FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

米中間選挙は予想通りの展開と伝わる

米議会の中間選挙では上院は共和党、下院は民主党が多数派が握る『ネジレ議会』になる見通しと伝わった。共和党と民主党で一致している政策のひとつにインフラ投資がある。特に民主党はインフラ投資に積極的な方針を持っている。下院の多数派を民主党が取る見通しとなったことで、共和党も今後インフラ投資を積極的に推し進める公算が大きい。一方、トランプ米政権の通商政策に大幅な変更はないと思われる。重要政策を決める権限が大きい上院で過半数を握る見通しとなる。ただ、上下両院で共和党が多数をとることが短期的には米国株にプラスと見る向きがあっただけに、1週間程度は値動きの荒い展開となりやすい。トランプ大統領は自身のツイッターで『今夜は大成功だ。ありがとう』と伝えている。上院で過半数を維持できたことでのツイッターと思われる。

 

日経平均株価:引けにかけて利益売り優勢となり下落して終了

前場は前日のNYダウ173ドル高の続伸を受け買いが先行し一時上げ幅を200円超に広げたものの、米中間選挙判明を前にヘッジファンドの思惑的な売買や1ドル=112円台後半への円高を嫌気した売りに下げに転じたが、共和党が上院『過半数維持』が意識されNYダウ先物の上昇を受け先物主導で再び上げ幅を広げた。その後は、利益確定売りに引けにかけて再び下げに転じた。結局、前日比61円安の2万2085円と反落して終了した。

 

東京外国為替市場:米中間選挙の結果報道に乱高下

ドル/円は、米中間選挙の下院において、民主党が優位に進めているとの報道が伝わると、トランプ米政権の政策運営を巡る先行き不透明感から調整色が強まり、一時112.97円まで下げた。しかし、今度は共和党が急速に追い上げているとの報道が伝わると、ショートカバーが入って113.80円台まで急上昇した。その後は、複数のメディアが『米下院では、民主党が過半数を獲得する見通し』と報じたことで、113.40円近辺へ値を下げる荒い値動きとなった。午後は、日経平均株価のさえない動きをながめて持ち調整などのドル売り・円買いが入り113.10円台へ軟化した。ユーロ/ドルは、米長期金利の低下でユーロ買い・ドル売りが優勢だったものの、高値警戒感から伸び悩み1.14ドル台後半から1.14ドル台半ばへ水準を切り下げた。

 

米中間選挙後は再びイタリア財政問題が焦点に

欧州連合(EU)が財政規律ルールに反しているとして修正を求めたイタリアの2019年予算案の再提出期限の13日まで残り1週間を切った。5日開いたユーロ圏財務相会合でユーロ参加国の財務相が結束してイタリアに修正に応じるよう要求した。そして、EUの執行機関である欧州委員会は制裁発動のカードをちらつかせながら、イタリアへの圧力を強めていく構えだ。イタリアは13日までに修正した予算案を欧州委へ再提出しなければならない。イタリアのトリア経済・財務相は5日、『予算案は変わらない』と強調した。EU側の予算修正圧力に応じない姿勢を改めて表明した。予算案に盛り込まれた景気刺激策が成長を底上げし、政府債務残高も減少する見込みだと主張している。そのため、両者が折り合うめどは立たない。

 

欧州市場ではユーロ圏9月小売売上高が公表

8月実績は前月比▲0.2%だった。食品・飲料やオンライン・通信販売が減少した。9月については前月減少した反動で食品、飲料の売り上げ増が見込めるが、自動車燃料などの売上高は減少するとの見方が多く、全体的には小幅な伸びにとどまる可能性が高い。

 

欧米イベント

○16:00   9月独鉱工業生産(予想:前月比0.1%)
○19:00   9月ユーロ圏小売売上高(予想:前月比0.1%/前年比0.7%)
○未定   ポーランド中銀、政策金利発表(予想:1.50%で据え置き)
○20:00   10月ブラジルIBGE消費者物価指数(IPCA、予想:前月比0.55%)
○21:00   MBA住宅ローン申請指数
○24:00   10月カナダIvey購買部協会景気指数
○8日00:30   EIA週間在庫統計
○8日03:00   米財務省、30年債(190億ドル)入札
○8日05:00   9月米消費者信用残高(予想:165億ドル)
○8日05:00   ニュージーランド準備銀行(RBNZ)、政策金利発表(予想:1.75%で据え置き)
○米連邦公開市場委員会(FOMC)1日目
○インド(ディワリ)、休場

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