FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:前日の米国株高と円安を好感した買い

米中間選挙が市場予想通りの結果となり、前日NYダウが545ドルの大幅続伸が好感され幅広い銘柄に買いが先行した。また、1ドル=113円台後半の円安も支えとなり一時上げ幅を500円近くまで広げ一時節目となる2万2500円台を回復した。結局、前日比401円だかの2万2486円と大幅反発して終了した。

 

東京外国為替市場:ドルは方向感のないもみ合い相場

ドル/円は、本邦実需筋などのドル買い・円売りや日経平均株価の大幅高に支えられ、113.70円近辺までじり高となった。ただ、FOMCの結果を見極めたいとの様子見ムードが広がり上値を追う動きは限ら、113.65円近辺でのもみ合いになった。午後は米長期金利が小幅に上昇したことがドル買いを誘い、一時113.73円まで上げた。しかし、前日に付けた113.82円が上値目処として意識されると上げ幅一服となり、113.60円中心とした狭いレンジ相場となった。ユーロ/ドルは、1.14ドル台前半で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

米中貿易戦争急速に業績悪化に苦しむ中国企業

わずか11ヵ月前には、中国にはドル建てのディストレス債券(財務危機による生きずまった)は1本もなかった。それが今では全ての新興国・地域を合わせてより多いディストレス債を抱えている。6日時点で、オプション調整後の米国債に対する上乗せ利回りが1000ベーシスポイント(1ベーシスポイント=0.01%)を上回る債券が15本ある。中国に次いで多いのはブラジル3本で、ジャマイカとロシアがそれぞれ2本ある。急成長が何年も続いてきた中国だが、レバレッジに大きく頼る企業セクターにとって貿易戦争と成長鈍化が重石になっている。政府が不動産価格抑制に取り組み、借り換え圧力が高まる状況で、特に不動産開発業者は借り換えコスト増大に直面している。

 

米中間選挙後の米国株市場のマインド

米国株の中間選挙は上院が共和党、下院が民主党というネジレ議会となったが、事前の予想通りとなったことで打撃は限られた。反対にトランプ米大統領が民主党に融和と協力を呼びかけたことや、選挙終了による不透明感の払拭、民主党が前向きなインフラとヘルスケア整備への期待感、トランプ米大統領によるアマゾンなどIT、情報通信会社への規制強化に対する下院民主党の抵抗阻止期待などがプラス要因となっている。

 

イタリアの財政問題の切り札として使われる可能性も

欧州中央銀行(ECB)が長期資金供給オペ(TLTRO)の再実施を検討するとの見方が市場の一部で浮上している。過去に実施したTLTROが2020年から順次、満期を迎える。オペでの資金調達額が多いとされるイタリア銀行の流動性(資金繰り)懸念が強まる中、供給額の急減への対応策を示す可能性が取りざたされている。TLTORは貸出実績に応じてECBが銀行に直接資金を供給する方策。14年にTLTRO、16年にTLTRO2と延期されてきた。1と2を合わせた残高は約7300億ユーロ(約95兆円)で2020年6月から21年3月までに全て満期を迎える。スペイン大手行BBVAの推計では、イタリアとスペインお銀行による調達額がオペ供給額の約6割を占める。このため、ECBは満期到来による資金供給額の急激な落ち込みを避けるため、TLTRO再導入など何らかの流動性対策を検討するとの見立てにつながっている。イタリア財政問題では、TRTLOがEUとのかけ引きに使われる可能性も残る。

 

米国市場では7-8日にFOMCを開催:金融政策は据え置き予想

米国では、FRBが7-8日の2日間にわたりFOMCを開催する。CNBCが行った世論調査によると、アナリスト、ファンドマネージャーといった回答者のうち90%が今回の会合で、FRBが利上げを見送ると見ていることが明らかになった。一方、12月FOMCでは、回答者の85%が利上げを織り込んでいる。来年の利上げに関しては依然、2回と3回に分かれており、平均2.5回となっている。米中間選挙の結果を受けて経済、インフレ、金利見通しに変更があるかどうかを声明で判断していく。ドルはねじれ議会の影響で財政刺激策の可能性が後退し、FRBの利上げで金融刺激策も縮小するため経済成長の勢いが鈍化するとの見方から、ドルの弱気派も根強い。一方、現行の減税などの景気刺激策が覆されるわけでもなく、今までのような力強い成長は期待できないものの、順調な成長が続くと見られ、ドルも上昇基調を維持するとの見方もある。

 

欧米イベント

○15:45   10月スイス失業率(季節調整前、予想:2.4%)
○16:00   9月独貿易収支(予想:200億ユーロの黒字)
○16:00   9月独経常収支(予想:210億ユーロの黒字)
○16:45   9月仏貿易収支(予想:61億ユーロの赤字)
○16:45   9月仏経常収支
○18:00   11月欧州中央銀行(ECB)月報
○22:15   10月カナダ住宅着工件数(予想:20万件)
○22:30   9月カナダ新築住宅価格指数(予想:前月比0.1%)
○22:30   前週分の米新規失業保険申請件数(予想:21万4000件)
○23:00   10月メキシコ消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.51%)
○9日00:20   ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
○9日04:00   米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表(予想:2.00-2.25%で据え置き)

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