FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:良好なトヨタの決算を受け上げ幅拡大

前日のNYダウが190ドル高の反発で投資家心理が改善し短期的な戻りに期待した海外投資家の買いが先行した。決算発表したトヨタが上げ幅を一時3%超に広げて全体相場の雰囲気が上向き幅広い銘柄に買いが入り、一時上げ幅を261円まで広げた。結局、前日比248円高の2万2147円と反発して終了した。

 

東京外国為替市場:ドル/円は底堅い展開が継続

ドル/円は、国内輸入企業などのドル買い・円売りや日経平均株価の反発に支えられ、一時113.30円前後へ値を上げた。しかし、今日から投票が行われる米中間選挙の重要イベントを控えて上値を追う動きは限られ、113.25円近辺でもみ合う展開となった。午後は日経平均株価の上げ幅拡大をながめて持ち高調整などのドル買い・円売りが入り、113.38円前後までじり高となった。ユーロ/ドルは、1.1405ドル近辺で方向感に欠く値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

豪準備銀行は現状の金融政策を維持継続

豪中銀は理事会で、景気堅調ながら物価と賃金の伸びが鈍く住宅価格が下落傾向にあるため政策金利を過去最低水準の1.5%に据え置き、引き続き景気重視の姿勢を維持した。ロウ豪中銀総裁は生命で『2018-19年の経済成長率が3.5%前後と見通す』と景気良好差を示した一方、『経済(賃金)経済の成長期にはもう少し、力強く上昇すべき』と伸びの鈍さの懸念を示した。もちろん、豪州経済はリセッションなき期間がこの4-6月期で108四半期連続と世界最長記録を更新、引き続き景況感は良好とされるが賃金・物価の伸びと住宅市場の弱さに鑑み利上げ加速を回避した。

 

米中貿易戦争による中国の景気減速感が表面化

米中防衛摩擦は9月末に『第3弾目』関税賦課が発動され、中国の輸出入への開く盈虚が懸念される。10月の財新サービス業PMIは50.8に低下し、13カ月ぶりの低水準となった。新規受注は約10年ぶりの低水準となるなど、内需を取り巻く状況の厳しさを示唆している。先行きへの期待は高いなど『総悲観』にはなっていないが、足もとの景気減速は深刻化している。こうした中、政府は『弱い分野』のインフラ投資強化を通じた景気下支えに動く。短期的には中国景気にプラス作用する一方、下表債務問題など中長期的課題の『先送り』が懸念される。

 

米中間選挙を控えリスクリバーサルでは円安傾向

将来の為替レートを予測する通貨オプション市場ではドルを『買う権利』から『売る権利』の需要を引いた『リスクリバーサル』の1週間ものが6日午前にマイナス0.7%台となり、1週間前の10月29日にマイナス1.2%台から上昇した。この指数は上がるほど、市場参加者が将来のドル高・円安を見込む比率が多いことを示す。米議会で上院が与党共和党、下院は野党民主党が過半数を獲得すれば、為替相場はドル安・円高となるのが市場の見方となっている。予算案などが議会を通りにくくなり、国内政治の停滞感からトランプ氏の外交の強硬姿勢が強まることも予想されため市場のセンチメントが高まりやすくなる。一方、共和党が上下院の過半数を獲得すれば、追加減税などへの期待も高まり、16年の大統領選挙後のような株高やドル高相場が予想されている。リスクリバーサルから判断すると、為替市場は後者のシナリオを意識し始めている可能性がある。

 

米中間選挙後も米長期金利上昇で株価の重石

市場では、米中間選挙後に株高が継続するとの楽観論に懐疑的な見方がある。それは、米長期金利が再び上昇し始めていることである。米債券市場では30年物国債利回りが2日に3.4%台まで上昇(価格は下落)し、14年夏以来の水準を付けた。米長期金利の指標となる10年債利回りはまだ10月上旬の水準を超えていないものの、3.2%台まで窓している。10月の世界同時株安のきっかけは米金利浄書うだった。賃金上昇に伴うインフレ期待が金利高につながっている可能性が高く『その傾向は米中間選挙後も変わらない』との見方が大勢となっている。もし、選挙で与党・共和党で過半数を握ると『トランプ米政権が掲げる追加減税の実現の可能性が高まり、(財政悪化懸念から)金利上昇に弾みが付いて株売りを促す可能性が高い。グローバル製造業PMIは10月に前月比0.1ポイント低い52.1と6ヵ月連続で低下するなど世界景気の減速は鮮明となっている。世界経済の成長加速が描けないなかで米長期金利だけが上昇すると、PER(株価収益率)が高い成長あk部への資金流入は期待しにくい。米株式市場ではアップルやアマゾン・ドット・コムなどのIT株や中国電子商取引(EC)最大手のアリババ集団の米預託証券(ADR)も下げ基調が続く中、日本株だけが戻りを試す展開にはにりにくい。

 

欧米市場イベント

○16:00   9月独製造業新規受注(予想:前月比▲0.6%)
○16:30   プラート欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○17:50   10月仏サービス部門購買担当者景気指数(PMI)改定値(予想:55.6)
○17:55   10月独サービス部門PMI改定値(予想:53.6)
○18:00   10月ユーロ圏サービス部門PMI改定値(予想:53.3)
○19:00   9月ユーロ圏卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.4%/前年比4.2%)
○20:15   クーレECB理事、講演
○21:00   ラウテンシュレーガーECB専務理事、講演
○22:30   9月カナダ住宅建設許可件数(予想:前月比0.4%)
○7日03:00   米財務省、10年債(270億ドル)入札
○6-7日   10月ロシア消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.4%)
○欧州連合(EU)財務相理事会(ブリュッセル)
○米中間選挙(大勢判明は7日午後の見込み)

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