比0.2%)
○23:00   3月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数(予想:72)
○16日00:45   ラウテンシュレーガー欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○16日05:00   1月対米証券投資動向

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