FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:米中貿易摩擦への楽観的な見方後退

クドロー米NEC委員長が早期妥結に否定的な見方を示した米中『貿易戦争』への楽観的な見方が後退し前週末のNYダウが109ドル安の反落も投資家心理を冷やし売りが優勢となった。結局、前週末比344円安の2万1898円と反落して終了した。

 

東京外国為替市場:アジア株価反落もドルは底堅い

ドル/円は、国内輸入企業などのドル買い・円売りに支えられ、一時113.25円へ値を上げた。しかし、明日から始まる米中間選挙を控え、上値を追う動きは限定的だった。その後は、日経平均株価や上海総合株価指数の反落をながめ、113.10円台を中心とした狭いレンジでもみ合った午後は、米金利の先高観から短期筋などがドル買い・円売りを持ち込み113.30円前後までじり高となった。ただ、前週末にNY市場でつけた113.30円が意識されると上げは一服となった。ユーロ/ドルは、1.13ドル台後半で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

日本経済の減速懸念が高まる可能性も:自然災害と輸出額鈍化

内閣府が14日に公表する予定の2018年7~9月期国内総生産(GDP)は2期ぶりにマイナス成長になる見通しとなっている。夏場の西日本豪雨や北海道地震、台風など自然災害の影響で生産や出荷が滞ることに加え、中国の好況投資など17年の拡大をけん引していた要因がなくなり『18年は景気減速のフェーズに入っている。』9月は鉱工業生産指数(速報値)が今年1月以来の低水準となったほか、貿易統計(速報、痛感ベース)では輸出額が1年10ヵ月ぶりに前年を下回った。

 

トルコの10月消費者物価指数(CPI)に注目

前月比では+2.00%と前回の+6.30%から伸び率の低下し、前年比では+24.50%と前回の+24.52%からほぼ横ばいが市場予想となっている。9月のトルコ中銀による大幅利上げや通貨安懸念も後退していることで、インフレ高騰の一服が確認されるかが焦点となるただし、前回の9月CPIは前回値から大きく上振れており、今回も警戒は必要となる。市場の見込み通りにインフレが改善傾向となれば、トルコ・米国間の溝が埋まりつつあること支えに、トルコリラは上値を試す可能性がある。問題はインフレ上昇お勢いが止まらなかった場合の反応である。前回は予想を上回る結果に失望売りが先行し、追加利上げへの期待が徐々に高まり反発した。今回も予想を上振れとなれば、依然として利下げ信奉者であるエルドアン大統領のもとで、中銀の独立性に対する様々な思惑が交錯することになりやすい。

 

英国のEU離脱に対しての問題点:11月21日までに合意できるか焦点

英国のEU離脱は2019年3月29日と決まっている。EUと英国はこれに向け条件や手続きを定める離脱協定を交渉している。合意しても正式に協定を結ぶにはともに議会などの動意が必要で、時間を要するため10月中の協定合意を目指してきたが、いまだ合意はできていない。合意を阻んでいるのは、関税問題となる。離脱協定なしに離脱すると関税を巡り混乱する恐れがある。しかし、勝手に抜け出そうとする英国に対し関税面で優遇措置をEUとしても与えづらい。そこにアイルランドの問題が絡んできている。アイルランドと英国領である北アイルランドには国境がある。しかし、英領北アイルランドと接するありるランドは関税同盟と単一市場に参加しており、現在、国境には検問所や税関がない。英国とEUはこの国境開放を維持することで一致しているが、国境を管理しないでいかに通関手続きを行うことが可能なのかがネックとなっている。時間は限られていることは確かであり、11月7日~18日に予定されている臨時首脳会議までに合意する、いや合意しないとの観測が入り乱れている。実質的な交渉期限は『11月まで』から『クリスマス』に延びているとされた。ただし、ここにきてややや進展もみられるようで、英国のラーブ英離脱担当相は議員い宛てた書簡で、EUとの離脱交渉が11月21日までに妥協することを示唆した。

 

米中間選挙が市場の関心を支配:共和党が両院支配ならポジティブサプライズ

多くのメディアは、下院では民主党が過半数を制する可能性が高いと予想している。その通りの結果となればトランプ政権下では初のネジレ状態となり、予算が人質に取られる形で大統領と議会との対立がより激化する。そのため、政府の窓口閉鎖などといった事態がこれまで以上に深刻化する可能性もある。もっとも、ここ数年の選挙に対するメディアの予想は覆される結果となることが多い。今回の中間選挙についても、どちらに転ぶか分からない激戦州とされる地区の結果次第でどちらにも転ぶ可能性がある。仮に、共和党が両院を支配しる今の構図が継続する結果となる場合、これまでのような景気刺激的な経済政策の継続に期待する形で、市場にはポジティブサプライズとなりやすい。

 

欧米イベント

○16:00   10月トルコ消費者物価指数(CPI、予想:前月比2.00%/前年比24.50%)
○18:30   10月英サービス部門購買担当者景気指数(PMI、予想:53.3)
○22:00   デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○22:25   ポロズ・カナダ銀行(中央銀行、BOC)総裁、講演
○23:45   10月米サービス部門PMI改定値(予想:54.6)
○23:45   10月米総合PMI改定値
○24:00   10月米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業指数(予想:59.3)
○6日03:00   米財務省、3年債(370億ドル)入札
○米国、対イラン制裁第2弾(原油禁輸)発動
○ロシア(民族統一の日)、休場
○米国は4日から冬時間に移行済み

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