FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:米中貿易摩擦の改善期待で買い優勢

前週末のNYダウが123ドル高の続伸や米中『貿易摩擦』改善期待から買いが先行し、一時上げ幅を170円強まで広げた。ただ、為替市場で1ドル=112円台の円高を嫌気した輸出関連株への戻り待ちの売りが重石となった。結局、前週末比140円高の2万1821円と反発して終了した。

 

東京外国為替市場:週明けは狭いレンジ内での値動き

ドル/円は、日経平均株価の反発に支えられドル買い・円売りが入り112.80円近辺まで上げた。しかし、週末に開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)では、首脳宣言の採択が断念されるなど、米中通商問題の先行き不透明感から上値を追う動きは限られた。その後は、前週末に伝わったFRBメンバーによるハト派的な発言が意識され、米国金利の先高観が後退するなかで持ち高調整のドル売り・円買いが入り112.65円近辺まで押された。午後は日経平均株価や上海総合株価指数の動向をにらみながら112.70円台を中心とした狭いレンジでもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、予算案を巡るイタリア政府とEUとの対立を警戒したユーロ売り・ドル買いが持ち込まれ1.1395ドル近辺まで値を下げた。

 

原油高などで日本の貿易2ヵ月ぶりの赤字

財務省が朝方発表した日本10月貿易収支(通関統計)は4493億円の赤字となり、市場予想の700億円の赤字幅から拡大し、2ヵ月ぶりの赤字となった。自然災害で前月落ち込んだ輸出は増加に転じたものの、原油高に伴うエネルギー輸入額などが影響した。

 

ポンドは英国の政治動向をにらんで神経質な動きに

英国とEUは13日に離脱案について実務レベルで合意し、メイ首相は14日に緊急閣議を開いて離脱案について協議を行った。これまでに交渉が難航した要因であるアイルランドの国境問題は、新たな貿易協定が結ばれるまでは英国全体が暫定的にEU関税同盟に残ることで合意した。2020年7月まで貿易協定が結ばれなかった場合、英国内から北アイルランドに運ばれる品物について、EUの基準に見合っているかどうかを英当局がチェックすると定められた。閣議は離脱案について5時間にわたり協議し、最終的に承認された。 離脱案は25日に開かれる臨時のEU首脳会議で承認された後、英議会での承認待ちとなる。議会で否決されれば、『合意なき離脱』、内閣総辞職、再選挙というシナリオになる可能性もあり、メイ首相はこれから議会承認に向けて政治生命を賭けて与党内反対派の説得に取り組むことになる。先週、ラーブ英EU離脱担当相が辞任するなど、離脱案をめぐって与党からも『妥協しすぎ』と批判の声も多い。また、労働党やスコットランド国民党(SNP)も既に反対の姿勢を見せており、北アイルランド統一党(DUP)も合意内容に懸念を示している。これからは離脱合意に向けて、英国内の政治動向に睨んで、ポンドが神経質な動きとなりそうだ。

 

イタリアの財政問題も長引く可能性も

イタリアのデキマイオ副首相兼経済発展相は政府が2019年予算案を巡りEUの行政機関である欧州委員会との対話の用意はあるものの、欧州委はイタリアに対し成長てこ入れに向けた費用の削減を求めることはできないと述べた。同副首相は伊紙コリエレ・デラ・セラのインタビューで、『我々は無駄な支出を大幅に削減する用意がある。最終的には赤字拡大防止策の用意もある。しかし、今回の予算案に盛り込まれた大きな改革を維持する必要がある』と語った。また、政府が不動産の一部売却に同意するとの考えをあらためて示した。

 

米国債の売り越し幅が4月来の少なさ:米利上げ観測に変化も

16日にクラリダ米FRB副議長が利上げに慎重な姿勢を示したことで、米長期金利低下とドル安地合いとなった。米景気のピークアウト感が台頭しつつあり、13日時点の投機筋の米国債売り越し幅は33万枚と4月来の少なさとなった。まだ売り越しとなっているものの、米国の利上げ継続を前提とした取引は明らかに基調が変わってきた。先行き日米金利差の拡大を前提としたドル高市内路も懐疑的な見方が増えてきている。

 

欧米イベント

○18:00   9月ユーロ圏経常収支(季節調整済み)
○19:00   9月ユーロ圏建設支出
○24:00   11月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数(予想:67)
○20日00:45   ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、講演
○メキシコ(メキシコ革命記念日)、休場

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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